鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済藤鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

ケイト・リン・シャイル&"Empire Builder"/米インディー界、後ろ向きの女王

あなたがもし俳優として活躍し、様々な映画に出演を果たした末にその中でも自分が主演した渾身の一作、それを観た人物にこんな質問をされたならどう答えるだろう――あなたは"プロ"の俳優なんですか? ある意味で最大級の侮辱にも取れる質問だが、ある女優はこう答えた、私は演技を学ぶために学校にも通っていましたと。何だか煮え切らない返答だと思う人も多くいるだろう。後ろ向きで、自分の仕事に自信をもっていないようなそんな態度。だがそんな彼女こそ、テン年代の米インディー映画界を振り返るにおいて真先に顧みられるべき俳優の1人だと私は断言したい。ということで今回はマンブルコアの潮流から現れた才能ケイト・リン・シャイルの、未だ短くも濃密なキャリアを追って行こう。

ケイト・リン・シャイル Kate Lyn Sheil ニュージャージー州ジャージーシティに生まれた。両親は共に公立学校の教師。4年生の頃初めて舞台に上がり、それから演技に憑りつかれてまったそう(演目はテセウスミノタウロスで役柄はメディア)高校生の頃は学校やコミュニティ・シアターでミュージカルなど様々な演目をこなしていた。ニューヨーク大学ティッシュアートスクールやリー・ストラスバーグ劇場研究所で演技について学んでいたが、ここで出逢ったのが後にテン年代の米インディー映画界を代表する映画作家となるアレックス・ロス・ペリーだった。同じビデオレンタル店Kim's Video & Musicで働いていたこともあって2人は意気投合、今後彼の作品全てに出演することとなる。大学卒業後はしばらく服飾デザイナーの元で働きながら、俳優としての仕事を探していた。

俳優としてのデビューは2007年のかつての恋人たちの再会を描くロマンス短編"Aliens"、そして2009年にはホラー短編"Knife Point"を経て盟友ロス・ペリーの初長編"Impolex"に出演する。第二次世界大戦末期、ドイツの森深くで不発弾を回収する作業についた兵士たちの姿を追うオフビートな戦争コメディで、シャイルは彼らの前に現れる謎めいたヒロイン役を演じていた。トマス・ピンチョン重力の虹をモチーフとした本作はメルボルンアンダーグラウンド映画祭で外国映画部門の作品賞を獲得する。2010年にはLawrence Michael Levine"Gabi on the Roof in July"に出演するのだが今作でソフィア・タカール(Levine監督の恋人で現妻)やエイミー・サイメッツと共演、後に彼女らの監督作に主演を果たすこととなる。

そして2011年にはロス・ペリーの作品を手掛ける撮影監督ショーン・プライス・ウィリアムスを通じ出会ったジョー・スワンバーの監督作"Silver Bullets"に主演(紹介記事書いてます)、ホラー映画の舞台裏で人間関係のゴタゴタに巻き込まれる若手俳優を熱演、話題となる。先に書いた記事でこの年のスワンバーグは異常な映画製作欲を見せていたと書いたが、彼の熱気にあてられたのか何なのか、シャイルはスワンバーグの"Autoerotic""The Zone"で3度のコラボを果たすと共にマンブルコア組にIN、スワンバーグが出演もしているアダム・ウィンガード「サプライズ」で冒頭でブチ殺される女性役を演じ、ロス・ペリーの第2長編"The Color Wheel"に出演、更にアベルフェラーラが製作総指揮のコメディ"Happy Life"には俳優としてのロス・ペリーと共演、そしてソフィア・タカールの初長編"Green"、タカールが俳優として参加している並行世界をテーマとしたSF作品"Cat Scratch Fever"、短編"Catching Up at Rock Bottom"も合わせ9本もの作品に出演、インディー映画界に突然現れた知る人ぞ知る才能としての地位を確立する。

この仕事中毒ぶりについて彼女はこんなことを語っている。"私はもう完全に狂ってますよ、だって休日だとか大嫌いなのに、自分休んでばかりだなと思ってしまうんですから(笑)。でも何もしない時間というのが本当に苦手で、その時は本物の怪物になってしまう、自分に対して何をしでかしてしまうか分からないんです"

