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映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

“Film Fatalesが選ぶ、今観るべき女性監督作品リスト”まとめ


最近、英国の映画サイトLittle White Liesが“世界の素晴らしい女性監督50人”という特集を組んだり、2015年は女性監督の手掛けた作品しか観ない!と宣言した評論家Marya E Gates氏が #AYearWithWomen(この運動についてはこちら参照) というタグを立ち上げ積極的に女性監督・彼女たちが手掛けた作品を紹介していくなど、そんな動きが活発になってきている。それに呼応するように、性差別の激しいアメリカ映画界で女性たちが相互に助け合えるようにと立ち上げられたグループ Film Fatalesが、“今観るべき、女性監督が手掛けた映画リスト”というのをBitch Mediaに掲載。リストは“今観るべき最新作”“Film Fataleに影響を与えた作品”と2種類あり、ここでは前者の作品26作品を簡単に紹介していきたいと思う。英語表記の作品は日本未公開作、というかほぼ日本未公開なんですけども、何作か観れたり、今後観れたりとそういうのもあります(予告もつけてるので一緒にどうぞ)

1. ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜 監督アナ・リリー・アミールポアー
フェミニズム・イラニアン・マカロニ・ヴァンパイア・ウェスタンと色んな要素特盛な作品。IndieTokyoが特集ページを作っているので、詳しくはそちらで。

2. 女教師 監督ハンナ・フィデル
このサイトで何度も話題にしているが、この作品、実は米インディー映画界において結構重要な作品である。そんな作品がいわゆるエロ文芸映画的邦題で、実は日本でソフトスルーになっていたのである。内容は教師と生徒の禁断の愛、ストーリーは手垢塗れだがその演出に意味があるというか。

3. Advantageous 監督Jennifer Phang
今年のサンダンス映画祭で話題になった一作。経済危機に見舞われた近未来のアメリカで、懸命に生きるグウェンと彼女の娘ジュールズの姿を描くSFだそうです。

4. Apartment Troubles 監督 ジェス・ウェイクスラー & ジェニファー・プレディガー
ジェシカ・チャステインの親友であるジェス・ウェイクスラーと「女教師」にも出演していた俳優ジェニファー・プレディガーがコンビを組んで手掛けたコメディ映画。アパートを追い出されて大ピンチな女子2人。

5. ハンパな私じゃダメかしら? 監督デジレー・アッカヴァン
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で公開! めでたい! ということであらすじを映画祭公式サイトから抜粋。“シリーンはイラン系一家の自慢の娘で、ブルックリン在住のヒップスターで、意識の高いバイセクシュアル…になろうとするも、すべてがハンパな20代女子。恋人のマキシーンとは別れ、家族にはカムアウトできず、子供向け映画教室の講師業は苦労ばかり。ああ、どうして人生こうなった?”

6. ベル−ある伯爵令嬢の恋− 監督アマ・アサンテ
映画祭で公開後、ソフトスルーに。Amazonなどで配信レンタルもしているので、ぜひ。

7. Beyond the Lights 監督ジーナ・プリンス=バイスウッド「ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム」
主演のググ・バーサ=ローは上記の「ベル−ある伯爵令嬢の恋−」でも主演。以前は「アンダーカバー」「TOUCH/タッチ」などドラマ界で活躍していたが、最近はもっぱら映画界に。今後期待の英国俳優の1人だ。

8. Caught 監督マギー・カイリー
ピッチ・パーフェクト」の堅物ゲロ部長アナ・キャンプが、夫と浮気相手をブチ殺しにかかるホラー映画。ちなみにカイリー監督のデビュー作「ブライテスト・スター/一番眩しい星」は日本でも配信スルーになっていてAmazon, iTunes, Youtubeでレンタル可能です。

9. アビーと秘密の部屋 監督ステイシー・パッソン
2014年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で公開済み。原題はConcussionだったのだが、某ハリー・ポッター的邦題で完全に見逃してしまった……

