鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済藤鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

カナダ映画界、新たな息吹

Sofia Bohdanowicz&"Maison du bonheur"/老いることも、また1つの喜び

老いることは恐ろしいことなのだろうか?テレビCMや広告では若さこそが至上とするような内容が喧伝され、私たちに恐怖を撒き散らしていく。そして老いゆく人々、老いた人々には人生の終りがやってきたとばかり軽蔑の視線が向けられていく。だが果たして本当…

Chloé Robichaud&"Pays"/彼女たちの人生が交わるその時に

Chloé Robichaud &"Sarah préfère la course" /カナダ映画界を駆け抜けて Chloé Robichaud&"FÉMININ/FÉMININ"/愛について、言葉にしてみる Chloé Robichaud監督の略歴、および前作についてはこちら参照。さて、Chloé Robichaud監督である。彼女は私にとって…

Winston DeGiobbi&"Mass for Shut-Ins"/ノヴァスコシア、どこまでも広がる荒廃

さて、ノヴァスコシアである。カナダ東部の大西洋へ突き出た半島部に位置するこの州は幾度となく映画の舞台となっており、以前紹介したAshley Mackenzieの“Werewolf”も正にこの州にあるケープ・ブレトン島が舞台となっていた。 カナダにおいては田舎として扱…

Ashley McKenzie&"Werewolf"/あなたしかいないから、彷徨い続けて

このブログにおいておそらくカナダ映画は結構多く紹介してきた。おそらくアメリカ、ルーマニア、メキシコの次に多いのではないだろうか。そんな中で私が贔屓にしてブログでも多く話題にしている映画配信サイトMUBIで次世代のカナダ映画作家大特集が始まった…

Kevan Funk&"Hello Destroyer"/カナダ、スポーツという名の暴力

スポーツと暴力は切っても切れない関係にある、言い換えればスポーツとは暴力の一形態である。サッカーやボクシングなど直接的に身体同士を接触させあうスポーツは当然として、陸上やフィギュアスケートなど個人競技であったとしても身体の酷使はつまり自身…

Kazik Radwanski&"How Heavy This Hammer"/カナダ映画界の毛穴に迫れ!

さて、カナダ映画界である。取り敢えずテン年代において目覚ましい活躍をするカナダ人映画作家を挙げてみよう。真っ先に名前を挙げるべきなのは恐るべき才能グザヴィエ・ドランを措いて他には居ないだろう。その次には「メッセージ」がアカデミー賞候補に食…

フィリップ・ルザージュ&「僕のまわりにいる悪魔」/悪魔たち、密やかな蠢き

映画作家たちが子供たちの眼を通じて世界を見据える時、そこには言い知れぬ剥き出しの感情が立ち現れてくる。例えば「ブラッドハウス/恐怖がつきささる」という作品がある、父親を亡くし孤独の身になった主人公とその姉が引き取り先の祖父母の家で経験する恐…

Lina Rodríguez&"Mañana a esta hora"/明日の喜び、明日の悲しみ

皆さんはコロンビアと聞いて何を思い浮かべるだろうか? ラテンアメリカの一国、麻薬戦争、最近は「彷徨える河」や「土と影」などが評判となっている故に、人間と自然の関係性が密接な場所とそんなイメージを持っている方も多いかもしれない。だが今回紹介す…

ニコラス・ペレダ&"Minotauro"/さあ、みんなで一緒に微睡みの中へ

さて先日はメキシコ映画界の異端児ニコラス・ペレダの"Juntos"を紹介した。だが先述した通り、キャリアはまだ10年にも満たないながら、彼は精力的に作品を制作しまくっている。ということで今回は彼が2015年に製作した新作中編"Minotauro"を紹介していきたい…

ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて

米インディー映画界にはマンブルコアというジャンルがある、いやあったと言うべきだろうか。まあこのブログを読んでくれている方にはお馴染みだろうが(知らねーよって人は"マンブルコア"でググるかこちらの記事を読んでね)、まあアレだ、ゼロ年代、お金がな…

Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ハシディズムという息苦しさの中で

今、ケベック映画界が熱いというのは何度も何度もブログで書いてきたし、ドラン/ヴィルヌーヴ/ヴァレ以降の若手作家たちを実際何人も取り上げてきた。だがまだまだいる、全然紹介し足りない、まだまだ、本当まだまだいる。ということで私の好きな監督・俳優…

アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる

ハンナ・フィデル監督の「女教師」という作品を紹介した時、私はいわゆるエロ文芸映画にはお宝がたくさんあるが、その邦題と売り方のせいで全く顧みられていないと。例えば「昼下がりの背徳」これ邦題もパッケージもあれだが、実は監督が「モントリオールの…

Julianne Côté &"Tu Dors Nicole"/私の人生なんでこんなんなってんだろ……

以前このブログでWebシリーズ"FÉMININ/FÉMININ"を取り上げたことがあったが、その記事にこんなことを書いた。“田舎町に住むノエミは友人にカムアウトしてはいるが、別にキスなんかしたことはないしと確信はない。そんなある日モントリオールにいる叔母ステフ…

Chloé Robichaud&”FÉMININ/FÉMININ”/愛について、言葉にしてみる

以前このブログで、私の好きな監督・俳優特集の第1弾としてカナダの映画監督Chloe Robichaudを取り上げたのを覚えてらっしゃるだろうか(覚えてない、読んでないという方はこの記事をどうぞ)。今回取り上げる作品は、そんな彼女が2014年に監督したWebドラマシ…

ソスカ姉妹&「復讐」/女性監督とジャンル映画

何週間か前、とある低予算アクション映画がひっそりと配信スルーになった。邦題は「復讐」。これだけでは分からないだろうが、作品の原題は“Vendetta”という。ピンときた人がいたなら、その人はおそらく相当のホラーファンだろう。「復讐」の監督たちの名は…

Chloé Robichaud &"Sarah préfère la course" /カナダ映画界を駆け抜けて

カナダの映画監督と言えば誰を思い浮かべるだろう? デヴィッド・クローネンバーグやアトム・エゴヤン、ガイ・マディンにヴィンチェンゾ・ナタリなどの世界でも有数の変態集団を思い浮かべる人もいるだろうし「僕のアントワーヌ叔父さん」クロード・ジュトラ…