鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済藤鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

エイミー・サイメッツ&"Sun Don't Shine"/私はただ人魚のように泳いでいたいだけ

さてさて、最近はこのブログにマンブルコア作家・作品についてばかり書いているのだが、皆さん付いてきているだろうか。過去の記事を読んでいただいている方は分かるかもしれないが、マンブルコアはその規模が余りに小さすぎて記事に何回も同じ俳優の名前を書いていたりする。例えばケイト・リン・シャイル(紹介記事読んでね)は仕事人間すぎてジョー・スワンバー以下、時間があれば他の監督たちの映画にアホほど出まくっている。そしてケンタッカー・オードリー(彼の紹介記事も読んでね)は監督としても俳優としても活躍しており、マンブルコア人脈以外の作品のレビューにも顔を出していたりする。サイト内検索してどのくらいの記事に出ているか確認してみて欲しいのだが、もう1人名前が頻出する俳優がいる。ということで今回はエイミー・サイメッツと、彼女の"監督"デビュー作である"Sun Don't Shine"を紹介して行こう。

エイミー・サイメッツ Amy Seimetz フロリダ州セントピーターズバーグに生まれた。夫は米インディー映画界異形の天才シェーン・カルース("Upstream Color"で彼女はヒロインを演じていた)18歳の頃から映画を作り始める。この時フロリダ州立大学(後述するバリー・ジェンキンスデヴィッド・ロバート・ミッチェルの母校でもあり、これが縁で彼らの作品に関わることとなる)や映画学校で美術全般について学んでいたが結局中退、ロサンゼルスへと移住することになる。俳優をしながらベビーシッターやウェイトレス、仕立て屋勤めなど様々な仕事を転々としていた。しかしこの地で実験映画監督のジェームズ・ベニングや今後共に仕事をすることになる撮影監督ジェイ・カイテルらと出会い、親交を深めることとなる。

俳優として2003年頃から"Wristcutters: A Love Story"などの作品に出ていたが、多くが脇役でしばらくは不遇の日々が続く。それでも友人の俳優パット・ヒーリー(タイ・ウェスト「インキーパーズ」E.L.カッツザ・スリルに出演)の紹介でジョー・スワンバーと出会い"Alexander the Last"(更にこのレビュー記事をどうぞ)に出演しマンブルコア・コネクション入りしたのがきっかけで、2010年には"The Zone"の変態の片割れ(この記事参照)Lawrence Michael Levine監督作"Gabi on the Roof in July"や、アダム・ウィンガード「ビューティフル・ダイ」に出演すると共に、2016年に「イット・フォローズ」が日本でも公開されたデヴィッド・ロバート・ミッチェルのデビュー長編アメリカン・スリープオーバー"Girls"で一躍名を馳せたレナ・ダナム"Tiny Furniture"などにも出演を果たし、この年は計10本の映画に参加する。

2011年には再び10本ということで掻い摘んで紹介するとジョー・スワンバー"Silver Bullets""Autoerotic"に連続出演を果たすと共に、日本では「エデン」が唯一ソフトスルーとなっているミーガン・グリフィス"The Off Hours"では主演、だが何と言ってもこの年はアダム・ウィンガード「サプライズ」が有名だろう(本公開は諸般の事情で2013〜14年だったが)。マスクを被った謎の集団に襲われ、ドアから走って逃げようとしたらワイヤーで頸動脈をブチ切られる長女役と言えばピンとくる方も多いのでないだろうか。2012年には日本でもソフトが出ている「リベンジ・フォー・ジョリー!」などに出演し、2013年には先述のシェーン・カルースによる異形のSF映画"Upstream Color"に出演、そして彼と結婚するなど私生活まで順風満帆。更にマンブルコア仲間のタイ・ウェスト監督作サクラメント 死の楽園」に主演作"9 Full Moons"、更にはインディー映画界を離れ人気TVドラマ「キリング」のシーズン3,4に出演するなど活躍の場を広げていく。


