鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

ジョージア映画

Davit Pirtskhalava&"Sashleli"/ジョージア、現実を映す詩情

さて、前に2020年代、期待の新鋭映画監督100!という記事を執筆した。この記事は未だ短編しか撮っていない、いわば未来の巨匠を特集した記事であり、これを書くために100本を優に越える短編を鑑賞した。そのうちに私は短編を観るのが好きになってしまった。…

Tamar Shavgulidze&"Comets"/この大地で、私たちは再び愛しあう

昔から女性を愛し、女性に愛されてきた、いわゆるレズビアンという人々がいた。しかし彼女たちの愛と人生は平坦なものではあり得なかった。社会の同性愛者への不理解や偏見に晒され、そして個人的な苦悩にも苦しめられ、愛する者と別たれてきた人々も多いだ…

Dmitry Mamulia&"The Criminal Man"/ジョージア、人を殺すということ

ジョージア映画は歴史を鑑みると絵画的な素養が根底にある作品が多かったように思われる。実在の画家の伝記映画である「放浪の画家ピロスマニ」に始まり、テンギズ・アブラゼの「祈り」、最近公開された作品でもザザ・ハルバシ監督の「聖なる泉の少女」は絵…

Salomé Jashi&"The Dazzling Light of Sunset"/ジョージア、ささやかな日常は世界を映す

たまに地方都市へと旅行に行く時、旅館の部屋でテレビなんか見ていると、何ともローカルとしか言い様がない平和でのどかなニュースが流れてくることがある。東京では殺人だとか詐欺だとかそういう不穏なニュースばかり流れてくるのになぁと、微笑みが自然と…

Ana Urushadze&"Scary Mother"/ジョージア、とある怪物の肖像

さてジョージア映画である。最近話題となっているのが、このブログでも紹介したナナ・エクチミシヴィリ(ブログ記事読んでね)による第2長編"My Happy Family"だ。3世代同居で家族の些事に負われ続ける女性が、一人で生きることを決意したことから巻き起こる悲…

ナナ・エクチミシヴィリ&「花咲くころ」/ジョージア、友情を引き裂くもの

日本政府が正式に“グルジア”という国名呼称を“ジョージア”に変更、そんなニュースがあったのを覚えている方は多いと思う。何でも“グルジア”はロシア語外来の国名であるのだが、しかしソビエト連邦が崩壊し国が独立した後も、2008年にはロシアとの間で南オセ…