鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

ジョー・スワンバーグ&"24 Exposures"/テン年代に蘇る90's底抜け猟奇殺人映画

ジョー・スワンバーグ&"Kissing on the Mouth"/私たちの若さはどこへ行くのだろう
ジョー・スワンバーグ&"Nights and Weekends"/さよなら、さよならグレタ・ガーウィグ
ジョー・スワンバーグ&"Alexander the Last"/誰かと生きるのは辛いけど、でも……
ジョー・スワンバーグ&"Silver Bullets"/マンブルコアの重鎮、その全貌を追う!
ジョー・スワンバーグ&"The Zone"/マンブルコア界の変態王頂上決戦
ジョー・スワンバーグ&"Private Settings"/変態ボーイ meets ド変態ガール
ジョー・スワンバーグ&"Marriage Material"/誰かと共に生きていくことのままならさ
ジョー・スワンバーグの作品についてはこちら参照。

90年代前半、1本のサイコスリラーが世界を震撼させた。羊たちの沈黙と名付けられたその作品は偉大なる天才にして狂気の食人鬼ハンニバル・レクター博士を生み出し、1991年度のアカデミー賞をも席巻することとなる。そして今作は映画界に猟奇殺人映画ブームすら巻き起こし、デヴィッド・フィンチャーによる傑作「セブン」シガニー・ウィーバー主演の隠れた逸品コピーキャット、更にはサスペンスの捻れた巨匠ブライアン・デ・パルマが当時の総決算aka.崇高なる自己模倣作品レイジング・ケインなど多数のフォロワー映画が作られることになった。だがその裏では2匹目3匹目のドジョウを狙った名もなきB級C級Z級サイコスリラーが作られては消えていったことは想像に難くない。ジョー・スワンバーが変態の限りを尽くした第2期末、2013年に作り出した"24 Exposures"はその1本として紹介されても違和感がない、だからこそ素晴らしい変態サイコ映画だ。

風にさらさらと揺れる葉の群れたち、カメラはしばらくその震えを映し出した後ゆっくりと動いていく。反射した陽光の白と川の水が湛える群青の色彩が交わり合う中で、葉々を揺らす風によって水面は幾重の波紋を孕む。満ちわたるのは酷く不気味な空気感。カメラは這いずり回るように視線を動かしながら、そして岸辺に辿り着いた瞬間、横わたる肉の塊がふと浮かび上がる。黒ずんだ肌、奇妙に捻り曲がった関節、虚ろな瞳、その肉塊は女性の無惨な全裸死体だ、と思った途端、彼女はひょいと立ち上がりフレーム外へと消え去る。カメラがぐるりと回ると人々に付き添われる彼女の姿、周りにはカメラや照明を持ったスタッフたち……無駄なクレーン撮影で紡がれる不気味で滑稽な長回し、正に今作にうってつけと言うべき最高のこけおどしによって物語は幕を開ける。

この作品の主人公は写真家のビリー(アダム・ウィンガード)、彼はある被写体に異様な執着を持っている。それは死体だ。もちろん本物ではなく、女性モデルに丹念なメイクを施した上で生まれる人工的な屍だが。そんな彼は恋人であるアレックス("Open Five 2" キャロライン・ホワイト)と同棲中で、変態的な趣味を持つ彼とは奇妙にもウマが合うらしい。その日もつつがなく撮影を終えたビリーは新しいモデルのキャリー("The Zone"ソフィア・タカール)と共に家へと帰ってくる。3人は夜通し酒を飲み明かしながら、そのうちアレックスはキャリーと唇を重ね、ビリーも交えた粘っこいセックスに耽り始める。

その頃、町では若い女性モデルばかりを狙った連続殺人が起こっていた。それを追うのはうらぶれた中年刑事マイケル(サイモン・バレット)、しかし彼はそれどころではない精神的な苦境に立たされてもいた。妻には完全に拒絶され別居状態、ストレスから酒に溺れて便器に座り口に拳銃を捩じ込み自殺すら遂げようとする。そんな正気と狂気の間を綱渡りするマイケルは捜査の末、被害者と仕事上の関係があった写真家ビリーの元へと辿り着く。