旺盛な演技欲は留まるところを知らず、前年を越える11本の作品に出演を果たす。"V/H/S"ではタイ・ウェストが手掛けたセグメント"Second Honeymoon"、"Silver Bullets"組が再度集まったスワンバーグの短編"Stray Bullets"ニック・オファーマンジェス・ウェイクスラーが出演しているコメディ"Somebody Up There Likes Me"、少女の兄に対する異常な愛情を描き出した"The Unspeakable Act"、以前ブログでも紹介したBenjamin Dickinson(紹介記事読んでね!)の初監督作"First Winter"、逆に今後ブログで取り上げたいと思っているケンタッカー・オードリーの監督作"Open Five 2"、TVドキュメンタリー"American Experience"などに出演するのだが、彼女を"知る人ぞ知る"から"米インディー界の若き女王"へと押し上げたのは次の3つだろう。まず1本目がRick Alversonの恐るべき1作"The Comedy"、詳しくはこの紹介記事を読んで欲しいのだが、シャイルは主人公の働くレストランの従業員として登場、脇役ではあるのだが1度見たら忘れられない超強烈な演技を見せてくれる。そして2本目がエイミー・サイメッツのデビュー長編"Sun Don't Shine"、フロリダを旅するカップルの姿を描き出した不穏なロードムービーで先述のケンタッカー・オードリーと共演を果たしている。そして3本目がスワンバーグの妻であるクリス・スワンバーの監督作"Empire Builder"だ、ということで後で紹介します。

もう作品を全部羅列するのも疲れたので重要な作品を掻い摘んで紹介すると、2014年には盟友ウェストのサクラメントとロス・ペリーの"Listen Up, Philip"、そしてロス・ペリーと同時期にNYUで出会ったZachary Wigon"The Heart Machine"にも出演、遠距離恋愛をする主人公が留学中の恋人に対して猜疑心を抱き始める姿を綴るスリラー映画で、シャイルは疑惑の渦中にある恋人役を演じている。そして最も重要なのはNetflixのドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」に出演し、とうとうのメジャー進出を果たしたことだろう。シャイルはこのことについて"全てを変えてしまう経験"とインタビューで答えながら、同時にこんな言葉を残している。

"「ハウス・オブ・カード」でメジャー作品に出るにあたって、今まで自分自身のためにやってきたことを裏切ったとは思っていません。どう語られるに関わらず、私は物語が好きなんです。私の心は映画にこそありますし、いつだってそうですが、「ハウス・オブ・カード」で私が演じることになる役は素晴らしいんです。とても楽しくて心躍る時間を過ごせました。でも(インディーとメジャー作品は)異なるものですから(中略)この役を得られて驚きましたけれど、こうは思ってません――ああ信じられない! これが私が進んでいく道なのか!とは"

ということで彼女はインディーとメジャーを行き交いながらキャリアを展開していくこととなる。2015年にはロス・ペリーの"Queen of Earth"ドレイク・ドレマス"Equals"、更に元恋人である映画監督Eugene Kotlyarenkoとの"A Wonderful Cloud"では製作を兼任、そして市民戦争を舞台としたマンブルコアmeets戦争映画と言われるZachary Treitzの監督作"Men Go to Battle"では出演、製作、そして脚本も手掛けるなど更なる新境地も見せている。

2016年にも既に何本もの作品が既にお披露目され、待機作品も多々ある。まず盟友エイミー・サイメッツがクリエイターを手掛けるソダーバの同名作品を元にしたドラマシリーズ"The Girlfriend Experience"では主人公を高級エスコート嬢への道へと誘う友人役を演じている。更に米ドキュメンタリー映画界の鬼才ロバート・グリーンによる"Kate Plays Christine"に出演、今作は生放送中に自殺を遂げたアナウンサーのクリスティーン・チャバックをシャイルが演じる姿をその舞台裏まで追いかけるドキュメンタリー作品だ。そして待機作には個人的に2015年最も過小評価されているホラーだと思っている"The Midnight Swim"(これも紹介記事書いてるよ!)の監督サラ・アディナ・スミスによる最新作"Buster's mal Heart"、「アメリカン・スナイパー」の脚本家ジェイソン・ホールの初監督作でノンフィクション「帰還兵はなぜ自殺するのか」の映画化"Thank You for Your Service"などに出演が決定している。あー、あー長かった……ということでまあ取り敢えずここまでにして"Empire Builder"のレビューに入っていくことにしよう。

ジェニー(シャイル)は夫(ジョー・スワンバー、監督の実の夫)や生まれたばかりの息子ジュード(ジュード・スワンバー、監督の実子)と暮らしているが、その生活は幸せなものとは言えない。息子を育てるためには大学を辞めざるを得ず、家に閉じこもる生活を送り続け、散歩のためにやってきた公園で旧友と会いながらも昼食にすら一緒に行けない日々が続いている。夫もほとんど子育てを手伝ってもくれない。窓の外に広がる光景を見つめるジェニーの横顔は深い憔悴に色づいている。

