鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

ジョシュ・モンド&"James White"/母さん、俺を産んでくれてありがとう

クズを描いた映画は枚挙に暇がない、その一方で最後までクズがクズのままでいる映画というのは意外と少ない。そんな中で印象に残っている映画がレスリー・ヘッドランド「バチェロレッテ〜あの娘が結婚するなんて!」だ。今まで見下していたデブの友人が自分たちよりも先に結婚するのを知って焦りまくる3人のクズを描いた作品だが、多くの映画がクズでも成長できるよ、クズもいつかは大人にならなくちゃ駄目だよという綺麗事を並べる中でこの作品はクズはクズのままでいい(ドン!!!!!!)と結論を提示してみせた気骨ある映画だった(が、そんなヘッドランド監督も大人になってしまったのは別のお話し)

さてさて、今回はそんな「バチェロレッテ」と2本立てで観たいクズ映画のモダン・クラシックとも言うべき作品であるクリストファー・アボット主演作"James White"とその監督で今注目の制作会社Borderline Filmsの立役者でもあるジョシュ・モンドについて紹介していこう。

ジョシュ・モンド Josh Mondは1983年ニューヨークに生まれる。彼の母は2011年にガンでこの世を去ったが、その経験が後に"James White"へと結実することとなる。両親は芸術に造詣が深く、映画に親しみ始めたのも母が観ていた黒澤明「乱」に魅了されたからだそうだ。中高生の頃は友人と共にスティーブン・セガールジャン=クロード・ヴァン・ダムのアクション映画に熱狂し、NYUティッシュ・スクール・オブ・アートに入学後はブリュノ・デュモンミヒャエル・ハネケと出会うが、彼にとってのヒーローは"New Directors/New Films"で衝撃を受けた「リプライズ」ヨアキム・トリアーらしい。

2003年に同窓生のアントニオ・カンポスショーン・ダーキンと共に製作会社Borderline Filmsを設立、。自分たちと同世代の若い映像作家たちと共にCMやMVを手掛けることとなる。2006年にはプロデューサーとしてダーキンのデビュー短編"Doris"カンポスの短編"The Last 15"を製作、そして2008年には満を持してBorderline Filmsとして初めての長編映画"Afterschool"を製作、エズラ・ミラーのデビュー映画でありカンヌ国際映画祭でも上映された本作はBorderline Filmsのミニマルで不穏な路線を決定づけることとなった。

もう少しモンドのプロデューサーとしての、というかBorderline Filmsの道のりを見ていこう。2010年にはアリステア・バンクス・グリフィン監督によるBorderline Filmsの第2回作品「闇と光の門」を製作、再びカンヌ国際映画祭に出品され話題となるが、本当の意味で彼と会社の名を世界に広めたのは2011年の第3回作品であるショーン・ダーキン驚異の長編デビュー作「マーサ、あるいはマーシー・メイ」だろう。このカルト教団による洗脳とその余波を描き出した作品はサンダンス映画祭で監督賞、シカゴ映画批評家組合賞で新人女優・新人監督賞など多数の受賞・ノミネートを掻っ攫う。2012年には日本では未公開ながら重要なアントニオ・カンポスの第2長編"Simon Killer"を製作、今作はブラディ・コーベットが俳優・監督として欧州で活躍する足がかり的作品ともなった。新人監督発掘にも繰り出し、2013年にはアッシュランド・インディペンデント映画祭で特別賞を獲得したAndrew Renzi"Karaoke!"や、2014年にはユダヤ教正統派の女性が自分の罹った性病についての謎を探るDavid Formentin監督作"Tzniut"を製作した。

ということで長くなったがここからはモンドの監督としての経歴を見ていこう……とは言いながら情報が少ない。2010年には初の短編映画"Kids in Love"を手掛け、2013年にはクリストファー・アボットを主演に据えた2作の短編"1009"と題名不明の作品を監督し、後者はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でも上映されたそうだ。そして2015年にはアボットと再びタッグを組んだ長編デビュー作"James White"を監督する。

汗にまみれた男の顔面、スクリーンに大写しになったそれに私たちは気圧される、彼は濁った瞳で赤色のネオンが暴れまわるクラブを彷徨うのだが、カメラはその苦渋に満ちた顔を執拗に追う、耳に聞こえるのはビートの激しいエレクトロニカ、しかしそこに割り込むように響くのはレイ・チャールズの歌声と緩やかな旋律、彼とエレクトロニカが奇妙に波打つ中でその男ーージェームズ・ホワイト("Girls"クリストファー・アボット)はあてどなく彷徨い続ける。

