アルバニア映画
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
東欧映画は伝統的に女性が主体である語りの作品が少ない。そもそもの話、共産主義に支配されていた東側諸国では映画という芸術体系は抑圧を余儀なくされたが、その中ではマイノリティである女性にスポットライトが当てられることも少なかった。そして共産主…
さて、前回アルバニア映画史を概覧する記事をこの映画誌にアップした。その執筆者であるThomas Logoreciは映画評論家であると同時に、映画作家でもある。アメリカで撮影や編集など様々な経歴を経た後、妻であるIris Eleziとともにアルバニアで監督としてデビ…
さて、現在この鉄腸野郎では世界各国、特に東欧の映画評論家にインタビューし、日本ではあまり知られていないその国の映画史や映画批評について聞いてきた。今までにスロヴェニアの映画評論家4人に話を聞いた4本の記事を出した他、今後は北マケドニア、アル…
日本人は無宗教な人種だとよく言われる。しかしそれは少し間違っているのではないかと自分は思う。個人的には、日本人はそれ以前に宗教という概念をそもそも理解していないのが実際のところでは?と思っている。それは宗教的な事柄があまりにも世俗化されす…
私は東欧映画をかなり多く観ている方だと自負しているのだが、少し前の動向においてはいわゆる"EU加盟映画"(私命名)というジャンルが隆盛を迎えているように思われた。"EU映画"というのはEUに加盟する過程、もしくは加盟した以後の余波を描いた作品を総称し…
さて、アルバニアである。日本でも有名なアルバニア人といえばイスマイル・カダレを措いて他に居ないだろう。ノーベル文学賞に最も近い小説家の一人と言われ、日本でも「死者の軍隊の将軍」や「砕かれた四月」が有名だ(ちなみに翻訳家である井浦伊知郎氏のホ…