鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

ジム・ホスキング&"The Greasy Strangler"/戦慄!脂ギトギト首絞め野郎の襲来!

ベン・ウィートリー、もはや言わずと知れた現代ブリテン諸島映画界きっての奇才である。「キル・リスト」「サイトシアーズ」の頃はヤバすぎる変態映画作家が登場したぞ……と一部で人気なカルト作家として名を馳せていたが、今ではトム・ヒドルストン主演×J.G. バラード原作「ハイ・ライズ」やアカデミー主演女優賞獲得のブリー・ラーソンを主演に迎えた“Free Fire”の成功で今や世界の最先端をひた走る存在となってしまった。

そんな彼だが、監督する映画が強烈なら製作を手掛ける映画もまた強烈だ。「サイトシアーズ」に出演していたコメディアンのスティーブ・オラムによる初長編作“Aaaaaaaaah!!!”は、もう題名からして凄いが、外見は人間で中身は猿である謎の生物たちが英国の寒々しい田舎町を舞台にウホウホウホウホ言いまくる映画で、観ている間マジで頭が爆発しそうになった。更にウィートリーはピーター・ストリックランドの超絶的傑作バーガンディ侯爵」aka"The Duke of Burgundy"(レビュー記事を読め!!!)も担当、ユーロ・トラッシュの神髄がこれでもかと叩き込まれたSM文芸官能コメディは2015年を席巻したと言っても過言じゃないだろう。そうしてブリテン諸島の異常者たちを次々と発掘しているウィートリーだが、今回は彼が発掘した中でも随一にヤバい奴ジム・ホスキングの長編デビュー作“The Greasy Strangler”を紹介していこう。マジでヤバいんだな、これが。

アメリカのどこかにある寂れた田舎町、ブレイダン(Sky Elobar)は父親であるルニー(Michael St. Michaels)と共に暮らしている。彼は醜く膨らんだ腹、落武者のような髪型、もう惨めとしか言い様のない中年男だが、ダークサイドに堕ちた仙人のような風体のルニーには頭が上がらず、朝食を作っては“もっと脂をブチ撒けろと言ってるだろ、この牛糞アーティストめ!”と怒鳴られ続けて惨めもここに極まれりといった日々が続く。だがその頃、町では脂ギトギト首絞め野郎と呼ばれる殺人鬼が人々をブチ殺しまくるという残虐非道な事件が続いていた……

“The Greasy Strangler”を彩るのはとにもかくにも悪趣味でグロテスクな奇想の数々だ。まず冒頭からパンツ履いている以外はほぼ全裸な中年&老年男性2人がクソやらゲロやらと吐き散らかし、出てくる料理はもう吐き気を催すほどに脂ギトギトで、ヤン・シュヴァンクマイエルを越え、この映画に出てくる料理は食べたくない!ベスト堂々の1位を勝ち取るほどの有り様だ。そして彼らはお揃いであるショッキング・ピンクのセーターとショートパンツを履き、ディスコ名所ツアーをしたりする。ここはBee Geeがあの名曲を書いた場所ですよとか何とか適当にガイドするのだが、当然ツアー客からの評判は最悪で罵詈雑言はいつまでも止まない。でもそんな時はアイツがやってくる、そう脂ギトギト首絞め野郎!

ということで”脂ギトギト首絞め野郎”のご登場と相成る訳だが、その外見がまあグロい。全身があの料理以上の脂に覆われ、姿はまるで「アマゾンの半魚人」の半魚人(しかし鱗は全てが脂)というグロテスクぶり。そして夜の闇に紛れて、ロニーに対して粗相を働いたツアー客へ襲撃をかけ、顔面粉砕、窒息御免と凄まじい形で人々を虐殺していく。しかし彼の蛮行は留まることを知らない。ロニーに嫌みを言ってきた豚鼻野郎の家に押し入り首を絞め殺害、更にロニーのホットドッグを脂でギトギトにしなかった店主を襲撃し、余りに首を強く絞めすぎたせいでブッ飛んだ目玉2つを脂で炒めて食すという凄まじい事件が頻発する。この脂ギトギト首絞め野郎とは一体何者なのか、皆目見当もつかない…………