"Upstream Color"からワンシーン。結構日本語レビューも見かけるので、私はレビューしません。

そして2015年には以前ブログで紹介した"Entertainment"や盟友ケンタッカー・オードリーと再びの共演を果たした"Ma"に出演し、2016年には詳しくは後述するがスティーヴン・ソダーバーグのドラマ版ガールフレンド・エクスペリエンスでクリエイターを務めると共に主人公の姉役で出演も兼任する。そして2017年にはレズビアンの宇宙人がレズビアンの地球人を探しにやってくるとか変なレズビアン映画ばっかり作っているMadeleine Olnekによるエミリー・ディキンソン伝記映画でディキンソン一家の友人メイベル役を演じ、更に、更に! 何とリドリー・スコット監督による「プロメテウス」の続編"Alien: Covenant"に出演、いやいやマンブルコア界のミューズから思えば遠くに来たものである。

そしてプロデューサーとしても、バリー・ジェンキンス監督によるサンフランシスコを舞台とした24時間の恋の物語"Medecine for Melancholy"Alison Bagnall によるグレタ・ガーウィグ&オリー・アレクサンダー主演の"The Dish & the Spoon"などマンブルコア関連の諸作を手掛けてもいたりする。

さてさてここからがやっと本題、映画監督サイメッツを追っていこう。監督としては2005年の短編"The Unseen Kind-Hearted Beast"、2008年には短編ドキュメンタリー"We Saw Such Things"を手掛けている。後者はWeeki Wacheeというテーマパークが舞台、ここは人魚の扮装をした女性たちが水の中を泳ぎ回るショーで有名なのだが、40〜50年代にこのショーで活躍した女性たちの証言を集めた作品で、サイメッツの長編デビュー作"Sun Don't Shine"の雛形的な作品でもある。2009年には"The Spectacular Now"ジェームズ・ポンソルト(紹介記事書いてるよ)らとともに短編オムニバス"Round Town Girls"を監督するが、この年の"Alexander the Last"で俳優としてブレイクした故に監督業からはしばらく遠ざかることとなる。そんな中で最初は実験的な作風に傾倒していたそうだが、俳優としての様々な作品に参加するうち劇映画のスタイルに惹かれていったそうで、3年後の2012年にはジョー・スワンバー組の俳優たちと共に初の長編"Sun Don't Shine"を手掛けることとなる。

響き渡る絶叫と共に女は男へと襲いかかる、鋭い悲鳴は彼の肌を突き刺し、振り上げられる腕は彼の体を乱れ打つ。男に押し退けられようとも彼女はある種の執拗さで以て彼を叩き、掴み、殴り、再び押し退けられ、しかし彼女は激しい怒りをそのまま男に叩きつける。打ち捨てられるうち女の体は泥にまみれる、哀れな彼女に太陽は激烈な光の条を突き立てる。そして"Sun Don't Shine"はタイトルとは真逆の光景の中で幕を開ける。

舞台はフロリダ中部のエヴァーグレイド近辺、主人公はクリスタルとレオ(ケイト・リン・シャイル&ケンタッカー・オードリー)という2人の男女だ。嵐のような時間が過ぎ去った後、彼女たちは何処かを目指して一心に車を走らせる。ごめんなさい、君のせいじゃない、君は何も悪くない、そんな言葉の数々が車内に現れては消えていく、ごめんなさい、ごめんなさい……

サイメッツ監督の演出はストイックに彼らの現在を見据え続け、故に語りも情報量を最小限にまで切り詰めたミニマルな物だ。2人は恋人同士か兄妹関係かそれとも他の何かがあるのか、それは一向に明かされることがない。それでも2人の顔に浮かぶ不安と焦燥は、彼らが何か自身の人生を破滅へと導く何かをしでかしてしまったと雄弁に語る。そしてある時彼らが路肩に車を止めると、親切心からか何かあったか?と聞いてくる運転手が現れる。言葉の上では軽く世間話を繰り広げながら、レオの瞳は忌々しげな雰囲気に満ち、クリスタルへと視線を向けたかと思うと、それは車のトランクへと至る。ここに象徴される通り、監督は言葉の外にある何かによってこそ物語を語らんとする。

