鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

何物も心の外には存在しない~Interview with Noah Buschel

Noah Buschel&"Bringing Rain"/米インディー映画界、孤高の禅僧 Noah Buschel&"Neal Cassady"/ビート・ジェネレーションの栄光と挫折 Noah Buschel&"The Missing Person"/彼らは9月11日の影に消え Noah Buschel&"Sparrows Dance"/引きこもってるのは気が…

アゼルバイジャン、ある1人の女性~Interview with Tahmina Rafaella

さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…

HuyungとNawi Ismailの間に:モンタージュ~Written by Umi Lestari

想像してみてほしい。あなたは探偵で、最小限の情報を頼りにある依頼の証拠を探している。そして突然、素朴だが重要な証拠を見つける。まあ……これが探偵ごっこというものだ。研究の際、私はいつもこういうことをしている。私たちが触れられるものから周囲の…

彼女の息子によるCristiana Nicolae~Written by Radu Nicolae

いつものようにルーマニア映画について調べていた時、Cristiana Nicolae クリスティアナ・ニコラエを見つけた。彼女は共産主義時代のルーマニアで活躍した数少ない女性監督でありながら、例えばルーマニア映画界のアントニオーニと呼ばれたMalvina Urșianu …

Critics and Filmmakers Poll 2020 in Z-SQUAD!!!!!

去年の今頃、焼酎を飲みながら何かのスロヴェニア映画を観ていた。確かこの国1の巨匠Boštjan Hladnik ボシュチャン・フラドニクの作品だったが、正確にどれだか思い出せない。でもこの時思ったのだ。スロヴェニア映画って全然知らないな、スロヴェニア映画史…

Șamil Əliyev&"Etiraf"/アゼルバイジャン、狭間の歴史

アザド(Elşən Rüstəmov エルシャン・リュスタモフ)は彼の所属していたギャング集団と友人に裏切られ、無実の罪で刑務所へと収監されることになった。数年の後、彼は釈放されながらも怒りが収まることはない。アザドは復讐を果たすために、バクーという都市を…

Həsən Əbluc&"Pəncərə"/アゼルバイジャン、絶望の内の子供たち

主人公のアフサン(İlham Babayev イルハン・ババイェフ)は父親(Valeh Kərimov ヴァレフ・カリモフ)によって"孤児院"と綽名される寄宿舎学校へと入れられることになる。だがここは暴力と悪徳が支配する無法地帯であり、臆病な彼はただただ脅威を耐え忍ぶしか…

Eldar Quliyev&"Burulğan"/カスピ海、荒れ狂う若き心

ムラド(Məmməd Məmmədov マンマド・マンマドフ)、ルスラン(Eldar Tağıyev エルダル・タグイェフ)、ナタ(Eqle Qabrenayte, リトアニア人だがアゼリー語綴り・読みでエグレ・ガブレナイテ)、タマラ(Həmidə Ömərova ハミダ・エマロヴァ)はバクーに生きる順風満…

Hüseyn Mehdiyev&"Süd dişinin ağrısı"/ぼくは生まれるべきじゃなかった

"Süd dişinin ağrısı"("乳歯の痛み", 1987)の主人公はカリム(Pərviz Hüseynov パルヴィズ・ヒュセイノフ)という7歳の少年だ。彼を出産する際に母親が亡くなってしまった故にカリムは深い罪悪感を抱いており、それ故か家に彼女の写真を飾ってまるで女神のよう…

インドネシア映画界の明日~Interview with Umi Lestari

さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…

アゼルバイジャン、軍隊と男性性~Interview with Ruslan Ağazadə

さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…

ハンガリー映画史、彼女たちの極光~Interview with Vincze Teréz

さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…

"Minotaur"~映画作家の思索の迷宮に迷う…… written by Arman Fatić

この鉄腸マガジンは長らくこの私、済藤鉄腸が一人で運営してきた。が、最近世界中に映画批評家の友人たちができるにあたって、彼らから何か記事を執筆してもらえたら面白いのではないかと思いはじめた。そこで募集してみると、彼らからいくつか記事が集まっ…