鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

マンブルコアの黎明に消えた幻 "Four Eyed Monsters"

このブログには何度も記しているが重要なことなので何度だって書こう。ジョー・スワンバーデュプラス兄弟のデビュー長編である"Kissing on the Mouth"(紹介記事その1)と"The Puffy Chair"(紹介記事その2)、そしてアンドリュー・ブジャルスキーの第2長編"Mutual Appreciation"(紹介記事その3)が公開された2005年のSXSW映画祭を以て、マンブルコアというムーブメントは始まりを迎えたと言っていい。だがこの3作と同時にもう1本重要な映画が上映されたのを知っているだろうか。Arin CrumleySusan Buiceによるその作品"Four Eyed Monsters"は同じくマンブルコアの始まりを告げた作品と称され、更には他に先んじてデシタル配信というこのムーブメント隆盛の要である出来事をまず最初に成し遂げた作品でもある。だがその重要さに反して今作が語られることは殆どなく、監督たちもこれ以降映画を作ってはいない。それは何故だろうか。ということで今回はデジタル黎明期に呑み込まれた悲劇の作品、忘れ去られたマンブルコア映画"Four Eyed Monsters"と、今作が辿った残酷な運命について書いていきたいと思う。ということでこれはYoutube公式にアップされているので観たい人はそちらからどうぞ。

現れては消えていく写真の数々、そのどれにも幸せそうなカップルが映っている。柔らかな笑顔を向ける互いに向ける2人、澄ました顔でこちらを見つめる2人、頬にキスをし頬にキスをされる2人、その中には同性のカップルや人種を越えたカップルも混じっている。だが彼らの幸せに満ちた表情とは裏腹に、聞こえてくる声には陰気な響きが宿る。彼らは2つの口を持ち、4つの目を持つ気味の悪い怪物共だ、だけど僕は彼らに嫉妬を向けるしか出来ない。

青年アリン(Arin Crumley)は満たされない日々を送っている。コインランドリーにいる女性を、道を薄着で歩く女性たちを彼は性的な眼差しを向けて束の間の妄想に耽る。だがそんな惨めな自分に嫌悪感を抱き、それでも妄想を止められずに負の連鎖に陥る。アリンはSNSに登録し日夜セックスの相手を探している、何度かセックスにまで至った女性もいるがその経験は今ではトラウマでしかない。今日も写真を格好いいものに変えて相手を募る、もし僕にビビッと来たら君の写真を送ってくれ……

そしてスーザン(Susan Buice)もまた彼と同じく満ち足りない日々を送っている。美術学校を卒業したはいいが定職にはついていない。かと言って芸術活動に邁進しているかと言えばそれもスランプ状態、1日1日彼女は若さを無意味に浪費していっている。スーザンもSNSに登録しているのだが、彼女が求めるのはセックスや生半可な愛ではない、それよりもっと深く濃密な繋がりだった。そんなある時彼女はアリンの写真を見つける、送れる写真はないけど、もし良かったら私が勤めるレストランで会わない?……

物語はデジタル時代の詩的リアリズムといった感触を持っている。ニューヨークの雑踏、公園に群れる無数の鳩たち、タイムラプスで見る間に姿形を変える空、加工された映像の連なる様には日々凄まじい勢いで変貌する世界をアリンたちの目から追体験するような感覚を抱かされる。そしてその中には画質の荒いネット動画も入り交じる。とあるサイトにアップされた短い動画――ああ君を愛してる!君はいつでも僕を笑顔にしてくれる!いつまでも僕と一緒にいて欲しい、結婚しよう!と、そこにはプロポーズの言葉が託され、それが2人どころか全世界に共有されるような状況が始まっていることを象徴している。

そうして"Four Eyed Monsters"が描くのはネット時代ーーもっと詳しく言えばYoutubeなどの動画サイトが現れた直前直後という激しい変化の時代に肥大化していく自意識だ。正にこの変化に翻弄されるしかないアリンはスーザンの提案に喜びながら、素直に彼女と顔を合わせることが出来ない。帽子を目深に被り周囲の目を気にし、とうとうアリンは彼女をストーキングし始める。スーザンの歩く姿、駅のホームに佇む姿、地下鉄で無防備に眠る姿を彼はビデオカメラで撮影し、挙げ句の果てにその映像を送りつけてしまう。サイコサスペンスも斯くやといった展開だが、ここから始まるのは2人の奇妙な交流だ。2人はとうとう現実での対面を果たすが、彼らは声を放棄し筆談によってコミュニケーションを図る、まるで目の前にいる相手に対しメールを送るような感覚だ。それでもアリンたちは生身の交流を恐れている訳ではない。だがセックスが2人の状況を更に混沌とした状況に追い込んでいく。

