鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

はてなダイアリーのサービスが終了ということで、はてなブログで鉄腸野郎Z-SQUAD!改め鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!へ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。

これもある意味才能なのか「ピエロがお前を嘲笑う」

“全てを覆すラスト10分!”“誰も予想しえない衝撃の結末!”“このどんでん返し”……こういう宣伝を見るたび、自分がどうしようもないド腐れ脳味噌扱いされているような気分になる。この映画にはどんでん返しがありますよ!と忠告されて自分はどうすればいい、ああ確かにどんでん返しありましたねと劇場で確認作業をすればいいのか?最初からどんでん返し映画だと解った上で観るなんてことどれだけ不毛なんだ?――分かってる、分かってるからそうじゃないと売れないだとかいうのは止めてくれ……

さて、バラン・ボー・オダー監督が手掛けるドイツ映画「ピエロがお前を嘲笑う」の宣伝文句はこれだ“この映画に仕掛けられたトリックは100%見破れない”……だが皆さん安心してほしい、トリックを見破れるだとか見破れない以前に、この映画には真相に行き着くまで観客の興味を引き続ける魅力すらないからだ。

世界を騒がせたハッカー集団CLAYの一員である青年ベンヤミン(「エリート養成機関 ナポラ」トム・シリング)、彼はサイバー犯罪の専門捜査官ハンネ(「愛さえあれば」トリーネ“ああ、何でこんな映画に!”ディアホルム) にCLAYが起こした事件とその顛末について語り始める。父は失踪、母は自殺、ベンヤミン自身は誰にも顧みられることのない“透明人間”として惨めな人生を送っていた。しかし彼にも秘密の特技があった、それがハッキングだ。ある日ベンヤミンはマックス(ゲーテなんてクソくらえ」エリアス・ムバレク)という男と出会い、彼にハッキングの技術を見初められ仲間に引き入れられることとなる。自身の特技で世間に波紋を広げられることを知ったベンヤミンはマックスと共にハッカー集団CLAYを結成、自分たちは世界を変えるんだ!とでも言うように次々とハッキングを繰り返す。

冒頭から繰り返されるテクノ・ミュージックの数々に鼓膜を執拗に引っ掻き回され、目の前に現れるのはあの陳腐な緑の文字列、ハッキング、はいはいハッキングハッキング、時間軸のシャッフルにも目新しい所は何もない。薄っぺらいキャラクターが織り成す薄っぺらい展開、ああそうか、ヒロインはまたそういう扱いか、ホモソーシャルの愛憎劇のダシに使われて、ひ弱な主人公が怒るきっかけ、物語を進ませるためのコマ、マッドマックス 怒りのデス・ロード以降でまだこれか、それなら男だけ出してホモソーシャル内でチンコのデカさ競いあってろ。

さっきは興味が続かないと書いたが、余りにつまらなさすぎると翻って、この映画を観る唯一のモチベーションはどんでん返しとなってしまう絶望感、これを計算してあのコピーを書いたのならば天才かもしれない。だがどんでん返しに至るまでに浴び続けなければいけないダサさ、不純物の一切存在しない雑じり気なしのダサさ1000%、これを乗り越えてまで味わうべきどんでん返しなどでは全くない。いや、本当に、公開されたら早く観て欲しいのだ、ちょっと個人的に怒りを覚えるほどの物だった、これをどんでん返しと呼んでいいのなら●●●●●●●●●●●も●●●●●●も全部どんでん返しだ。マインド・ファック映画? 消え失せろ、FUCK OFF!

映画監督の仕事は脚本家、撮影監督、作曲家、編集技師、キャスティング・ディレクター、プロダクション・デザイナー……といい加減羅列は止めにするが、映画に携わる数多くのスタッフたちを同じ方向に向かせ、少しでも良い映画が出来るようにと彼らの先頭に立って歩んでいくことだ。その意味ではバラン・ボー・オダー監督の才能は抜きん出ている。この「ピエロがお前を嘲笑う」を構成する要素の全ては同じ方向を目指しているのだから、考えうる限り最悪の方向に、だが[F]