2人はフロリダの風光明媚な海岸へと辿り着く。彼らの前には清冽で広大な海が静寂と共に広がっているが、むしろクリスタルたちの心は荒波に呑み込まれている。そして彼女たちは車のトランクを開く……ここから物語はいわゆる南部ノワールの世界へと足を踏み入れる。ハリケーンカトリーナアメリカに大きな打撃を与えることとなったが、特に南部における被害は甚大なものだった。そしてこの深き傷跡を背景としたノワールが何本も作られた。代表的な作品がヴェルナー・ヘルツォークバッド・ルーテナントだ、大きな被害に見舞われたニューオリンズを舞台にニコラス・ケイジ扮する汚職警官が捜査に汚職にと駆けずり回る奇怪な作品で、"魂のブレイクダンス"が有名だがこの地に住むグリーンイグアナが印象的な形で現れていた。そして「TRUE DETECTIVE」もそうだが個人的に推したいのはNetflix製作の「ブラッドライン」だ。"Sun Don't Shine"と同じくフロリダが舞台でとある家族の愛憎劇を南部の熱気さながらに描き出す作品であり、先述した海岸と同じような場所が「ブラッドライン」にも登場する。こうした南部ノワール群のエッセンスを濃厚に反映した上で"Sun don't Shine"はボニー&クライド的な要素をも帯びながらフロリダの自然を駆け抜ける。

サイメッツは故郷のフロリダについてこんな言葉を残している。"私はフロリダで育ちましたが、狂った犯罪のほとんどは全てその地で起こっています。それについて読むと「一体どういうこと? 誰がこんなことを?」と思うような事件がフロリダでは起こっている。私が思うに原因は過酷な暑さにあり、それが人々を狂わせている、そして大いなる不安を呼び起こし、頭を働かせなくするんです。それゆえ夏の真っ只中には犯罪件数はグングンと上昇するという訳です。フロリダは楽園と暴力が凄まじい衝突を遂げた場所なのです"

だが"Sun Don't Shine"において特徴的なのは、この厳格なミニマルさやノワール要素がふと緩みを見せ、殆ど真逆のリリカルな瞬間が溢れだす異色さにある。レオたちが目的地を目指す途中、2人のたわいもない会話が聞こえてくるかと思えば、まるでフリルが可愛らしいドレスを着て、少女が楽しげに舞い踊るとそんな響きのメルヘンチックな音楽が流れ始め、そして車窓から見えるフロリダの自然が詩的なトーンで綴られていく(この編集を手掛けているのは何度も名前を出しているが「セインツ」デヴィッド・ロウリーだ)。撮影監督Jay Keitelによる16mmの荒い粒子が運ぶのは、夏の日の午後に広がる夢を思わす映像詩だ。しかしそれは一体誰が見る風景なのだろうか。

"Sun Don't Shine"はほぼケイト・リン・シャイルケンタッカー・オードリーの2人芝居だが、シャイルの不穏な煌めきが今作を牽引していると言っていい。終始情緒不安定で何をしでかすか全く解らない危うさ、冒頭のように感情を突然爆発させることに全く躊躇がない。そして自分を手助けするレオに依存しながら、どう引き留めていいかも分からずセックスをちらつかせ続ける。ある時、途中に立ち寄った酒場で、同僚に口紅を奪われたという話を延々と続け、ウンザリしたレオが離れていくとすぐに追いかけまた延々と話し続ける。体は年相応のものながら心は丸っきり子供のクリスタルは人との距離感が掴めず、関係性を築くことが出来ない。

だが一方でサイメッツ自身はクリスタルについてこう分析している。"私にとってはレオよりクリスタルのほうがより論理的な態度に思えます。何かをしなくてはならない時、目標があって、それに向かって計画を立てていくことが普通でしょうが、私は行き当たりばったりなタチなんです。ですからレオが一線を越えてなお何らかの計画を立てようとする姿は馬鹿げたものと思えます。死体を埋めに行く計画を立てるなんて狂っているでしょう。私にはどうすれば良いかなんて分かりませんし、何か良い計画が思いつくとしたらそれはそれで異常です。そもそもこういった状況で取り乱さないなんてことあるでしょうか。誰かを殺してしまった後、何か思いつけるような正常な心持でいられるとは思いません"

そして彼女を示す重要なモチーフが人魚だ。逃亡中に彼女は人魚の小さな土産物を買い、自分が人魚を愛している理由をレオに語っていく。その愛には子供時代の美しい思い出が宿っているが、サイメッツ監督は同時に彼女の過去にある禍々しい何かの存在を濃厚に匂わす。もちろんそれが何かは語られる訳ではないが、この人魚が物語をドス黒く歪な愛憎の凄まじい炸裂へと導いていく。"Sun Don't Shine"は清らかな水色に彩られたおとぎ話と南部の熱気に満ちたノワールが最良の形で重なりあった美しい物語だ。クリスタルはただ人魚のように水を泳いでいきたいだけだが、痛々しい愛はそれを許しはしない。