映像が無造作に連なるPV的な手捌きに線画を用いた奇妙なアニメーション、そこにアリンの頭に広がる滑稽な性的ファンタジーが交わりあうという"Four Eyed Monsters"の演出はそんなカオスを如実に反映しているとも言える。そしてそれはアリンとスーザンにとっては何よりもリアルなものだ。インターネットの発展は恐るべき速度を以て世界を複雑化させていくが、彼らはこのカオスに対してそれを秩序立てる訳ではなく、自分たちの作品をカオスに肉薄させながら組み上げていくことで現実を受け入れようとする。確かに今作の演出は初期衝動そのままの稚拙な物と断じることも出来るかもしれないが、このアプローチこそが"Four Eyed Monsters"に切実さを与えているのだ。

この作品がマンブルコア映画の1つとして数えられるのは此処に漲るDIY精神とその主題によってだろう。彼らは今後の見込みも何もないまま借金を抱えてまで(動画の最初には使い物にならなくなったクレジットカードの束が出てくる)自分たちの作りたい映画を他ならぬ自分たちで作り上げた、それは正にスワンバーグやデュプラス兄弟の志と共鳴している。だがそれ以上に重要なのは今作が"commitment"、つまり"関係性"についての映画であることだ。この一瞬一瞬に姿を変えていく液体さながらに流動的な社会で、自分たちは他人とどうやって繋がり、どうやってその繋がりを維持していくのか。"Four Eyed Monsters"にはそれに対する誠実な洞察がある。そして様々なコミュニケーションを経る内に彼らが辿り着いたのが映画製作だったという着地点はマンブルコアの存在意義を象徴するようで感動的ですらある。

"Four Eyed Monsters"はスラムダンス映画祭でプレミア上映後、ブルックリン国際映画祭では新人監督賞を獲得し、そして前述の通りSXSW映画祭でも上映されマンブルコアの幕開けを担うことともなる。だがここからが運命の別れ道だった。映画祭では高い評価を獲得しながら、他のマンブルコア作品と同じように配給が付かないという事態に陥る。この間彼らは自身のDIY製作法について講演を開いたり、映画後の自分たちの関係性を描き出したビデオ・ポッドキャスト版の"Four Eyed Monsters"を製作しネット配信するなどしていた。それは瞬く間に広がり人気を獲得するのだが、しかしそれでも配給会社の注目を集めることは出来なかったという。

そんな中で彼らに手を差し伸べたのが、この時期にネットで頭角を表し始めた動画サイトYoutubeだった。CrumleyたちはYoutubeと6万ドルで配給契約を果たし、2007年このサイトで初めて公式配信された、言い換えればネットで全編が無料配信された最初期の映画作品となる。しかしそんな名誉に預かり、新しいインディー映画配給の形と祭り上げられる一方で、Youtubeは今作を使って広告をどこに配置すればいいか?などの実験を始めてしまう、つまりはモルモットにされてしまった訳である。

この状況を打破するために、彼らは前年にサンダンス・チャンネルから獲得した賞金など計10万ドルを使い映画配給会社IFCと配信、DVD販売、TV放送などの契約を結び、更にはビデオ・ポッドキャストの新作をオーダーされる運びとなる。だがCrumleyらはここでスランプに陥ってしまい作品を作ることが出来なくなり、それが原因でIFC側との軋轢が生まれてしまう。それでも何とか新作を完成させ一応の契約義務は果たして新作の放送やDVDの発売は達成されるが、もうこの時点で彼らの精神はボロボロの状態だった。弁護士を通じて3万ドルと映画の権利を返還してもらった後、失意のうちに2人は映画界から身を引き上げることとなる。

皮肉なのは同時期のデュプラス兄弟の道筋を見れば分かる。彼らもまたデビュー作"The Puffy Chair"の配給会社探しに苦労しながらも、2人に手を差し伸べた存在はNetflixだった。この頃はまだ動画配信を手掛けてはおらずオンライン・レンタルと配給のみであったが、この後に配信業界でトップシェアに躍り出るのはご承知の通り。初監督作を配給したこともありデュプラス兄弟は以後も彼らとの密な関係を保ち、兄弟の監督もしくは製作映画や他のマンブルコア作品が多く配信されることとなり、マンブルコアというムーブメントはアメリカ全土に広まることとなる。その一方でYoutubeは動画サイトとしては躍進しながらも、映画などの違法配信の面で悪名高い存在となり、その意味でCrumleyたちは完全に割りを喰う形となってしまった。これに関連してBuiceはこう語っている。"私たちの映画がNetflixで配信されたとしたら本物に見えるでしょうが、Youtubeにアップされている限りは違法に配信された偽物に見えてしまうんです"

その後2人は関係を解消しそれぞれの道を歩み始める。Crumleyは会員制スーパーマーケットのサムズ・クラブやレストランのTGIフライデーズのために映像を製作するなどして生計を立てている。だが長編映画を作る夢は諦めておらず、現在は大規模音楽フェスティバルであるバーニングマンを着想源とした"Matter Out Of Place"を製作している。Buiceはマサチューセッツ工科大学のメディア製作部門に所属し、空いた時間を使って脚本の執筆に励んでいる。