10. The Diary of a Teenage Girl 監督Marielle Heller
クリステン・ウィグアレクサンダー・スカルスガルド、そして期待の新人俳優Bel Powleyが出演のカミング・オブ・エイジ映画。

11. Honeytrap 監督Rebecca Johnson
ロンドン・ブリクストン、15歳の少女がギャング・カルチャーと関わってゆき……

12. I Believe in Unicon 監督Leah Meyerhoff
Film Fataleの立ち上げ人Leah Meyerhoffが監督したカミング・オブ・エイジもの。若き恋人たちの幻想的な旅路。「サプライズ」「Upstream Color」エイミー・サイメッツや「肉」「エレクトリック・チルドレン」ジュリア・ガーナーも出演。

13. It Felt Like Love 監督Eliza Hittman
昨年、話題になった1作。ある少女が体験する青春の痛みを描く。Marielle Heller, Leah Meyerhoff, そしてEliza HittmanはFilm Fataleの中心人物。

14. Kelly & Cal 監督Jen McGowan
郊外に住む専業主婦ケリー(ジュリエット・ルイス)が、近所のロック好き青年カル(ジョニー・ウェストン)に感化され、再びロックンロールに目覚めていく姿を描いたコメディ。

15. Little Accident 監督Sara Colangelo
"Little Accident" "Every Secret Thing"とインディー映画で主演を張り、一方で監督作「ピッチ・パーフェクト2」を大ヒットさせるなど、全方位において、エリザベス・バンクスは今アメリカ映画界で最も影響力のある女性なのでは。

16. Lucky them 監督ミーガン・グリフィス「エデン」
ミュリエルの結婚トニ・コレット主演、音楽ライターが失踪した伝説的な歌手(そして彼女の元カレ)を探しに右往左往というコメディ。

17. Obvious Child 監督Gillian Robespierre
アメリカには、ブルックリンを舞台にしたラブコメ、という連綿と続くサブ・ジャンルがあって、2014年の最重要作が「ハンパな私じゃダメかしら?」なら、2013年の最重要作はこの"Obvious Child"だろう。中絶というテーマに真正面から挑んだラブコメでもある。

18. Pariah 監督Dee Rees
黒人である、レズビアンである、クリスチャンである、そんなアイデンティティに悩みながらも成長していく少女の姿を描いた作品。bmrというサイトに日本語の詳細レビューあり。

19. グローリー/明日への行進 監督エヴァ・デュヴァネイ
キング牧師のセルマ行進を描いた作品。私もこのブログにレビューを書いたのだが、本当に素晴らしい作品なのでぜひ観てください。

20. She's Lost Control 監督Anja Marquardt
ジョン・ホークス主演の「セッションズ」でも描かれたセックス・セラピー、そんな仕事に携わる主人公がとあるクライアントと出会い……というドラマ作品。

21. Sleeping with Other People 監督レスリーヘドランド
「バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!」の監督が送る最新作。大学時代に恋人同士だったジェイソン・サダイキスアリソン・ブリー、十何年振りに再会したら互いにセックス依存症になっているのを知り……

22. Stray Dog 監督デボラ・グラニック
ウィンターズ・ボーン」の監督最新作はアメリカに生きるバイカーを描いたドキュメンタリー。

23. The Midnight Swim 監督 Sarah Adina Smith
とある湖に魅入られた三姉妹の姿を描くホラー映画。日本未公開作品を多くレビューしてくださっているTinker,Tailor,Soldier,Zombieというサイトに詳細日本語レビューあり。

24. There Is a New World Somewhere 監督 Li Lu
シルヴィアとエステバン、見知らぬ他人同士がただただ南へと向かうロードムービー

25. Vessel 監督 Diana Witten
教授であり、運動家であり、船長でもあるDr.Rebecca Gompertsを描いたドキュメンタリー。

26. ラブ・トライアングル 監督リン・シェルトン
最後の作品は日本でも観られます。今の時点で日本でも観られる貴重なマンブルコア作品の一つでもある。



「ハンパな私じゃダメかしら?」早く観たい。