だが今作を観ていて思わされるのは、健全なる変態性は健全なる技術に宿るということだ。まず印象的なのはこの映画独特のリズムというものである。俳優陣は演技の下手糞さが露骨で、みな抑揚もクソもなくブツブツ呟くか叫ぶかしかない、セリフも無駄なクドさ/説明的を紙に書いたような長さ/ウンザリするような反復の三拍子が揃い、演技の駄目さが際立ちまくる。だがこれが意図的だというのは編集の絶妙なリズム感を見ていれば分かる。編集担当のMark Burnettは性急にカットを割らず、カットカットを長めに設定することで、妙な間が生まれる。彼は変態の釣瓶落としに観客の胃がもたれないよう、ネタの1つ1つをゆっくりと丁寧に切り取っていく。Burnettはここにおいて緩やかさを指向しているのだ。これが下手糞演技と胃もたれ確実なネタの数々を心地よいオフビート感へと収斂させていく。

更にMårten Tedinのよる撮影も重要だ。彼の作り出すルックには低予算ゆえのチープさなど存在しない。風景へのこだわりや色彩への鋭い意識に裏打ちされた洗練がここには宿っている。特に彼の色彩感覚は印象的で、照明を駆使した原色の連なりが美しいのは勿論、ブレイダンらの邸宅や劇中において重要な場所である洗車場は色彩が瀟洒に仕立てあげられ、それがTedinのレンズを通すことで端正に浮かび上がる。そしてまるで夜を舞台にした絵本のようなルックが画面に現れる訳だが、そこを良い案配に汚い全裸男たちや脂ギトギト首絞め野郎が闊歩する様は、絵本に18禁映画のド変態が乱入したかのようで背徳感が溢れている。

そしてもう1つ特筆すべきなのは被写体とカメラの、物理的以上に遠い精神的な距離感だ。まるで物語それ自体の凄まじくグロい変態性に巻き込まれないよう、常に距離を取り続けているという感触があるのだが、それは監督の気質にもあるかもしれない。今作自体はアメリカ資本で舞台も登場人物もアメリカ人というアメリカ映画だが、監督のジム・ホスキング(&製作のベン・ウィートリー)は英国人なのだ。自分の生まれ育った場所ではない国で、違う国の人々と撮影を共にするという状況が彼の姿勢を一歩引かせているのかもしれない。更に英国人である彼の目から観たアメリカは、他のいわゆるアメリカ映画とは趣が違う。確かにその変態性にはジョン・ウォーターズらに共鳴する物も存在しながら、決定的な部分では何かが違っている訳だ。これが他の変態の皮を被ったファッション変態映画と“The Greasy Strangler”とが一線を画する理由でもある。

そんな中でブレイダンがツアー中に出会うのは、ジャネット(Elizabeth De Razzo)という女性だ。彼はセクシーなジャネットに一目惚れ、彼女の方も満更ではないようでデートに誘うことにも成功する。今まで1度も女性と付き合ったことのなかった彼は有頂天だが、ルーニーは息子が自分の元から離れようとしていることが、そして息子なんかがあんなセクシーな女性を恋人にしようとしていることが許せない。そしてブレイダンが愛を知る一方で、脂ギトギト首絞め野郎の凶行は苛烈を増していく。

この展開から明らかになるのは、変態的なルックからは想像もできないほどシンプルで、しかし力強く不気味な“親離れ”というテーマを今作の中心にあることだ。父が息子を抑圧し続けることで(一方に有利な)調和が保たれていたが、一人の女性の出現によって息子は父に歯向かい始める。それは男らしさという呪縛との対峙でもある。ルーニーのチンポは異常なまでにデカく細長い、ブレイダンのチンポは異常なまでに小さく陰毛に隠れるほどだ。そしてルーニーは自宅で常時そのチンポコを露出している故に、ポコチンの小さいブレイダンは情けなさに気を落としていたが、ジャネットとの出会いがそんな彼を少しずつ変えていく。この筋立てはチンポコ関連を除けば、ウィートリーの長編デビュー作“Down Terrace”(レビュー記事をどうぞ)に似ており、姉妹編とも言うべき代物となっている。“親離れ”というテーマにこだわるウィートリーはそこに惹かれ、製作を担当したと想像したくもなるが、しかし今作を観たなら、狂気の目指す方向性が違えば、こうも作品は変わってくるのかと驚くしかないだろう。