最後に今作の着想源について紹介しよう。"私はある悪夢を繰り返し見ていて、その中で私はレオとして生きていました、勿論どちらも私の一部分なのでしょうが。私は誰かを殺してしまった恋人を連れてどうにか事件を隠ぺいしようとしていました。これは隠喩的な意味でシンプルな物だと思います。誰かと激しい恋に落ちると、その人を守るためなら何だって厭わない。その感覚は美しい物ですが、危険でもあります。あっという間に不健全な力学関係に陥ることでしょう。

その頃、私はいくつもの死と対峙しなくてはならない非常に辛い時期を過ごしていて、そういった意味で2人の恋人たちは私の行動を体現しているようでもありました。例えば官僚的な書類仕事など、愛する者が亡くなった時やるべき全てをこなす私の姿を。こういう時人は私に対してこう言ってきます、「君はこれをやる必要がある、それが当然のことだ」と。しかし一方で悲鳴をあげたり、誰かを叩いたりそうやって滅茶苦茶やってやりたいと思うことだってあるでしょう。実際はそうやって死に対処していきたいのに、実際は書類にサインをしに行かなくてはならない……"

サイメッツの監督としての最新作は、先にも記したソダーバーグによる同名映画のドラマシリーズ化作品ガールフレンド・エクスペリエンスである。大いなる野心を胸に高級エスコート嬢として高みへと昇っていこうとする大学生の姿を描いた作品で、サイメッツは90年代に燦然と輝く狂気のカルト映画「クリーン、シェーブン」を手掛けた監督ロッジ・ケリガンと共にクリエイターを務めている。私は途中まで観たのだが、都会的な洗練で以て映し出される狂気と野望、「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」ライリー・キーオ演じる主人公の底知れなさ、過ぎ去る時間を異様な感覚で綴る冷やかな編集などなど本当に素晴らしい。サイメッツの夫であるカルースは音楽を担当、凍てついた響きを宿すアンビエントな劇伴はサイメッツの演出との相性もバッチリだ。こうしてサイメッツはマンブルコア・コネクションからソダーバに引き抜かれ、着実にキャリアを積み上げていっている訳で、何かマンブルコアも遠くまで来ているのだなぁと思ってしまう訳で……ということでサイメッツの今後に期待。

参考文献
http://www.craveonline.com/site/485875-exclusive-interview-amy-seimetz-on-sun-dont-shine
http://www.complex.com/pop-culture/2013/04/amy-seimetz-sun-dont-shine-interview

結局マンブルコアって何だったんだ?
その1 アーロン・カッツ&"Dance Party, USA"/レイプカルチャー、USA
その2 ライ・ルッソ=ヤング&"You Wont Miss Me"/23歳の記憶は万華鏡のように
その3 アーロン・カッツ&"Quiet City"/つかの間、オレンジ色のときめきを
その4 ジョー・スワンバーグ&"Silver Bullets"/マンブルコアの重鎮、その全貌を追う!
その5 ケイト・リン・シャイル&"Empire Builder"/米インディー界、後ろ向きの女王
その6 ジョー・スワンバーグ&"Kissing on the Mouth"/私たちの若さはどこへ行くのだろう
その7 ジョー・スワンバーグ&"Marriage Material"/誰かと共に生きていくことのままならさ
その8 ジョー・スワンバーグ&"Nights and Weekends"/さよなら、さよならグレタ・ガーウィグ
その9 ジョー・スワンバーグ&"Alexander the Last"/誰かと生きるのは辛いけど、でも……
その10 ジョー・スワンバーグ&"The Zone"/マンブルコア界の変態王頂上決戦
その11 ジョー・スワンバーグ&"Private Settings"/変態ボーイ meets ド変態ガール
その12 アンドリュー・ブジャルスキー&"Funny Ha Ha"/マンブルコアって、まあ……何かこんなん、うん、だよね
その13 アンドリュー・ブジャルスキー&"Mutual Appreciation"/そしてマンブルコアが幕を開ける
その14 ケンタッカー・オードリー&"Team Picture"/口ごもる若き世代の逃避と不安
その15 アンドリュー・ブジャルスキー&"Beeswax"/次に俺の作品をマンブルコアって言ったらブチ殺すぞ

