鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

セルビア映画

極私的ユーゴスラビア映画50選!

Twitterで"ユーゴスラビア映画とかになると、もう何を見ていいかわからないな"という呟きを見かけた。映画批評家がそう途方に暮れるくらいなのだから、普通の映画好きはもう何が何だかという感じだろう。なので1つくらいユーゴスラビア映画を観るための指針…

セルビア、湖に映る人生~Interview with Ivan Milosavljević

さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…

"Otac"~南東ヨーロッパの哀しみをめぐるリアルな肖像画 written by Arman Fatić

この鉄腸マガジンは長らくこの私、済藤鉄腸が一人で運営してきた。が、最近世界中に映画批評家の友人たちができるにあたって、彼らから何か記事を執筆してもらえたら面白いのではないかと思いはじめた。そこで募集してみると、彼らからいくつか記事が集まっ…

Marko Đorđević&"Moj jutarnji smeh"/理解されえぬ心の彷徨

いわゆる"コミュ障"という言葉が日本語にはある。内に引きこもるばかりで他者との交流の仕方を知らず、孤独をこじらせていく悪循環に陥る人々のことだ。日本ではこの言葉がカジュアルに使われているが、実際問題この障害によって実生活に悪影響が及んでいる…

Ivana Mladenović&"Ivana cea groaznică"/サイテー女イヴァナがゆく!

ルーマニアが現在映画界の頂点にあるのは世界的に常識である。そんな場所に映画を学びに若い才能が来ないはずがないだろう。特に東欧、隣国のモルドバやハンガリーなどから移住してくる若者が多い。今回はそんな才能の中でもトップを行くだろうルーマニアの…

Ognjen Glavonić&"Dubina dva"/トラックの棺、肉体に埋まる銃弾

ユーゴスラビア紛争、そう遠い過去のことではない血塗られた歴史。この時期には数えきれないほどの悲劇がバルカン半島の至る所で繰り広げられていた。その遺恨は今にも引き継がれ解決することはなく、傷が癒えることもなければ、それどころか未だに語られて…

ミリャナ・カラノヴィッチ&"Dobra žena"/セルビア、老いていくこの体を抱きしめる

あの血塗られたユーゴスラビア紛争から約20年もの歳月が経ちながら、未だにその傷は癒えることがなく、人々の心に深く残り続けている。そしてユーゴスラビアの映画作家たちは様々な形でその傷を作品の中で描き続けている。アイダ・ベジッチの"Djeca"は未だ紛…

パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 〜秘密と嘘〜」/SNSの時代に憑りつく幽霊について

人を愛するという行為には喜びや快感と共に、不安や独占欲がつきものであり、ある意味ではそちらの方が強烈な感情をであるかもしれない。これらは「スター・ウォーズ」のダークサイドさながら、歴史の中で様々に姿を変えて人々を恐慌に陥れてきた。今はどう…

マヤ・ミロス&「思春期」/Girl in The Hell

私はTwitterでもこのブログでも主張し続けているのだが、レンタルビデオ店の文芸エロ映画棚にはお宝が眠っている。いや、こう言い換えた方が良いかもしれない、エロ文芸映画界には劇場では伺い知れないもう1つの映画史が広がっているのだ。ということで私の…

Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ

日本における旧ユーゴ圏のイメージはやはり90年代に繰り広げられた内戦を中心とした物が多いだろう。先日ブログで取り上げた、ボスニア・ヘルツェゴビナの映画監督アイダ・ベジッチの作品"Djeca"(この記事を読んでね)は内戦の傷が色濃いサラエボで懸命に生き…