終盤において物語は二転三転を繰り返し、どんどんどんどん異常な方向へと舵を切っていく。そこで“The Greasy Strangler”は私たちがまだ見ぬ変態の地平へとその身を羽ばたかせるが、それはただ闇雲に変態じゃあああああ俺は変態じゃああああああ!!!!!と騒ぎまくるからではない。上述した通り、変態の祝祭性に惑わされないホスキングの磐石なディレクションがあるからだ。端正な撮影、絶妙な間を生む編集、冷静な距離感、シンプルだからこそ力強い脚本、これらを手堅く収斂させ、しっかりした基盤を作り上げたからこそ、それを踏み台として変態一番星へと辿り着くことが出来るのだ。そしてホスキンスが変態一番星を手につかんだその時、開いた口が塞がらなくなるほどの変態ビックバンがあなたを待っている。

参考文献
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/features/the-greasy-strangler-interview-director-jim-hosking-on-a-ready-made-cult-classic-a7331006.html(監督インタビュー)

ブリテン諸島映画作家たち
その1 Cecile Emeke & "Ackee & Saltfish"/イギリスに住んでいるのは白人男性だけ?
その2 Sally El Hosaini&"My Brother the Devil"/俺の兄貴は、俺の弟は
その3 Carol Morley&"Dreams of a Life"/この温もりの中で安らかに眠れますように
その4 アンドリュー・ヒューム&"Snow in Paradise"/イスラーム、ロンドンに息づく1つの救い
その5 Daniel Wolfe&"Catch Me Daddy"/パパが私を殺しにくる
その6 私が"The Duke of Burgundy"をどれだけ愛しているかについての5000字+α
その7 Harry Macqueen&"Hinterland"/ローラとハーヴェイ、友達以上恋人以上
その8 Clio Barnard&"The Arbor"/私を産めと、頼んだ憶えなんかない
その9 Joanna Coates &"Hide and Seek"/どこかに広がるユートピアについて
その10 Gerard Barrett&"Glassland"/アイルランド、一線を越えたその瞬間
その11 ベン・ウィートリー&"Down Terrace"/自分の嫌いな奴くらい自分でブチ殺せるよ、パパ!
その12 Joe Stephenson&"Chicken"/このトレーラーハウスから飛び立つ時

