2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
さて中国のインディー映画である。去年最も話題になった作品といえばビーガン(畢贛)監督の「凱里ブルース」だろう。ロカルノ国際映画祭新人監督賞を受賞するなど話題の作品、とか言いながら私は観れていない。でも物語途中に現れる驚異の40分長回しの話題が…
クズを描いた映画は枚挙に暇がない、その一方で最後までクズがクズのままでいる映画というのは意外と少ない。そんな中で印象に残っている映画がレスリー・ヘッドランドの「バチェロレッテ〜あの娘が結婚するなんて!」だ。今まで見下していたデブの友人が自…
いわゆる"自警もの"と呼ばれる作品がある。犯罪者が野放しになっている現状に義憤を抱き、一般の市民が自ら武器を手にとり暴力に染まっていく様を描いた作品の総称で、例えばジョー・ドン・ベイカー扮する元レスラーの保安官が街の腐敗に立ち向かう「ウォー…
2015年から2016年にかけて、何故だか日本でハンガリー映画が連続で公開されることとなった。11月にはカンヌ映画祭ある視点部門でグランプリを獲得したコーネル・ムンドルッツォの「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」が、12月にはキテレツ日本描写が話題と…
この前、リンカーン・センターで"American Friends"という特集が行われた。この特集は、世界を股にかけ活躍する4人のアメリカ人監督Gabriel Abrantes, Daniel Schmidt, Benjamin Crotty, Alexander Carverの作品を上映するもので、彼らが共同で作り上げた短…
ベン・ウィートリー、この名前にピンとくる方は筋金入りのカルト映画好き、そんな時期もあった。ブリテン諸島から突如現れた異形の作品「キル・リスト」でその名を轟かせ、日本においても(変なジャケットで)DVDスルーになった際余りのヤバさで話題になった。…
「ベルフラワー」という作品がある。今作は「マッドマックス2」のヒューマンガスに憧れるボンクラ2人の姿を凄まじい熱気で以て描いた作品で、全編に満ちるミソジニー(女性嫌悪)など問題がないこともないのだが、主人公たちの切実な友情の光景には心ブチ抜か…
映画において電子音楽は何を担ってきたのか。ダリオ・アルジェント作品ではゴブリンが奏でる冷たい響きは美しき恐怖を更に崇高なものとしてくれたし、タンジェリン・ドリームはマイケル・マンやウィリアム・フリードキン作品に一種崇高なスリルを宿していっ…
ゼロ年代ブラジル映画界を席巻したのは苛烈なる暴力の嵐だった。スラム街に蔓延る凄まじいまでの暴力を忌憚なく描き出したフェルナンド・メイレレス「シティ・オブ・ゴッド」そして実在するブラジル特殊部隊BOPEを中心に据え激烈な狂気と暴力の構図を描き出…
アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて アマ・エスカランテ監督の略歴、及び第2長編「よそ者」についてはこの記事を参照物語の主人公は題名にもなっている17歳の青年エリ(Armando Espitia)、彼は近くの自動車工場で働きなが…
アマ・エスカランテ Amat Escalanteは1979年2月28日、スペインのバルセロナに生まれた。母はアメリカ人、父はメキシコ人の画家、彼はメキシコからアメリカへと密輸入してきた不法移民でその滞在先で2人は出逢ったのだという。小さな頃はメキシコ・グアナフア…
私はChloé Robichaud監督の"Sarah Prefers to Run"という映画がものすごく好きだ(レビューはこちら)。走ることだけに青春を懸けている少女が自身のセクシュアリティと向き合わざるを得なくなるというカナダ映画で、数ある現代カナダ映画を観てきたがマジでそ…
何度か私はこのブログで配信サイトMUBIについて話している。このサイトは日本では観るのが難しい映画を鑑賞できる意味で本当に最高でマジみんな入りなよ、月額600円だよ!って感じだが、Twitterなどでは旧作が観れるのが有難いって声ばかりで、ここでしか観…