ある時、家族みなで昼食を共にするシークエンスが存在する。夫はジュードにはこのサイズは大きすぎるとジェニーに文句を言いながら食べ物を千切り、息子に与えていく。ジェニーはウンザリしたような表情で2人を眺める。デヴィッド・ロウリー(あの「セインツ」の監督である、彼の名は今後殊ある毎に出すので覚えていて欲しい)カメラは不動を保ちながら家族の姿を見据えるのだが、前半はこういった長回し&固定というシャンタル・アケルマンによる「ジャンヌ・ディエルマン」然としたショットで構成されている。ジェニーが料理を作る、ジェニーがジュードと遊ぶ、ジェニーと夫がベッドで眠りにつく、この全てが閉所恐怖症的なショットで捉えられていくのだ。家庭という牢獄に押し込められ倦怠感の中で日に日に心の均衡を失っていくジェニー、正に「ジャンヌ・ディエルマン」の描いたテーマに共鳴する姿だが、そこにジュードという予測不可能な存在が入り込むことで更なる不快感が此処には宿る。彼が突発的に放つあの泣き声はジェニーと私たちの鼓膜を等しく引き裂いていく。

そんなある日憔悴するジェニーに対して別荘での休養を提案する、ジュードも一緒にだが。ストレスの根源が何か理解できていない夫に対して、それでも何か変わるかもしれないとジェニーはYESと答える。仕事の都合で後から来るという夫に見送られ2人は列車に乗り込む。微かな希望とは裏腹に、電車が吐き出す轟音は彼女の心を踏みにじり、いつしか幾つもの轟音が重なりあうことで映画は黙示録の響きすら帯び始める。

美しい自然の中にポツリと佇む小さな別荘、ジェニーにとってそこでの生活もやはり鬱屈に満ちている。ジュードにご飯を作る、ジュードに本を読み聞かせる、ジュードと、ジュードと、ジュードと……そして彼女がやっと独りでベッドに横たわるその時、ジェニーの顔に浮かぶのはもう限界だという声なき叫びだ。この"Empire Builder"において、スワンバーグ監督は撮影時期と子育ての期間は正に重なりあい、キャストも実の夫と実の息子を起用している。故に自身その真っ只中にある子育てという行為が本質的に宿す苦しみや絶望感を映画という形に昇華し、第3者の視点から分析していくという意図が観られる。塚本晋也監督によるKOTOKOなどのように観客を巻き込むような激情を以て子育てを描く訳ではなく、あくまで観察的な手法が徹底しているのだ。

それでいて"Empire Builder"の全編に満ちる不穏なテンションは濃密で且つ異様だ。撮影はもとい、Orange Mighty Trioによる音楽もヴァイオリンの歪んだ旋律を主とする響きは頗る不愉快だが、音響の凄まじい不快さこそが今作の要だ。電車の轟音、工具がもたらす騒音、何より偏執的に繰り返されるジュードの泣き声には鼓膜を引き裂かれ、焼き切られ、ジェニーの中に膨らみつつある狂気を否が応なにも肌に感じさせられる。しかしある時から物語は少しずつ姿を変えていく。

別荘に現れるのはカイル(Orange Mighty Trio)という男、彼は別荘の修繕を行う大工だった。最初は彼の存在や工事で生じる騒音を疎ましく思うジェニーだったが、汗にまみれ肉体労働に精を出す彼の姿を窓越しに見つめてしまう自分にも気付いている。そして彼女はカイルを食事に招待し、ぎこちなくも互いのことを話す中で2人は少しずつ惹かれあっていく。その中で不動を保っていたカメラは段々と揺れ動きはじめ、カイルを追うジェニーの背中を撮すトラッキングショットが高台から見える美しい自然の風景に繋がるシークエンスには解放感に満ち溢れている。