マンブルコア、というかその亜流で西海岸を中心に超低予算ホラーを作るマンブル"ゴ"アというグループが存在するのだが、その中の重要人物に挙げられる存在にタイ・ウェストがいる。彼は、洋館+悪魔崇拝を掛け合わせた一作"The House of the Devil"(ちなみにグレタ・ガーウィグが脇役で出演)や、一時期妙に流行ったガイアナ人民寺院集団自殺事件がモチーフのカルト宗教ものをPOV形式で語り直した異色作サクラメント 死の楽園」(こっちはスワンバーグが主演)など、70年代〜80年代に流行ったホラージャンルを換骨脱胎し、新たな形で蘇らせる試みを多く行っている。"24 Exposures"もそういった志向の作品ながら、ウェストがもっと上質なホラーの数々にオマージュを捧げる一方で、今作のオマージュの対象は羊たちの沈黙「セブン」というサイコホラーの金字塔ではなく、それらのパクリ作品であるが故に作風やクオリティも全く違ってくる、勿論それは意図的だろうが。

まず話がダサい。死体に執着のある写真家の周りで猟奇的な殺人事件が起こるというプロットの時点で、何かこういうの、変なジャケットのVHSの裏側に書いてある粗筋で読んだことあるって感じだが、ビリーが死体写真を撮影するのと重なって死体が発見されるという編集の"ミスリードですよ!これはミスリードですよ!!!"な全力を懸けた思わせ振りっぷりにはもうゾクゾクしてくる。そしてJasper Leeによるピコピコ音楽は何かこういうのタンジェリン・ドリームをパクった楽曲を更にパクったような安い響きが炸裂しており、何かこういうのマイケル・マンに憧れたC級刑事映画が流してたよなぁって甘酸っぱい気持ちにさせられる。

そしてこういったゴミ映画は要素要素が貧弱でそれだけでは客を釣れないことは自覚している故に、得てして無駄なエロ要素をブチ込みまくるが"24 Exposures"はそれも完全再現、というかそれ以上にエロを入れる。登場する女性キャラは例外なく全裸になり、セックスしまくる。まあこれはデビュー作から一貫するスワンバーグの作家性とも言えるが、しかし今回はいつも全開だった男性陣のぺニスなどは極力排して、オマージュ元を尊重しストイックに女性陣のヌードのみを映すという意味ではスワンバーグ作品でも異色と言えるかもしれない(それくらいスワンバーグは自分の映画でチンコを出す)

キャスト陣はこのブログの読者には全くお馴染みの面々である。アレックス役のキャロライン・ホワイトは恋人ケンタッカー・オードリーと共に2012年の"Marriage Material"(この紹介記事を読んでね)に出演済み、更にキャリー役のソフィア・タカールは2011年の"The Zone"や2012年の"All the Light in the Sky"に出演済み、前者ではその変態性を遺憾なく発揮し、今回もやはり期待通りの変態性を見せてくれる。だが注目すべきなのはメインキャラのビリーとマイケルを演じるアダム・ウィンガードサイモン・バレットの存在だ。この2人はホラー好きには注目の新鋭として既に有名だが、彼らは映画監督/脚本家としてタッグを組み「サプライズ」「ザ・ゲスト」などで80年代ホラーの復古を果たそうとする意欲的な映画作家たちなのである(云わばウェストと同じ志を持った作家で、ウェストは「サプライズ」に出演も果たしているしスワンバーグも共演)そんな彼らが90年代猟奇殺人映画のリバイバル的作品に揃って主演を担っている訳で、その事実だけでも個人的にはグッと来てしまう訳で。

そんな2人がバーである会話を繰り広げる。
「何でお前は死体の写真ばかり撮るんだ?」
「皆と同じように植物と鳥の写真を撮るなんて馬鹿馬鹿しいからだよ」
「じゃあ何で女性の死体ばかり撮る?男じゃ駄目なのか?」
「それは違うが、何というか……俺は自分の撮りたい物だけを撮っているだけなんだ」
これはウィンガードらの決意表明のようにも響く。俺たちは人を精神的にいたぶって挙げ句の果てにブチ殺す不愉快な映画ばかり作ってるけど、俺たちはただ俺たちの作りたい映画を作ってるだけなんだよ、ほっとけや!