その果てに彼が辿り着くのは母であるゲイル(セックス・アンド・ザ・シティシンシア・ニクソン)の住む部屋だ。いつもとは様子の異なる室内、多くの人々が押し掛け啜り泣く声が微かに聞こえる。しめやかに執り行われているのは彼の父の葬式、だがずっと前に自分を見捨てた男のことなど彼にはどうでもいい、父が家族を捨てた後にアジア人の女性と結婚していたのもどうでもいい、哀しみに暮れる母はジェームズを引き留めるが全てどうでもいい、彼は親友のニック(ニード・フォー・スピード」スコット・メスカディ)と共に再びクラブへと繰り出し享楽を貪る。

"James White"はそんなクソったれとしか形容出来ない青年の姿を冷やかな視線で以て見据える作品だ。まず特徴的なのは負の感情が滲み渡るジェームズの顔面に異様なほどクロースアップし続けるカメラワークだろう。中心に据えられたジェームズの顔、その横の空白に写り混む人々や物は全てが背景と化す。この閉所恐怖症的な撮影に息苦しいまでの閉塞感を私たちは抱くことになるが、今作の撮影を担当するのはエルデーイ・マーチャース、あのサウルの息子を手掛けた人物であり、世界を極限にまで狭めることによってホロコーストの地獄を雄弁に語ってみせた彼は此処でジェームズの精神に広がる荒野のいかに果てしないかをまた語ってみせる。

そしてジェームズは父の死と共にもう1つの問題をも抱えている。母ゲイルはガンを患っており、しばらくは寛解状態を保っていながらも、夫の死をきっかけに治療を再開しなければならない状態に陥る。彼はニックや恋人のジェイン(モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」マッケンジー・リー)と彼女を世話するのだが、荒みきった生活を変えることは出来ないでいる。表面上は母を労るような素振りを見せながら、その裏では彼女を煩わしく思っている。つまりは彼女を愛しながら日々歯向かい、裏切り続けながらも彼女に依存しながら生きている。それは親友や恋人に対しても同じであり、ジェームズは救いようのない屑野郎として描かれる。

ジョシュ・モンドは今回が初の長編監督作だが、その眼差しは底冷えするほどに明晰なものだ。カメラはジェームズに肉薄しながらも、精神的な隔たりはむしろ遥かだ。屑野郎が繰り広げる行動の1つ1つを彼は冷徹に観察し、観客とジェームズの心が重なりあう瞬間を1秒でも少なくするといった風にこちらとあちらの異化を徹底する。その寒々しさは彼が製作として関わってきた先述のマーサ、あるいはマーシー・メイ"Simon Killer"と正に共鳴すると言えるだろう。そしてその寒々しさの中で時は無情なまでに早く過ぎる。事も無げに"11月" "12月" "1月"とのテロップが現れ、ジェームズが労りを見せるにしろ裏切りを重ねるにしろ時は過ぎ去り、ゲイルは見る間に憔悴していく。

そんなゲイルを演じるシンシア・ニクソンの鬼気迫る演技は凄まじいものだ。Sex and the Cityによって名声を獲得した彼女は、今作と同年のサンダンス映画祭で公開されたシアーシャ・ローナン主演"Stockholm, Pennsylvania"やイギリスの名匠テレンス・デイヴィスの最新作"A Quiet Passion"エミリー・ディキンソン役を演じていることが記憶に新しいが、この彼女にとって第2の黄金期が振り返られる時にあたって真っ先に挙げられる代表作はこの"James White"になると断言できる。ガンに蝕まれ骨と皮になるまでに追い詰められた姿、薬によって記憶や精神の平衡さえ失う極限の状態、死と隣り合わせにある人間が味わう痛みと苦しみを彼女は苛烈な形で体現している。

だがニクソンの演技をも上回るほどの強度をクリストファー・アボットは私たちに見せつける。以前このブログにレビューを書いた"The Sleepwalker"においても彼の才覚は顕著だったが、今作でそれは更に鋭さを増している。アボットの瞳は驚くほどの純粋さを湛えている、それ故に普段の彼は実年齢よりも幼く見えるのだが、こういった映画に出演する際彼の瞳は不穏な濁りをも浮かび上がらせることとなる。怒り、焦燥、憎しみが混ざりあうその瞳にはいつであっても暴力の予感が漂い、今作においても彼の暴力は突発的に露となる。

そんな両者の剥き出しの心がぶつかり合うシーンは静かでありながら余りにも激烈だ。憔悴しきったゲイルを世話しながら、いつか彼女を投げ捨ててしまうのではとすら思わされる緊張感が漂う中で、糞尿をブチ撒けたゲイルとジェームズは洗面所で強く抱き合う。彼は有り得たかもしれない未来を、2人が家族として安らかに過ごす未来を語り、そして言うのだ、母さん、俺を生んでくれてありがとうと。だがそんな綺麗事だけで終わることなど出来はしないのだと、ジェームズもモンド監督も嫌というほど知っている。"James White"は母と息子の関係性を激烈なまでに痛々しく描きながら、その死の先にある現実をまた見据えている。