日々の抑圧や倦怠感に堪えかねた女性が自分を理解しない夫とは別の誰かとの愛に救いを見出だす、だがその先に本当に救いがあるとは限らないと、サラ・ポーリーの傑作ロマンステイク・ディス・ワルツは静かに諭してみせたが"Empire Builder"もまた同じ領域に分け入っていく。この人生への深い悲観主義に裏付けられた物語に実在性を与えるのがケイト・リン・シャイルその人だ。瞼の重たそうな瞳と大きな鼻立ちによって引き伸ばされた面長の顔、そこには大いなる虚無感が静かに鎮座しているように思われる。この虚無を様々な形で満たしていくことで彼女は他の誰かに変貌を遂げるが、この虚無をそのままに映し出す作品においてこそ彼女の演技は暗い輝きを放つ。そういった意味で"Empire Builder"は彼女の存在が最良の形で生かされる作品と言っていい。

最後に、冒頭でシャイルが投げ掛けられてた質問について書いたが、あるインタビューにおいて"Silver Bullets"のO&Aの際、ある人物が「あなたはプロの俳優なのですか?」と質問しましたね。その時あなたは演技を勉強していますとだけ答えました。今でもそう答えますか?"と尋ねられている。その時彼女はこんな答えを返している。

"私はプロだと言えると、そう思います。ですがプロであるという考えにはいつも気恥ずかしさを感じるんです。何と言うか、変なコンプレックスみたいなものです。確か俳優のアーシア・アルジェントがこんなことを言っていました、自分は沢山のことに精通したいのだけど、どれにおいてもエキスパートにはなれたことがないと。私はそういう感じを楽しむ感覚を持ち続けていたいし、演技を仕事とは思っていないんです。それがプロと呼ばれることに恥ずかしさを感じる理由だと思います。ですが、私は俳優として鍛錬を受けてきています。思うに私が携わっているような映画にある俳優たちが出演する場合、彼らは職業として俳優をやっていないんだろうと見做される節があります、自分たちだけの映画を作っているからでしょう。でも彼らの多くは本物の俳優なんです"

確かにシャイルは後ろ向きだが、その奥には俳優としての覚悟がある。それが未だ短いキャリアの中でも彼女をここまでの地位に導いたものだろう。今後はインディーとメジャーの垣根を越えて、更なる活躍を見せてくれることだろう。ということでシャイルの今後に超超超期待。

結局マンブルコアって何だったんだ?
その1 アーロン・カッツ&"Dance Party, USA"/レイプカルチャー、USA
その2 ライ・ルッソ=ヤング&"You Wont Miss Me"/23歳の記憶は万華鏡のように
その3 アーロン・カッツ&"Quiet City"/つかの間、オレンジ色のときめきを
その4 ジョー・スワンバーグ&"Silver Bullets"/マンブルコアの重鎮、その全貌を追う!

私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
その80 Laura Amelia Guzmán&"Dólares de arena"/ドミニカ、あなたは私の輝きだったから
その81 彭三源&"失孤"/見捨てられたなんて、言わないでくれ
その82 アナ・ミュイラート&"Que Horas Ela Volta?"/ブラジル、母と娘と大きなプールと
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その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
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その86 チャイタニヤ・タームハーネー&「裁き」/裁判は続く、そして日常も続く
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その89 ソフィー・ショウケンス&「Unbalance-アンバランス-」/ベルギー、心の奥に眠る父
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その91 Amelia Umuhire & "Polyglot"/ベルリン、それぞれの声が響く場所
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その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
その115 Aik Karapetian&"The Man in the Orange Jacket"/ラトビア、オレンジ色の階級闘争
その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
その121 Benjamín Naishtat&"Historia del Miedo"/アルゼンチン、世界に連なる恐怖の系譜
その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
その123 Mélanie Delloye&"L'Homme de ma vie"/Alice Prefers to Run
その124 アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて
その125 Juliana Rojas&"Trabalhar Cansa"/ブラジル、経済発展は何を踏みにじっていったのか?
その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
その128 Kerékgyártó Yvonne&"Free Entry"/ハンガリー、彼女たちの友情は永遠!
その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
その132 Salomé Lamas&"Eldorado XXI"/ペルー、黄金郷の光と闇
その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
その134 Marte Vold&"Totem"/ノルウェー、ある結婚の風景
その135 アリス・ウィンクール&「博士と私の危険な関係」/ヒステリー、大いなる悪意の誕生
その136 Luis López Carrasco&"El Futuro"/スペイン、未来は輝きに満ちている
その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
その138 ケリー・ライヒャルト&"River of Grass"/あの高速道路は何処まで続いているのだろう?
その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
その142 Elina Psykou&"The Eternal Return of Antonis Paraskevas"/ギリシャよ、過去の名声にすがるハゲかけのオッサンよ
その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する
その145 Sergio Oksman&"O Futebol"/ブラジル、父と息子とワールドカップと