鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

鉄腸野郎と昔の未公開映画を観てみよう!

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蔡元元&“大辮子的誘惑”/マカオ、中国とポルトガルが交わる場所

さて、マカオである。この地は中国においては香港のように特別行政区として扱われているが、1999年まではポルトガルの統治下にあった。明朝時代の1557年に商人が入植してから約400年以上の長きに渡ってポルトガルによって統治されており、ゆえにマカオにはポ…

Luis Armando Roche&“El cine soy yo”/ベネズエラ、生きるってこと自体が映画なのさ

さて、ベネズエラである。2026年1月現在、アメリカによるベネズエラ侵攻とニコラス・マドゥロ大統領の拘束が日本でも報道されており、様々な場所でこの事件やこれが引き起こす世界情勢への影響についてが議論されている。私は正直ここについて語る言葉を持っ…

Román Chalbaud&"La oveja negra"/ベネズエラ、熱狂と狂騒のメロドラマ

今作の舞台はベネズエラの首都カラカス、この都市の片隅に建てられていた古い映画館である。もうとっくのとうに作品など上映されなくなったこの廃墟を、しかし根城とする人々がいた。彼らは犯罪者やホームレスなど寄る辺を持たない者たちであり、リーダーで…

Aleksander Hertz&“Bestia”/ポーラ・ネグリ、ポーランドの愛の野獣

さて、ポーラ・ネグリである。言わずと知れたサイレント映画時代のスターであり、ヨーロッパを股にかけ活躍するとともに欧州出身で初めてハリウッドに招かれた女優としても名高い。チャップリンやルドルフ・ヴァレンティノと浮名を流したのを知っている方も…

Noémia Delgado&“A Princesinha das Rosas”/ポルトガル映画史に埋もれた秘宝たち

テレビ映画というのは得てしてナメられる。低予算で低質、規制がキツくて描写もテーマも穏当なものばかり。そういった固定観念(まあ、ある程度は当たってもいるが……)に加え、映画にとってテレビは自分たちの客を奪った敵であり、そんな敵であるテレビ局が主…

Hamo Beknazarian&“Vulkan üzərində ev”/アゼルバイジャン、民衆たちの怒りを聞け!

さて、今度の11月22日にまた東欧映画スペースをやるのだが、今回は東欧のサイレント映画特集をやる予定だ。前にアルメニア映画特集をした際に、アルメニアで初めて長編映画を作った巨匠Hamo Beknazarian(アルメニア語表記:Համո Բեկնազարյան)監督についてあ…

Hugh A. Robertson&“Bim”/トリニダード・トバゴ、その闘争と対立

さて、トリニダード・トバゴである。カリブ海の小アンティル諸島南部に位置する国だが、住民の数はアフリカ系と、そしてインド系がしている。西アフリカから奴隷として連れてこられ、インドから年季労働者が入って開拓されてできたこの国では2つの民族が共生…

Eduard Rejepow&“Tentek”/トルクメニスタン、白い犬とともに生きる

さて、トルクメニスタンである。中央アジアの北朝鮮と呼ばれる独裁国家であり、最近では万博の展示も話題になっていた。パビリオン内に入ると真正面に独裁者であるセルダル・ベルディムハメドフ大統領の肖像画が飾られているとか何とか。この国に関してだが…

Egbert Adjesu&“I Told You So”/ガーナよ、だから言ったのに!