私の好きな監督・俳優シリーズ
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
その102 Eva Neymann & "Pesn Pesney"/初恋は夢想の緑に取り残されて
その103 Mira Fornay & "Môj pes Killer"/スロバキア、スキンヘッドに差別の刻印
その104 クリスティナ・グロゼヴァ&「ザ・レッスン 女教師の返済」/おかねがないおかねがないおかねがないおかねがない……
その105 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その106 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その107 ディアステム&「フレンチ・ブラッド」/フランスは我らがフランス人のもの
その108 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その109 Sydney Freeland&"Her Story"/女性であること、トランスジェンダーであること
その110 Birgitte Stærmose&"Værelse 304"/交錯する人生、凍てついた孤独
その111 アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して
その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
その115 Aik Karapetian&"The Man in the Orange Jacket"/ラトビア、オレンジ色の階級闘争
その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
その121 Benjamín Naishtat&"Historia del Miedo"/アルゼンチン、世界に連なる恐怖の系譜
その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
その123 Mélanie Delloye&"L'Homme de ma vie"/Alice Prefers to Run
その124 アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて
その125 Juliana Rojas&"Trabalhar Cansa"/ブラジル、経済発展は何を踏みにじっていったのか?
その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
その128 Kerékgyártó Yvonne&"Free Entry"/ハンガリー、彼女たちの友情は永遠!
その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
その132 Salomé Lamas&"Eldorado XXI"/ペルー、黄金郷の光と闇
その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
その134 Marte Vold&"Totem"/ノルウェー、ある結婚の風景
その135 アリス・ウィンクール&「博士と私の危険な関係」/ヒステリー、大いなる悪意の誕生
その136 Luis López Carrasco&"El Futuro"/スペイン、未来は輝きに満ちている
その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
その138 ケリー・ライヒャルト&"River of Grass"/あの高速道路は何処まで続いているのだろう?
その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
その142 Elina Psykou&"The Eternal Return of Antonis Paraskevas"/ギリシャよ、過去の名声にすがるハゲかけのオッサンよ
その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する
その145 Sergio Oksman&"O Futebol"/ブラジル、父と息子とワールドカップと
その146 Virpi Suutari&”Eleganssi”/フィンランド、狩りは紳士の嗜みである
その147 Pedro Peralta&"Ascensão"/ポルトガル、崇高たるは暁の再誕
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その149 イリンカ・カルガレアヌ&「チャック・ノリスVS共産主義」/チャック・ノリスはルーマニアを救う!
その150 Rina Tsou&"Arnie"/台湾、胃液色の明りに満ちた港で
その151 クレベール・メンドーサ・フィーリョ&「ネイバリング・サウンズ」/ブラジル、見えない恐怖が鼓膜を震わす
その152 Tali Shalom Ezer&"Princess"/ママと彼女の愛する人、私と私に似た少年
その153 Katrin Gebbe&"Tore Tanzt"/信仰を盾として悪しきを超克せよ
その154 Chloé Zhao&"Songs My Brothers Taught Me"/私たちも、この国に生きている
その155 Jazmín López&"Leones"/アルゼンチン、魂の群れは緑の聖域をさまよう
その156 Noah Buschel&"Bringing Rain"/米インディー映画界、孤高の禅僧
その157 Noah Buschel&"Neal Cassady"/ビート・ジェネレーションの栄光と挫折
その158 トゥドール・クリスチャン・ジュルギウ&「日本からの贈り物」/父と息子、ルーマニアと日本
その159 Noah Buschel&"The Missing Person"/彼らは9月11日の影に消え
その160 クリスティ・プイウ&"Marfa şi Banii"/ルーマニアの新たなる波、その起源
その161 ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち
その162 Noah Buschel&"Sparrows Dance"/引きこもってるのは気がラクだけれど……
その163 Betzabé García&"Los reyes del pueblo que no existe"/水と恐怖に沈みゆく町で、生きていく
その164 ポン・フェイ&"地下香"/聳え立つビルの群れ、人々は地下に埋もれ
その165 アリス・ウィノクール&「ラスト・ボディガード」/肉体と精神、暴力と幻影
その166 アリアーヌ・ラベド&「フィデリオ、あるいはアリスのオデッセイ」/彼女の心は波にたゆたう
その167 Clément Cogitore&"Ni le ciel ni la terre"/そこは空でもなく、大地でもなく
その168 Maya Kosa&"Rio Corgo"/ポルトガル、老いは全てを奪うとしても
その169 Kiro Russo&"Viejo Calavera"/ボリビア、黒鉄色の絶望の奥へ
その170 Alex Santiago Pérez&"Las vacas con gafas"/プエルトリコ、人生は黄昏から夜へと
その171 Lina Rodríguez&"Mañana a esta hora"/明日の喜び、明日の悲しみ
その172 Eduardo Williams&"Pude ver un puma"/世界の終りに世界の果てへと
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その175 マリアリー・リバス&「ダニエラ 17歳の本能」/イエス様でもありあまる愛は奪えない
その176 Lendita Zeqiraj&"Ballkoni"/コソボ、スーパーマンなんかどこにもいない!
その177 ドミンガ・ソトマヨール&"Mar"/繋がりをズルズルと引きずりながら
その178 Ron Morales&"Graceland"/フィリピン、誰もが灰色に染まる地で
その179 Alessandro Aronadio&"Orecchie"/イタリア、このイヤミなまでに不条理な人生!
その180 Ronny Trocker&"Die Einsiedler"/アルプス、孤独は全てを呑み込んでゆく
その181 Jorge Thielen Armand&"La Soledad"/ベネズエラ、失われた記憶を追い求めて
その182 Sofía Brockenshire&"Una hermana"/あなたがいない、私も消え去りたい
その183 Krzysztof Skonieczny&"Hardkor Disko"/ポーランド、研ぎ澄まされた殺意の神話
その184 ナ・ホンジン&"哭聲"/この地獄で、我が骨と肉を信じよ
その185 ジェシカ・ウッドワース&"King of the Belgians"/ベルギー国王のバルカン半島珍道中
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その187 Alessandro Comodin&"I tempi felici verranno presto"/陽光の中、世界は静かに姿を変える
その188 João Nicolau&"John From"/リスボン、気だるさが夏に魔法をかけていく
その189 アルベルト・セラ&"La Mort de Louis XIV"/死は惨めなり、死は不条理なり
その190 Rachel Lang&"Pour toi je ferai bataille"/アナという名の人生の軌跡
その191 Argyris Papadimitropoulos&"Suntan"/アンタ、ペニスついてんの?まだ勃起すんの?
その192 Sébastien Laudenbach&"La jeune fille sans mains"/昔々の、手のない娘の物語