鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済藤鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

文芸エロ映画

スヴェン・タディッケン&「熟れた快楽」/神の消失に、性の荒野へと

さて、久しぶりの文芸エロ映画である。去年は序盤からセルビアの「インモラル・ガールズ〜秘密と嘘」やノルウェーの「妹の体温」チリの「ダニエラ 17歳の本能」など粒揃いだったが、今年の文芸エロ映画はかなり不作だ。1月の「モデル〜欲望のランウェイ」は1…

マリアリー・リバス&「ダニエラ 17歳の本能」/イエス様でもありあまる愛は奪えない

宗教と性愛の関係性は何というか極端だ。例えばキリスト教を見てみれば、神の名の元に性愛およびセックスは著しく制限され、それが回り回って「スポットライト」のような忌むべき性的虐待事件やケン・ラッセルの「肉体の悪魔」のような性欲大爆発な事件を巻…

ラドゥー・ムンテアン&「不倫期限」/クリスマスの後、繋がりの終り

ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち ラドゥー・ムンテアン&"Boogie"/大人になれない、子供でもいられない ラドゥー・ムンテアンの略歴および彼の長編第2作"Hîrtia va fi albastrã"と"Boogie"についてはこ…

アリス・ウィンクール&「博士と私の危険な関係」/ヒステリー、大いなる悪意の誕生

6月、トルコの新鋭作家デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンの長編デビュー作「裸足の季節」が公開される。2016年度セザール賞の編集・音楽・初監督作・脚本賞を獲得した。が、もちろんここではエルギュヴェン監督を紹介する訳ではない。実は脚本賞はエルギュヴェ…

アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して

さてノルウェーである。以前"The Sleepwalker"のMona Fastvoldを紹介した(この記事を読んでね!)のだが、彼女の活動拠点はアメリカなので、今回はノルウェー現地で活躍する新鋭を紹介していきたい訳だが、考えてみればデンマーク、スウェーデンといわゆるス…

パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 〜秘密と嘘〜」/SNSの時代に憑りつく幽霊について

人を愛するという行為には喜びや快感と共に、不安や独占欲がつきものであり、ある意味ではそちらの方が強烈な感情をであるかもしれない。これらは「スター・ウォーズ」のダークサイドさながら、歴史の中で様々に姿を変えて人々を恐慌に陥れてきた。今はどう…

ソフィー・ショウケンス&「Unbalance-アンバランス-」/ベルギー、心の奥に眠る父

さて、ベルギーである。私にとってベルギーはチョコと貧困とジャン=クロード・ヴァン・ダム、そしてシャンタル・アケルマンの国だ。映画史において最も偉大なる映画監督と作品「ジャンヌ・ディエルマン」を生み出した国ベルギー、以前このブログでもそんなベ…

マヤ・ミロス&「思春期」/Girl in The Hell

私はTwitterでもこのブログでも主張し続けているのだが、レンタルビデオ店の文芸エロ映画棚にはお宝が眠っている。いや、こう言い換えた方が良いかもしれない、エロ文芸映画界には劇場では伺い知れないもう1つの映画史が広がっているのだ。ということで私の…

アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる

ハンナ・フィデル監督の「女教師」という作品を紹介した時、私はいわゆるエロ文芸映画にはお宝がたくさんあるが、その邦題と売り方のせいで全く顧みられていないと。例えば「昼下がりの背徳」これ邦題もパッケージもあれだが、実は監督が「モントリオールの…

ハンナ・フィデル&「女教師」/愛が彼女を追い詰める

とうとう、とうとうこの監督を紹介する機会がやってきた。映画監督ハンナ・フィデル、私が米インディー映画界で最も注目している監督のことを。いつ紹介しようかいつ紹介しようか迷っていたのだが、8月18日に彼女の新作"8 Years"が配信されたのである。観て…

愛の迷宮「青の寝室」

「さすらいの女神たち」が日本でも公開されたことで、俳優マチュー・アマルリックが映画監督としても活躍しているのを知った方は多いだろう。しかし実はアマルリック、この時点で長編4作目とキャリアは長い(短編・TV映画を入れると本数は15本以上にものぼる)…