さて、ガーナである。西アフリカの一国で、日本において“ガーナ”と聞いて思い浮かぶのはやはり明治のガーナチョコレートだろう。実際原材料がこの国のカカオ豆であり、これが名前の由来ともなっているらしい。ちなみにカカオ豆の生産量は隣国コートジボワー…

Vittorio Cottafavi&“Maria zef”/ああ壮絶なる、フリウリ残酷物語

さて、フリウリ語である。イタリア北東部のスロベニア、オーストリアといった国々と国境を接するフリウリ地方で話されている言語であり、ロマンス語派のレト・ロマンス語群に属している。以前に紹介したロマンシュ語ときょうだいであり、約80万人の話者がい…

Willem Hielkema&“Kar út twa”/フリースラント、フリジア語、そしてサイレント映画

youtu.beさて皆さんは、オランダにオランダ語以外の公用語があるのをご存知だろうか。言っておくが、英語ではない。オランダ語と英語はかなり似通っていてオランダ人は皆喋れるみたいなことはよく聞くが、英語ではない。実はオランダのフリースラント州には…

Murad Mazayev&“Marsho”/チェチェン、この国の自由のために

さて、チェチェン共和国である。ロシア連邦構成国の1つであり、北カフカース地方の北東部に位置している。この国の大多数を占めるチェチェン人はイスラム教スンナ派を信仰し、カフカス諸語の中でもナフ語派に属するチェチェン語を話すなどロシア人とは全く違…

Merata Mita&“Mauri”/白人たち、そしてマオリたち

さて、マオリである。ニュージーランドなどに住むオセアニアの先住民であるが、マオリの映画監督で最も有名なのはタイカ・ワイティティだろう。ハリウッドに進出しMARVELにも参加したりしているが、定期的に自身のルーツに根差した作品も作り続けている。そ…

Albert Toro&“Tukana - husat i asua”/どんな国かな、パプアニューギニア

さて、パプアニューギニアである。太平洋南西部に位置する大小600もの島々で構成される国であるが、映画に関しては今年初めてアカデミー賞国際長編映画賞に作品を提出したというのがニュースになっていた(Bijukumar Damodaran監督の“Papa Buka”という作品、…

Aida Begić&“Snijeg”/ボスニア、希望は舞い散る雪のように

razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.com 監督のプロフィール及び第2長編“Djeca”についてはこちらの記事を参照戦争時には健康な成人男性が兵士として戦地に送られてしまい、男性の人口が激減してしまうという現象が存在している。これによって産業構造が著し…

Kameran Hosni&“Saeed Effendi”/イラク、ご近所付き合いはつらいよ

さて、イラクである。イラクで映画といえば一般にはイラク戦争をめぐる数々のアメリカ映画か、もしくは映画好きにはバフマン・ゴバディやモハメド・アルダラジーの作品群が思い浮かぶだろう。だが近年レストアとカンヌ国際映画祭での上映を経て再評価著しい…

Mike Alexander&“As an eilean”/スコットランド、言語は魂を導いていく

さて、スコットランド・ゲール語である。これはスコットランドで話されるケルト系言語の1つであり、話者数は数万人ほどであり2020年の時点で今後10年で失われる危険があるとの発表も成されている。こういった少数言語においてはやはりこれで作られた映画も少…

Nizamettin Ariç&“Klamek ji bo Beko”/私たちの故郷、クルディスタン

さて、クルディスタンである。トルコ東部、イラク北部、イラン西部、シリア北部とアルメニアの一部分にまで広がる中東北部の地域である。ここにはペルシャ語系のクルド語を母語とする民族のクルド人たちが住んでいる。だがクルディスタンは未だに国としては…

Dino Simonett&“La rusna pearsa”/ロマンシュ語、その文化と生き方と

さて、ロマンシュ語である。これはスイスで公用語として話されるロマンス語の一種であり、話者4万人前後しかいないという少数言語だ。こういう言語は得てして全編その言語で作られた作品が少ないか、作られてもつい最近なことが多いが、正にロマンシュ語もそ…

Lorenzo Llobet Gràcia&"Vida en sombras"/スペイン、閉じられる円環

1948年制作のスペイン映画“Vida en sombras”の主人公カルロス(Fernando Fernán Gómez)が生まれた場所は、映画館である。母親がそこで映画を観ている間に産気づき、そうしてカルロスは産声をあげたんだった。彼が映画に魅入られることはもはや運命だったと言…

