鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

最近気になっている映画その4

"Chevalier"(以下、全て題名から予告に飛べます)
グリーク・ウィアード・ウェーブの創始者でもあるAttina Rachel Tsangari監督、記念碑的作品"Attenberg"から5年、短編"The Capsule"や「ボルジア 欲望の系譜」を経てとうとうの長編新作である。正直予告を観ても内容が何なのか杳として見えてこないのだが、ロカルノ映画祭でのレビューを読んでみると、あの点数、男らしさプラス3点、男らしさマイナス20点とかそういうのを示しているらしい。ということでおそらく船員たちが男らしさを追求していく様をゲームのように滑稽に描き出すことで、ギリシャの家父長制の崩壊を象徴的に描く内容なのかなと。「籠の中の乙女」や"Miss Violence""Standing Aside, Watching"などグリーク・ウィアード・ウェーブとしてはお馴染みなテーマだが、はてさて。

"Las insoladas"(スペイン語で"熱射病"の意味)
日本でも「ブエノスアイレス恋愛事情」が公開されたグスターボ・タレット監督の第2長編。これもアルゼンチン映画、この最近気になるシリーズでは毎回取り上げている気がする。何と言っても注目してしまうのはその鮮やかな色彩感覚である。ビルのテラスで日焼けに勤しむ女性たち、完璧な日焼けこそが全てという彼女たちの日々を描いた群像劇らしい。でもタイトルに熱射病とか付いてるのだから、事態は少々困ったことに……とかそういう展開になったりもあるかもしれない。

"White Shadow"
あなたはタンザニアという国についてどのくらい知っているだろうか……ってこういう始まりを何度も書いている気がするが、私はアフリカにあるということしか知らない。そんなタンザニアからやってきた映画がこの"White Shadow"だ。主人公はAlias、アルビノの少年だ。ある日彼は父が無惨に殺される姿を目撃してしまう、殺人者たちの目的は万病を治す薬になると伝えられているアルビノの体、つまり自分だと知ったAliasは必死の逃亡を図るのだったが……というサスペンス作品。監督のNoaz Desheはタンザニアの都市ダルエスサラームで教師をしており、その時にアルビノの人々が置かれている状況を知り、映画としてこの現実を伝えなくてはならないとこの作品を手掛けたのだという。そして製作には何とライアン・ゴズリングも関わっていて、2013年の作品なので時期的に、自身の監督デビュー作「ロスト・リバー」を手掛ける傍らタンザニアでプロデューサーもやっていたらしい。北米版iTunesでは9月の下旬に配信、観たらこのブログでも取り上げるのでお楽しみに。

"The Hateful Eight"
とにもかくにもジェニファー・ジェイソン・リーである、とにもかくにもジェニファー・ジェイソン・リー。青タンを目につけたファーストスチールからこれ来たなと思っていたが、一昨日出た予告編、メタクソCooooooooolの一言。思えばジェイソン・リーゼロ年代に入ってからキャリアが全くパッとしなかった上、テン年代に入った途端、夫ノア・ボーンバックが「グリーンバーグ」を期にマンブルコア界の若き才能グレタ・ガーウィグに走り(「グリーンバーグ」にはジェイソン・リーも出演していたのに、である)、3年後に離婚。元夫はガーウィグを主役に据え「フランシス・ハ」や"Mistress America"を監督、更にいやーやっぱ若い才能には元気もらえちゃうねえ!とばかりに"While We Were Young"とかいうクソ舐めた映画を作る一方、ジェイソン・リー"The Spectacular Now"は最後の方で良いこと言う主人公の母、"Welcome to Me"ではクリステン・ウィグの暴走にブチ切れていつの間にフェードアウトする番組スタッフ、"Alex of Venice"では何かカメオレベルの出演と歳を取った女優たちがそうであるように低迷も低迷、そこに"The Hateful Eight"!!!!という訳である、これで興奮しない訳がない。タランティーノとボーンバックの人間性の格の違いがこれだけで分かるというものだ、あーーージェイソン・リー、ガーウィグに走ったボーンバックの頬骨ブチ砕いてくれないかなぁ……


ということで、またお会いしましょう。