そして"24 Exposures"は喜ばしいくらいチープな方向へと舵を切っていく。キャリーの友人で恋人からDVを受けているレベッカ(「V/H/Sシンドローム」ヘレン・ロジャース)を交え愛憎と嫉妬に爛れた四角関係が勃発し、殺人鬼が誰だかという謎解きは別にどうでも良くなってくる中で、既に殺人鬼よりも精神状態が危ないマイケルが完全に狂気に堕ちないか心配になり始め、もう展開がとっちらかりまくる。その末に明かされる謎も何かどうでもいい感じだし、思わせ振りなエピローグも超何か……何か!!!って感じだ。でもVHSバブル時代こんな締まりもクソもない映画いっぱい観てこなかった?こなかった?という据えた臭いを放つ懐かしみが心の奥から湧き上がってくる。"24 Exposures"はブームの裏側に堆く積み上がるクソったれ山に頭を突っ込む時感じる、あの背徳的な悦びが濃厚に滲む一作なのだ。そしてスワンバーグはこれを期に変態を卒業、アナ・ケンドリックオリヴィア・ワイルドなど有名俳優を起用し映画を製作する第3期へと進化を遂げることとなる。

結局マンブルコアって何だったんだ?
その1 アーロン・カッツ&"Dance Party, USA"/レイプカルチャー、USA
その2 ライ・ルッソ=ヤング&"You Wont Miss Me"/23歳の記憶は万華鏡のように
その3 アーロン・カッツ&"Quiet City"/つかの間、オレンジ色のときめきを
その4 ジョー・スワンバーグ&"Silver Bullets"/マンブルコアの重鎮、その全貌を追う!
その5 ケイト・リン・シャイル&"Empire Builder"/米インディー界、後ろ向きの女王
その6 ジョー・スワンバーグ&"Kissing on the Mouth"/私たちの若さはどこへ行くのだろう
その7 ジョー・スワンバーグ&"Marriage Material"/誰かと共に生きていくことのままならさ
その8 ジョー・スワンバーグ&"Nights and Weekends"/さよなら、さよならグレタ・ガーウィグ
その9 ジョー・スワンバーグ&"Alexander the Last"/誰かと生きるのは辛いけど、でも……
その10 ジョー・スワンバーグ&"The Zone"/マンブルコア界の変態王頂上決戦
その11 ジョー・スワンバーグ&"Private Settings"/変態ボーイ meets ド変態ガール
その12 アンドリュー・ブジャルスキー&"Funny Ha Ha"/マンブルコアって、まあ……何かこんなん、うん、だよね
その13 アンドリュー・ブジャルスキー&"Mutual Appreciation"/そしてマンブルコアが幕を開ける
その14 ケンタッカー・オードリー&"Team Picture"/口ごもる若き世代の逃避と不安
その15 アンドリュー・ブジャルスキー&"Beeswax"/次に俺の作品をマンブルコアって言ったらブチ殺すぞ
その16 エイミー・サイメッツ&"Sun Don't Shine"/私はただ人魚のように泳いでいたいだけ
その17 ケンタッカー・オードリー&"Open Five"/メンフィス、アイ・ラブ・ユー
その18 ケンタッカー・オードリー&"Open Five 2"/才能のない奴はインディー映画作るの止めろ!
その19 デュプラス兄弟&"The Puffy Chair"/ボロボロのソファー、ボロボロの3人
その20 マーサ・スティーブンス&"Pilgrim Song"/中年ダメ男は自分探しに山を行く
その21 デュプラス兄弟&"Baghead"/山小屋ホラーで愛憎すったもんだ

