鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

シャイア、お前がへなちょこNo.1だ……「欲望のバージニア」


何か足りないな……と思ったら、ジェイソン・クラークが足りない

欲望のバージニア」観ました。「亡霊の檻」から遠くまで来たなぁ、って思いました。
トムハはンムゥ……言ってたりムキムキモキモキでお腹撫でたくなったり、チャッスンはおっぱいがぱいぱいぱぱいぱいぱぱいぱぱいだし、ジェイソン・クラークは野生に還ったショーン・ペンみたいだし、ワシ子は生え際が「地球に落ちてきた男」のデヴィッド・ボウイみたいだったし、ゲリマンはスーツがカッコいいし、ガイピは鼻の下が青くて真ん中分け。
でもね、何と言っても、主人公は彼なんですよ、三兄弟のヘッポコ三男ジャック役のシャイア・ラブーフなんですよ。「トランスフォーマー」三部作の主人公サムが幽明ですけど、その時も何だかウザかったですね。でも今回はそのブン殴りたくなるウザったらしさを最大限に純化させて、一芸にまで高めてきました。ウザさへのプロ意識がハンパありません。
そんな彼の評判を見ていると、“シャイアウザい”“シャイア憎い”“ガイピにボッコボコにされて、凄く気持ちが良かった”などなど、彼がいかに愛されているかが目に見えてハッキリ解りますね。
そんなへなちょこNo.1のシャイアだけを見て、「欲望のバージニア」の筋を追っていきましょう。


シャイア、基本ずっとこんな感じ。

もう冒頭からそのヘッポコさが猛威を振るいます。お兄ちゃんたちが密造酒を売る間、車で待っていたら、汚らしいおっさんに恐喝されて、へっぽこ大チャンス。眉毛を八の字に曲げて、必殺“ほっちゃらけフェイス”が炸裂。今にもシャイアの膀胱が大爆発しそうで、見てるこっちもハラハラ。
残念なことに、トムハお兄ちゃんがやってきて、おっさんの顔面を骨が粉砕して撃退、ほっちゃらけ野郎は難を逃れてしまいます。まあ冒頭から膀胱爆発してたら、話終わっちゃいますもんね。

こんな風に最初から全力で醜態を晒してくれるシャイアですが、それでも、いや、そういうへなちょこさがあるからこそ、上昇志向があって、友人のクリケットとつるんですごく頑張ります。


デハーン26、シャイア27。

クリケット役は今をときめくイケメン俳優デイン・デハーン。正に“ハゲていかねばイケメンである資格がない”を最も凄絶な形で体現する発展途上ハゲメンと言えますね。二人が並んで立つと、シャイアの“やってくれるかやってくれないかでいったら、やってくれそうにない”頼りなさが引き立ちます。二人とも一応同じ肉と血と骨から出来ているのに、神の采配はシャイアをあざらしみたいな顔にしてしまいました。取り敢えず眉毛整えた方が良いよ、シャイア。

そんなシャイアの思い人が、ミア・ワシコウスカ略してワシ子。『イノセント・ガーデン』に続いて、またもその白皙におおわれた足首を超クロースアップで撮られていました。ワシ子の足には、世界の足フェチを惑わす不思議な魅力があるのでしょう。(私はジュリアン・ムーアとか熟女の足の方が好きです)そのワシ子の足を洗った、いわばワシ子の足液で、シャイアは足を洗ってもらえる好機に恵まれます。しかしまさかの大脱走。靴まで置いてく大失態。ここでへなちょこナンバーワンの地位を盤石の物にしましたね。


ワシ子の足。

そしてガイピにボッコボコにされます。ありがとうジョン・ヒルコート、あなたの演出のおかげで、シャイアのほっちゃらけフェイスは血に塗れました。


ボコられた後、トムハママに叱られます

こうやって前半は、へちょへちょだけど野心はある間抜け野郎なままほっちゃらけフェイスで驀進していきますが、後半ある事件をきっかけにして、なまじ行動する間抜け野郎にジョブチェンジした後のシャイアは、絶妙に余計なことしかしない絶品さ。へちょさここに極まれり。


調子に乗ってるシャイア。このシーンのちょっと前、身の丈の合わなさを観たい方は、劇場で。

最初の行動がビギナーズラックで大成功、その勢いで金に物を言わせた格好してワシ子の元へ。その時の、服に着られ、帽子に被られ、車に乗られる身の丈の合わなさ。1920年代でも、シャイアは車で女の子を口説きます。「トランスフォーマー」シリーズじゃないんだから。この時のドヤ顔ったら憎たらしいことこの上ない。しかも首にはコートの値札が付きっぱなしで、それをワシ子に取ってもらう恥ずかしさ。正にへなちょこの面目躍如。もちろんその後は、ドヤ顔の代償が支払われるわけですが。


うわーマジやっちゃったわーというド凹みの図。髪を伸ばせばナルホドくんになれそう。

そしてラストでもシャイアは盛大にやらかしてくださりますのですが、さすがにそれはネタバレに過ぎるので割愛。でもやらかしてくれことは間違いないです。シャイアはやらかします。


このドヤ顔すごい

シャイア・ラブーフ、私は良い俳優だと思っているんですよ。だって万人にアレだけウザったいって思われる俳優はいないと思いませんか。そしてトリアーの「Nymphomaniac」に出演するため、わざわざハメ撮り動画を送って役ゲットですよ。此処までやる人いませんよ。
私、そんな彼が好き!「欲望のバージニア」の豪華キャスト陣の中で間違いなくシャイア、キミ!「Fury」も「Nymphomaniac」「The Necessary Death of Charlie Countryman」そして直近の「ランナウェイ 逃亡者」も期待!ずっとそのままのほっちゃらけでいて下さいね!


チャッ、チャッスンのパイパイや……パイパイやないか!!!