ルーマニア映画
さて、ルーマニア映画を観るにあたって本当に本当に有り難いのは、様々なルーマニア映画を配信する国公認のYoutubeアカウントCINE PUBが存在していることだ。旧作に新作、短編に長編、劇映画にドキュメンタリーなどなど何でもござれで正直宝の山としか言い様…
アドリアン・シタル&"Pescuit sportiv"/倫理の網に絡め取られて アドリアン・シタル&"Din dragoste cu cele mai bune intentii"/俺の親だって死ぬかもしれないんだ…… アドリアン・シタル監督の略歴と彼の長編についてはこちら参照前、ルーマニアの友人と犬…
人間は生きている限り、老いからは逃れられない。その例外は一切存在していない。しかし殊に、誰かの子供であった私たちは自分の親だけは他の人々と違って、ずっと老いることなく自分たちの傍らにいると思ってしまっていないだろうか。それは悲しいがあり得…
さてさて、ルーマニア映画界である。私は今までLucian PintilieやMircea Daneliucなど映画界に絶大な影響を与えた巨匠たちについてもこのブログで紹介してきた。もちろんこれでは足らなすぎる。他にもDan PițaやMircea Veroiu、 Nicolae Margineanuなどなど…
ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち ラドゥー・ムンテアン&"Boogie"/大人になれない、子供でもいられない ラドゥー・ムンテアン&「不倫期限」/クリスマスの後、繋がりの終り ラドゥー・ムンテアンの略歴…
さて、私は常々ルーマニア映画界の動向を追っている訳であるが、今年のアカデミー外国語映画賞のルーマニア代表には何とブログでも紹介したアドリアン・シタル監督作「フィクサー」が選ばれることになった。記事に詳しいが、倫理観を巡るこの一作は私とルー…
さて「ダラス」である。おそらくアメリカ人ならば誰でも知っている長寿ドラマであり、暴君J.R.を中心としてとある一族の激烈で、時おり滑稽な権力闘争と愛憎模様が描かれる作品だ。この作品は誰が見ても分かる通り資本主義の論理を濃厚に反映した一作である…
ラドゥ・ジュデ&"Cea mai fericită fată din ume"/わたしは世界で一番幸せな少女 Radu Jude&"Toată lumea din familia noastră"/黙って俺に娘を渡しやがれ! Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅 ラドゥ・ジュデの経歴及び今までの長…
現在大隆盛を遂げているルーマニア映画界には、傍目から見れば何の問題もないように見える。だが内部で叫ばれているのは女性監督の圧倒的な不足だ。例えば以前紹介した「テキールの奇跡」ルクサンドラ・ゼニデや、アニメーションと実写を交互に行き交う監督A…
Radu Jude&"Toată lumea din familia noastră"/黙って俺に娘を渡しやがれ! Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅 ラドゥ・ジュデの経歴及び"Aferim!"のレビューはこちら参照。1989年に勃発した血の革命の後、社会主義国家であったルー…
ルーマニアのドナウ川流域には豊かな生態系と風光明媚な景色が広がっており、黒海に面するコンスタンツァは観光都市としても有名である。この地に存在する肥沃な泥は美容にも良いとされ、その恩恵に預かるためここを訪れる人々も少なくない。さて“ルーマニア…
前回、ルチアン・ピンティリエの“Terminus paradis”をレビューしたが(という書き出しから、この記事が大分前に書かれたことを察して欲しい)、その記事の中で今作は20年越しにピンティリエがルーマニアで作り上げたアメリカン・ニューウェーブの末裔的な作品…
この頃ルーマニア映画を多く観ている訳だが、その中に何故か日本についての描写が結構出てくる。ラドゥ・ジュデの監督作“Toată lumea din familia noastră”ではエンディングに「黒猫のタンゴ」日本語版がいきなり流れたり、“Terminus paradis”では主人公が日…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 Lucian…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 Lucian…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 Lucian…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 Lucian…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 Lucian…
最近ソ連のカルトSF「不思議惑星キン・ザ・ザ」が日本でも再上映されるなど、社会主義国が作った変なSFへの人気は今でも根強い。自由が著しく規定されていたからこそ、その抑圧と制約の中で出来上がる作品の数々は西側諸国は勿論のこと、日本などとも全く違…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… Lucian Pintilie&"De ce trag clopotele, Mitică?"/死と生、対話と祝祭 ルチア…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 Lucian Pintilie&"Reconstituirea"/アクション、何で俺を殴ったんだよぉ、アクション、何で俺を…… ルチアン・ピンティリエのデビュー長編および第2長編についてはこちら参照。“Re…
Lucian Pintilie&"Duminică la ora 6"/忌まわしき40年代、来たるべき60年代 ルチアン・ピンティリエのデビュー長編についてはこちら参照。さて、ルチアン・ピンティリエ特集第2弾である。40年代の政治闘争に当時のルーマニアに広がっていた不穏な状況を託し…
さて、このブログでは最近ルーマニア映画史を総覧するような記事を多く書いているが、ちょっと前からルチアン・ピンティリエというルーマニア映画界の大家を紹介している。彼はいわゆる“ルーマニアの新たなる波”の作家たちに多大なる影響を与えているのだが…
20世紀に巻き起こった2つの大戦、その間に横たわるいわゆる戦中期、ルーマニアはバラバラに統治されていたこの国古来の土地を統合するという長年の悲願を達成し、文化や経済など様々な面においてこの世の春を謳歌する。しかしその春は長く続くことはなかった…
今とても幸せだ、今自分の人生はとても充実している、そう言葉で呟いてみた時、それとは真逆の思いが首をもたげてくる時がないだろうか。今幸せじゃない、自分の人生はこんな筈ではなかった、もしあの時別の選択肢を選んでいたら自分はもっと幸せな人生を歩…
Paul Negoescu&"O lună în Thailandă"/今の幸せと、ありえたかもしれない幸せと Paul Negoescuの略歴及び彼のデビュー長編についてはこちら参照コルネリユ・ポルンボユやクリスティ・プイウ、クリスティアン・ムンジウの台頭によってルーマニアが映画界の最…
Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅 ラドゥ・ジュデの経歴及び"Aferim!"のレビューはこちら参照。親と子の関係性という奴は良くも悪くも面倒臭い代物だ。血を分けているという事実が人間の心を変容させて、密接な繋がりを生み出すかと…
”ルーマニアの新たなる波”においてとても重要な要素が倫理だ。チャウシェスク政権下、映画は社会主義のプロパガンダ装置を果たすことを求められており、その職業的な倫理と、ルーマニアではなく本当のルーマニアを描くべきだという個人的な倫理は事あるごと…
クリスティ・プイウ&"Marfa şi Banii"/ルーマニアの新たなる波、その起源 クリスティ・プイウ&「ラザレスク氏の最期」/それは命の終りであり、世界の終りであり クリスティ・プイウの略歴、および長編デビュー作、第2長編についてはこちらの記事参照2005年…
ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち ラドゥー・ムンテアン&"Boogie"/大人になれない、子供でもいられない ラドゥー・ムンテアンの略歴および彼の長編第2作"Hîrtia va fi albastrã"と"Boogie"についてはこ…