Youtubeにアップされている映画のエンドロール、小さな画面の中に監督たちが映画祭で喝采を受けるシーンや、映画に感銘を受けた人々の送った感想動画が流れる。そこから分かるのは当時の観客たちと最も密接に繋がっていたのは他でもないCrumlyとBuiceだということだ。確かに彼らは時代の最先端にいたのだ、しかし今振り返れば監督たちの動きは早すぎた、もう少しだけ待つべきだったのだ、本当にもう少しだけ……

参考文献
http://ticklebooth.com/2006/04/interview-with-the-four-eyed-monsters/(上映当時の監督インタビュー)
http://www.indiewire.com/article/forgotten-mavericks-ten-years-later-what-happened-to-four-eyed-monsters-20150121(上映10年後に書かれた、今作の運命を追った記事)

結局マンブルコアって何だったんだ?
その1 アーロン・カッツ&"Dance Party, USA"/レイプカルチャー、USA
その2 ライ・ルッソ=ヤング&"You Wont Miss Me"/23歳の記憶は万華鏡のように
その3 アーロン・カッツ&"Quiet City"/つかの間、オレンジ色のときめきを
その4 ジョー・スワンバーグ&"Silver Bullets"/マンブルコアの重鎮、その全貌を追う!
その5 ケイト・リン・シャイル&"Empire Builder"/米インディー界、後ろ向きの女王
その6 ジョー・スワンバーグ&"Kissing on the Mouth"/私たちの若さはどこへ行くのだろう
その7 ジョー・スワンバーグ&"Marriage Material"/誰かと共に生きていくことのままならさ
その8 ジョー・スワンバーグ&"Nights and Weekends"/さよなら、さよならグレタ・ガーウィグ
その9 ジョー・スワンバーグ&"Alexander the Last"/誰かと生きるのは辛いけど、でも……
その10 ジョー・スワンバーグ&"The Zone"/マンブルコア界の変態王頂上決戦
その11 ジョー・スワンバーグ&"Private Settings"/変態ボーイ meets ド変態ガール
その12 アンドリュー・ブジャルスキー&"Funny Ha Ha"/マンブルコアって、まあ……何かこんなん、うん、だよね
その13 アンドリュー・ブジャルスキー&"Mutual Appreciation"/そしてマンブルコアが幕を開ける
その14 ケンタッカー・オードリー&"Team Picture"/口ごもる若き世代の逃避と不安
その15 アンドリュー・ブジャルスキー&"Beeswax"/次に俺の作品をマンブルコアって言ったらブチ殺すぞ
その16 エイミー・サイメッツ&"Sun Don't Shine"/私はただ人魚のように泳いでいたいだけ
その17 ケンタッカー・オードリー&"Open Five"/メンフィス、アイ・ラブ・ユー
その18 ケンタッカー・オードリー&"Open Five 2"/才能のない奴はインディー映画作るの止めろ!
その19 デュプラス兄弟&"The Puffy Chair"/ボロボロのソファー、ボロボロの3人
その20 マーサ・スティーブンス&"Pilgrim Song"/中年ダメ男は自分探しに山を行く
その21 デュプラス兄弟&"Baghead"/山小屋ホラーで愛憎すったもんだ
その22 ジョー・スワンバーグ&"24 Exposures"/テン年代に蘇る90's底抜け猟奇殺人映画

私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
その80 Laura Amelia Guzmán&"Dólares de arena"/ドミニカ、あなたは私の輝きだったから
その81 彭三源&"失孤"/見捨てられたなんて、言わないでくれ
その82 アナ・ミュイラート&"Que Horas Ela Volta?"/ブラジル、母と娘と大きなプールと
その83 アイダ・ベジッチ&"Djeca"/内戦の深き傷、イスラムの静かな誇り
その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
その85 Hari Sama & "El Sueño de Lu"/ママはずっと、あなたのママでいるから
その86 チャイタニヤ・タームハーネー&「裁き」/裁判は続く、そして日常も続く
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その90 Pia Marais & "Die Unerzogenen"/パパもクソ、ママもクソ、マジで人生全部クソ
その91 Amelia Umuhire & "Polyglot"/ベルリン、それぞれの声が響く場所
その92 Zeresenay Mehari & "Difret"/エチオピア、私は自分の足で歩いていきたい
その93 Mariana Rondón & "Pelo Malo"/ぼくのクセっ毛、男らしくないから嫌いだ
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その95 ジョエル・エドガートン&"The Gift"/お前が過去を忘れても、過去はお前を忘れはしない
その96 Corneliu Porumboiu & "A fost sau n-a fost?"/1989年12月22日、あなたは何をしていた?
その97 アンジェリーナ・マッカローネ&"The Look"/ランプリング on ランプリング
その98 Anna Melikyan & "Rusalka"/人生、おとぎ話みたいには行かない
その99 Ignas Jonynas & "Lošėjas"/リトアニア、金は命よりも重い
その100 Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
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その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
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その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
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その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
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その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
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その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
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その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
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その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
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その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
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その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する
その145 Sergio Oksman&"O Futebol"/ブラジル、父と息子とワールドカップと
その146 Virpi Suutari&”Eleganssi”/フィンランド、狩りは紳士の嗜みである