2016年には既に3本の作品を手掛けており1本目は新人監督Nicolas Pesceの初長編であるホラー"The Eyes of My Mother"、今作はとある牧場に棲む若い女性がめぐる悍ましき運命と恐怖を描き出した作品で、サンダンス映画祭史上最も気味が悪くエゲツない映画と評されている(Indiewireの映画批評家Erick Kohnによると"アダムス・ファミリー的なやり方で「イレイサーヘッド」「反撥」を組み合わた作品でありながら、それ以上に予測不可能な物語である"らしい)そして2本目は同じくサンダンス映画祭に出品されたアントニオ・カンポスの第3長編"Christine"だ。今作は70年代テレビの生放送中に自殺したとされるアナウンサーのクリスティーン・チュバックの最後の日々を描き出した作品で、彼女を演じたレベッカ・ホールがオスカーも有り得るのでは?と賛辞が集まる作品だ。余談だがクリスティーン・チュバック Christine Chubbuckの最期は本当に不気味なもので、不用意にググると夜眠れなくなるので要注意だ。3本目は新鋭Wayne Robertsの初監督作"Katie Says Goodbye"だ。主演は「シグナル」のオリヴィア・クックで"James White"にも出演しているクリストファー・アボット「イット・フォローズ」の片思い少年キア・グライストも共演、17歳の少女が自分の夢を叶えるために娼婦になるという結構ありきたりなストーリーながらBorderline Filmsのことだ、胃に来る痛烈な映画を作ってくれることだろう。

参考文献
http://www.blfilm.com/(Borderline Filmsサイト)

ポスト・マンブルコア世代の作家たちシリーズ
その1 Benjamin Dickinson &"Super Sleuths"/ヒップ!ヒップ!ヒップスター!
その2 Scott Cohen& "Red Knot"/ 彼の眼が写/映す愛の風景
その3 デジリー・アッカヴァン&「ハンパな私じゃダメかしら?」/失恋の傷はどう癒える?
その4 Riley Stearns &"Faults"/ Let's 脱洗脳!
その5 Gillian Robespierre &"Obvious Child"/中絶について肩の力を抜いて考えてみる
その6 ジェームズ・ポンソルト&「スマッシュド〜ケイトのアルコールライフ〜」/酒が飲みたい酒が飲みたい酒が飲みたい酒が飲みたい…
その7 ジェームズ・ポンソルト&"The Spectacular Now"/酒さえ飲めばなんとかなる!……のか?
その8 Nikki Braendlin &"As high as the sky"/完璧な人間なんていないのだから
その9 ハンナ・フィデル&「女教師」/愛が彼女を追い詰める
その10 ハンナ・フィデル&"6 Years"/この6年間いったい何だったの?
その11 サラ=ヴァイオレット・ブリス&"Fort Tilden"/ぶらりクズ女子2人旅、思えば遠くへ来たもので
その12 ジョン・ワッツ&"Cop Car"/なに、次のスパイダーマンの監督これ誰、どんな映画つくってんの?
その13 アナ・ローズ・ホルマー&"The Fits"/世界に、私に、何かが起こり始めている
その14 ジェイク・マハフィー&"Free in Deed"/信仰こそが彼を殺すとするならば
その15 Rick Alverson &"The Comedy"/ヒップスターは精神の荒野を行く
その16 Leah Meyerhoff &"I Believe in Unicorns"/ここではないどこかへ、ハリウッドではないどこかで
その17 Mona Fastvold &"The Sleepwalker"/耳に届くのは過去が燃え盛る響き
その18 ネイサン・シルヴァー&"Uncertain Terms"/アメリカに広がる"水面下の不穏"
その19 Anja Marquardt& "She's Lost Control"/セックス、悪意、相互不理解
その20 Rick Alverson&"Entertainment"/アメリカ、その深淵への遥かな旅路
その21 Whitney Horn&"L for Leisure"/あの圧倒的にノーテンキだった時代
その22 Meera Menon &"Farah Goes Bang"/オクテな私とブッシュをブッ飛ばしに
その23 Marya Cohn & "The Girl in The Book"/奪われた過去、綴られる未来
その24 John Magary & "The Mend"/遅れてきたジョシュ・ルーカスの復活宣言
その25 レスリー・ヘッドランド&"Sleeping with Other People"/ヤリたくて!ヤリたくて!ヤリたくて!
その26 S. クレイグ・ザラー&"Bone Tomahawk"/アメリカ西部、食人族の住む処
その27 Zia Anger&"I Remember Nothing"/私のことを思い出せないでいる私
その28 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その29 Perry Blackshear&"They Look Like People"/お前のことだけは、信じていたいんだ
その30 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来

私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
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その83 アイダ・ベジッチ&"Djeca"/内戦の深き傷、イスラムの静かな誇り
その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
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その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
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