私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
その80 Laura Amelia Guzmán&"Dólares de arena"/ドミニカ、あなたは私の輝きだったから
その81 彭三源&"失孤"/見捨てられたなんて、言わないでくれ
その82 アナ・ミュイラート&"Que Horas Ela Volta?"/ブラジル、母と娘と大きなプールと
その83 アイダ・ベジッチ&"Djeca"/内戦の深き傷、イスラムの静かな誇り
その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
その85 Hari Sama & "El Sueño de Lu"/ママはずっと、あなたのママでいるから
その86 チャイタニヤ・タームハーネー&「裁き」/裁判は続く、そして日常も続く
その87 マヤ・ミロス&「思春期」/Girl in The Hell
その88 Kivu Ruhorahoza & "Matière Grise"/ルワンダ、ゴキブリたちと虐殺の記憶
その89 ソフィー・ショウケンス&「Unbalance-アンバランス-」/ベルギー、心の奥に眠る父
その90 Pia Marais & "Die Unerzogenen"/パパもクソ、ママもクソ、マジで人生全部クソ
その91 Amelia Umuhire & "Polyglot"/ベルリン、それぞれの声が響く場所
その92 Zeresenay Mehari & "Difret"/エチオピア、私は自分の足で歩いていきたい
その93 Mariana Rondón & "Pelo Malo"/ぼくのクセっ毛、男らしくないから嫌いだ
その94 Yulene Olaizola & "Paraísos Artificiales"/引き伸ばされた時間は永遠の如く
その95 ジョエル・エドガートン&"The Gift"/お前が過去を忘れても、過去はお前を忘れはしない
その96 Corneliu Porumboiu & "A fost sau n-a fost?"/1989年12月22日、あなたは何をしていた?
その97 アンジェリーナ・マッカローネ&"The Look"/ランプリング on ランプリング
その98 Anna Melikyan & "Rusalka"/人生、おとぎ話みたいには行かない
その99 Ignas Jonynas & "Lošėjas"/リトアニア、金は命よりも重い
その100 Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
その102 Eva Neymann & "Pesn Pesney"/初恋は夢想の緑に取り残されて
その103 Mira Fornay & "Môj pes Killer"/スロバキア、スキンヘッドに差別の刻印
その104 クリスティナ・グロゼヴァ&「ザ・レッスン 女教師の返済」/おかねがないおかねがないおかねがないおかねがない……
その105 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その106 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その107 ディアステム&「フレンチ・ブラッド」/フランスは我らがフランス人のもの
その108 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その109 Sydney Freeland&"Her Story"/女性であること、トランスジェンダーであること
その110 Birgitte Stærmose&"Værelse 304"/交錯する人生、凍てついた孤独
その111 アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して
その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
その115 Aik Karapetian&"The Man in the Orange Jacket"/ラトビア、オレンジ色の階級闘争
その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
その121 Benjamín Naishtat&"Historia del Miedo"/アルゼンチン、世界に連なる恐怖の系譜
その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
その123 Mélanie Delloye&"L'Homme de ma vie"/Alice Prefers to Run
その124 アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて
その125 Juliana Rojas&"Trabalhar Cansa"/ブラジル、経済発展は何を踏みにじっていったのか?
その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
その128 Kerékgyártó Yvonne&"Free Entry"/ハンガリー、彼女たちの友情は永遠!
その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
その132 Salomé Lamas&"Eldorado XXI"/ペルー、黄金郷の光と闇
その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
その134 Marte Vold&"Totem"/ノルウェー、ある結婚の風景
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その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
その138 ケリー・ライヒャルト&"River of Grass"/あの高速道路は何処まで続いているのだろう?
その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
その142 Elina Psykou&"The Eternal Return of Antonis Paraskevas"/ギリシャよ、過去の名声にすがるハゲかけのオッサンよ
その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する
その145 Sergio Oksman&"O Futebol"/ブラジル、父と息子とワールドカップと
その146 Virpi Suutari&”Eleganssi”/フィンランド、狩りは紳士の嗜みである