Chano Piñeiro&“Sempre Xonxa”/ガリシア、去るものと残されるもの

さて、ガリシアである。この地域は、いや本当は国として扱うべきではあるが、スペインの中でも貧しい地域であり、多くの人がよりよい未来を求めて他のヨーロッパ諸国やアメリカ、ラテンアメリカへと移住してきた状況が存在している。今回紹介するChano Piñei…

Sandra Eleta&“El imperio nos visita nuevamente”/パナマ、帝国が今再び

中米の1国パナマは、パナマ運河の使用権を持つアメリカの実質的支配下にあり続けていた。それに対して1983年から軍事政権のトップについたパナマ軍最高司令官マヌエル・ノリエガは反米的姿勢をとり、アメリカはこれに加えて麻薬の不正浄化などを目的に掲げ、…

Carlos Saguier&“El pueblo”/パラグアイ、今に残るその生き様

さて、パラグアイである。この南米の小国、ブラジルやチリなど周りの国がそうであったように軍事独裁政権が続いた時間が長く、1954年から1989年の長きに渡って大統領であるアルフレド・ストロエスネルの支配が続いていた。この期間は反体制派に対する弾圧は…

Leyla Assaf Tengroth&"Frihetsligan"/レバノン、少女たちの現実

シェイハ(Carol Abboud)は貧困にあえぐ家庭に生まれ、ベイルートの片隅でスリなどの犯罪に手を染めながら何とか暮らしている状態だ。家に帰っても強権的な父親に虐待される時間が続き、心の休まる時間が存在しない。とうとうシェイハは弟のアフメドと一緒に…

Andreas Pantzis&“I sfagi tou kokora”/キプロス、その血塗られた業

友人関係にある男2人エヴァゴラス(Georges Corraface)とオニシロス(Dimitris Vellios)は、ナイトクラブ兼娼館を経営する日々を送っている。ある日彼らのもとに旧知のアメリカ人男性がやってくるのだが、彼は1本のセックス動画を手にしており、これをネタに男…

Otto Rosing&“Nuummioq”/僕の故郷、グリーンランド

さてグリーンランドである。ここでは古くから映画作られていはしたが、言ってみれば宗主国であるデンマーク資本、ひいてはデンマーク人監督による作品が主だっていた。長編に関しては、そんな中でグリーンランド舞台でこの国固有のグリーンランド語を使用し…

Muhamad ’Ali al-Farjani&“Al-Shazia”/リビア、我らが生きるこの大地で

さて、リビアである。イタリアによる植民地支配、第二次世界大戦による荒廃、英仏の共同統治領から独立、カッザーフィー独裁政権、長きに渡る内戦……その現代史は波乱に満ちたものであり、ここにおいて映画産業はほとんど発展することなく今に至っている。だ…

Ruy Duarte de Carvalho&“Nelisita”/今始まる、アンゴラVS資本主義

さて、アンゴラである。アフリカにおけるポルトガルの元植民地国でモザンビークとギニアビサウ、カーボベルデの映画は以前にも鉄腸ブログで紹介してきたが、もう一国であるアンゴラを取りあげるのは実は初である。何故に紹介しなかったかと言えば、アンゴラ…

Raymond Rajaonarivelo&“Tabataba”/マダガスカル、奪いつくされ踏みにじられ

舞台は1947年のマダガスカル、独立を目指して宗主国フランスへの反乱が活発化していた時代だ。この国の南部では特に反乱が激化していたのであるが、主人公であるソロ(François Botozandry)はそこに位置する村に暮らしていた。ここでも反乱の機運が高まってお…

Lopes Barbosa&“Deixem-me ao Menos Subir às Palmeiras”/モザンビーク、大地へ還る者たちに捧ぐ

さて、モザンビークである。インド洋沿いに位置する東アフリカの一国がこの国だが、ポルトガルに植民地支配され、1975年に独立後も十数年に渡る内戦で荒れに荒れる状況が続いていた。終結後は経済も少しずつ発展していってるが、未だに安定はしていない。そ…