鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

最近気になっている映画その2

"Box"(これ以下、全作、題名から予告に飛べます)
日本でもデビュー作「俺の笛を聞け」が公開されたルーマニアニューウェーブの旗手フロリン・セルバン監督5年振りの新作がこれ。予告からは「俺の笛を聞け」に続いて青年とその母親の物語が描かれるとそんな印象だが、Varietyのレビューによると“階級闘争を描いた社会派リアリズム映画であり、骨太のボクシング映画であり、酷く乾いたロマンティック・コメディでもある”らしい、最後のロマンティック・コメディというのが気になる、というかあの二人、母と子の関係じゃないってことですか。で、先日開催されたカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭ではFIPRESCI Prizeを獲得したりと今作も高い評価を受けており、マンブルコアが日本に入ってくる今、ルーマニアニューウェーブも日本に来ないかなぁとか思ったり。


"Fort Tilden"
去年SXSW映画祭の劇映画部門の最高賞を獲得した時から気になっていた作品。ハーパー(Bridey Elliot)とアリー(Clare Mcnulty)は親友同士、あるクソ熱い夏の日、N.Y.の桃源郷とも言われるフォート・ティルデン海岸へと2人旅、しかし行く先々でトラブルに遭遇し、何だよ自分の人生ってなんなんだと振り返ることを余儀なくされる、というロードムービー。ちょっと前にも女子2人旅な映画では"Ass Backwards"なんかがあったが、今回は「ロミーとミッチェル」のロミーとミッチェルがソシオパスだったら……という"Ass Backwards"にも増してクズ女子2人旅映画になっているっぽい。ソシオパス・ロマンシス・ロード・コメディったら、観たいに決まってますわ。



これ良く見ると、肩に入ってるタトゥー“強”って。

"El Incendio"(スペイン語で"炎")
前回Benjamín Naishtat監督作"Historia del Miedo"を取り上げたが、その後ダミアン・シフロン監督の「人生スイッチ」を観て、アルゼンチン映画界って今かなり面白いことになっているのでは?と思った。ということで、アルゼンチンの俊英Juan Schnitmanの作品を紹介。30歳のルシアとマルセロ、念願のマイホームを購入できるはずだった2人がめぐる暴力と激動の1日を描き出すドラマ作品だそう。Schnitman監督は何本もの短編やオムニバス映画を経て、2015年この作品でとうとう単独長編監督デビュー、トランシルバニア国際映画祭でいきなりの最高賞を獲得するなど、一発ブレイクという訳である。


"Chatrak"
スリランカ映画と聞いて、映画の題名とか監督や俳優の名前をスラスラ言える人がいるだろうか(いや、いない)。ということでスラスラ言える人間になるため一歩踏み出そう。 Vimukthi Jayasundara、この前ロカルノ国際映画祭に最新作が出品というニュースがあったので見覚えがある人も多いかもしれないが、そんなJayasundara監督の3作目がこの"Chatrak"である。とか言っても、実は監督スリランカ人ではあるが、活躍の場はインドが中心でこの映画もベンガル映画である。ドバイからカルカッタへと帰ってきた建築家と彼の恋人、そして戦争によって狂ってしまった建築家の弟をめぐるドラマ映画だそう。トロントカンヌ国際映画祭で上映され話題を博しながら、本国インドでは劇中で描かれるクンニリングスが余りにも真に迫り過ぎてスキャンダルになってしまったそう。何だそれはって話だが、何か本当にそうらしい。



それではまたお会いしましょう。