私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
その80 Laura Amelia Guzmán&"Dólares de arena"/ドミニカ、あなたは私の輝きだったから
その81 彭三源&"失孤"/見捨てられたなんて、言わないでくれ
その82 アナ・ミュイラート&"Que Horas Ela Volta?"/ブラジル、母と娘と大きなプールと
その83 アイダ・ベジッチ&"Djeca"/内戦の深き傷、イスラムの静かな誇り
その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
その85 Hari Sama & "El Sueño de Lu"/ママはずっと、あなたのママでいるから
その86 チャイタニヤ・タームハーネー&「裁き」/裁判は続く、そして日常も続く
その87 マヤ・ミロス&「思春期」/Girl in The Hell
その88 Kivu Ruhorahoza & "Matière Grise"/ルワンダ、ゴキブリたちと虐殺の記憶
その89 ソフィー・ショウケンス&「Unbalance-アンバランス-」/ベルギー、心の奥に眠る父
その90 Pia Marais & "Die Unerzogenen"/パパもクソ、ママもクソ、マジで人生全部クソ
その91 Amelia Umuhire & "Polyglot"/ベルリン、それぞれの声が響く場所
その92 Zeresenay Mehari & "Difret"/エチオピア、私は自分の足で歩いていきたい
その93 Mariana Rondón & "Pelo Malo"/ぼくのクセっ毛、男らしくないから嫌いだ
その94 Yulene Olaizola & "Paraísos Artificiales"/引き伸ばされた時間は永遠の如く
その95 ジョエル・エドガートン&"The Gift"/お前が過去を忘れても、過去はお前を忘れはしない
その96 Corneliu Porumboiu & "A fost sau n-a fost?"/1989年12月22日、あなたは何をしていた?
その97 アンジェリーナ・マッカローネ&"The Look"/ランプリング on ランプリング
その98 Anna Melikyan & "Rusalka"/人生、おとぎ話みたいには行かない
その99 Ignas Jonynas & "Lošėjas"/リトアニア、金は命よりも重い
その100 Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
その102 Eva Neymann & "Pesn Pesney"/初恋は夢想の緑に取り残されて
その103 Mira Fornay & "Môj pes Killer"/スロバキア、スキンヘッドに差別の刻印
その104 クリスティナ・グロゼヴァ&「ザ・レッスン 女教師の返済」/おかねがないおかねがないおかねがないおかねがない……
その105 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その106 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その107 ディアステム&「フレンチ・ブラッド」/フランスは我らがフランス人のもの
その108 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その109 Sydney Freeland&"Her Story"/女性であること、トランスジェンダーであること
その110 Birgitte Stærmose&"Værelse 304"/交錯する人生、凍てついた孤独
その111 アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して
その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
その115 Aik Karapetian&"The Man in the Orange Jacket"/ラトビア、オレンジ色の階級闘争
その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
その121 Benjamín Naishtat&"Historia del Miedo"/アルゼンチン、世界に連なる恐怖の系譜
その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
その123 Mélanie Delloye&"L'Homme de ma vie"/Alice Prefers to Run
その124 アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて
その125 Juliana Rojas&"Trabalhar Cansa"/ブラジル、経済発展は何を踏みにじっていったのか?
その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
その128 Kerékgyártó Yvonne&"Free Entry"/ハンガリー、彼女たちの友情は永遠!
その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
その132 Salomé Lamas&"Eldorado XXI"/ペルー、黄金郷の光と闇
その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
その134 Marte Vold&"Totem"/ノルウェー、ある結婚の風景
その135 アリス・ウィンクール&「博士と私の危険な関係」/ヒステリー、大いなる悪意の誕生
その136 Luis López Carrasco&"El Futuro"/スペイン、未来は輝きに満ちている
その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
その138 ケリー・ライヒャルト&"River of Grass"/あの高速道路は何処まで続いているのだろう?
その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
その142 Elina Psykou&"The Eternal Return of Antonis Paraskevas"/ギリシャよ、過去の名声にすがるハゲかけのオッサンよ
その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する
その145 Sergio Oksman&"O Futebol"/ブラジル、父と息子とワールドカップと