2015-01-01から1年間の記事一覧
1. The Fits / Anna Rose Holmer 2. The Gift /ジョエル・エドガートン & 「ありふれた話」/アノーチャ・スイッチャゴーンポン 3. The Duke of Burgundy /ピーター・ストリックランド 4. Mouton / Marianne Pistone & Gilles Deroo 5. Queen of Earth / アレ…
それは12年前のこと、ある所にジェイクとレイニーという名前の大学生がいました。2人にはあるコンプレックスがありました、それは1回もセックスをしたことがないことです。しかし何の因果か1人の童貞と1人の処女は大学寮で運命的な出会いを果たし、寮の屋上…
まず、まずだ、このブログを何故始めたのかをここに書きたい。始まりは、海外サイト読み漁るうち、何か映画界の最前線で評価されている作品や監督について、海外と日本だと情報量に決定的な差があるなって思った所だった、日本語で読める情報が余りに少ない…
10. Sister Rosetta Tharpe - Didn't It Rain "Felix et Meira"から。ハシディズムの抑圧から逃れたい主人公にとって彼女が高らかに歌い上げるゴスペルこそが解放の象徴と。記事→Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で9. Can - Vitam…
ということで、ルーマニア映画である。現在映画界のトップをひた走る国が何処かと聞かれたら、私は真っ先にルーマニアだろ!と答えるくらいルーマニア映画は好きなのだが、いかんせんルーマニア映画は観る機会が全くなくて、かと言ってクリスティアン・ムン…
さて、今回紹介するのはおそらく今まで紹介してきた人物の中で最も知名度の高い人物だろう。彼の名前はジョエル・エドガートン、デヴィッド・ミショッド監督作「アニマル・キングダム」のベン・メンデルソーンの親友役や「華麗なるギャツビー」の口髭がメタ…
12月末日、米インディー界の鬼才サフディ兄弟の最新作「神様なんてクソくらえ」が公開される。今作はドラッグ中毒に陥った少女の絶望的な愛を描き出した作品なのだが、ドラッグ中毒を描いた作品にはこれに限らずアグレッシブな作品が多い。まあ、そりゃドラ…
自分の髪について、あなたは何か悩みを抱いたことはあるだろうか。私は髪が黒々しく剛毛すぎて、美容院の人に冗談めかしてだが、固い固すぎると嫌みを言われた覚えがある。他の人も髪が薄いだとかクセっ毛すぎるとか、とにかく様々な悩みを抱えている人もき…
さて、エチオピアである、あなたはエチオピアについてどのくらい知っているだろうか。私はアフリカ大陸にあるということしか分からなかった、いや本当に。調べると何かエチオピアはエチオピア暦という独自の暦法が採用されており、1年が13ヶ月もあるらしい。…
もしあなたが近い将来映画界で光輝く才能を発掘したいというなら、一番の近道はYoutubeやVimeoで配信されているWebシリーズを片っ端から見まくることだ。無料配信ですぐ観れるからだとか、連作短編だから見易いだとか、何処に行かずともパソコンの前で世界中…
いわゆるカミング・オブ・エイジ映画の中でも、思春期の少女を主人公にした作品で今年最も話題になった作品は"The Diary of A Teenage Girl"だろう。高校生で現役の漫画家でもある少女が母親の恋人とセックスしてしまったことから起こる青春のアレコレを描き…
2015年残り20日を切った時にこんな話もなんだが、2014年のアメリカ映画界流行語大賞を挙げるなら"俳優+renaissance"以外にはないだろう。キャリアが低迷していた俳優がある作品をきっかけにキャリアが復調する様を表していて、例えばマシュー・マコノヒーが…
今年、空前絶後のアクション映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は1つのメッセージを高らかに叫んだ――We Are Not Thing! このメッセージに強く勇気づけられた人々は多い筈だ。さてさて今回紹介したい作品も、マッドマックスよりはこじんまりとしてい…
さて、ベルギーである。私にとってベルギーはチョコと貧困とジャン=クロード・ヴァン・ダム、そしてシャンタル・アケルマンの国だ。映画史において最も偉大なる映画監督と作品「ジャンヌ・ディエルマン」を生み出した国ベルギー、以前このブログでもそんなベ…
さて、ルワンダである。あなたはルワンダという国のことをどのくらい知っているだろうか。おそらくルワンダ内戦、ひいてはルワンダ虐殺という痛ましい歴史ではないだろうか。フツ過激派がツチ族やフツ穏健派を虐殺し、およそ50万人から100万人もの人々が命を…
私はTwitterでもこのブログでも主張し続けているのだが、レンタルビデオ店の文芸エロ映画棚にはお宝が眠っている。いや、こう言い換えた方が良いかもしれない、エロ文芸映画界には劇場では伺い知れないもう1つの映画史が広がっているのだ。ということで私の…
2015年の中頃、ロニ・エルカベッツ監督作"Gett"というイスラエルの法廷映画を観た。レビューを書いているので詳しくはこちらの記事を読んで欲しいのだが、今作は主人公の女性が夫と離婚するために裁判へと望むが、ユダヤ教の戒律に則った裁判がいかに女性差…
自分の子供を亡くすという経験は胸を引き裂かれるほどに辛いものだろう。古今東西、芸術はその悲哀を様々な形で表現し、喪失の痛みを癒すという役割を果たしてきた。映画ではどうだろう、ナンニ・モレッティ監督の「息子の部屋」にジョン・キャメロン・ミッ…
女子だけのロードムービー映画は「大人になる前に……」から「テルマ&ルイーズ」にクリス・スワンバーグの"It Was Great, But I Was Ready to Come Home"までちょくちょく作られてきて、その度に楽しんできたのだが、この頃はヒップスターな女子たちが下品に…
あなたは90年代という時代に何を思い浮かべるだろうか。私はやはり映画を中心に考えるのだが、90年代は何を置いてもマジで一番ダサかった時代だと思っていて、それはこの時代を考える時真っ先に頭に思い浮かぶのがロジャー・エイヴァリー監督作「キリング・…
日本における旧ユーゴ圏のイメージはやはり90年代に繰り広げられた内戦を中心とした物が多いだろう。先日ブログで取り上げた、ボスニア・ヘルツェゴビナの映画監督アイダ・ベジッチの作品"Djeca"(この記事を読んでね)は内戦の傷が色濃いサラエボで懸命に生き…
ブリテン諸島の映画作家の中で、私が最も好きなのはアラン・クラークという監督だ。彼の遺作である"Elephant"はIRA紛争を、そして暴力の構造を凄まじいまでに乾いた筆致で描き出した作品で初めて観た時には本当に衝撃を受けた。そしてこの作品に映し出される…
「イット・フォローズ」を観た。そのクオリティの高さにも驚いたが、描いているテーマにも驚いたので少し書いてみる。まずは少しあらすじを。主人公はジェイ(「ザ・ゲスト」マイカ・モンロー)、ある日彼女は新しい恋人であるヒュー(「ゾンビーバー」ジェイク…
ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアやクロアチアと共に内戦を繰り広げていたことを知っている方は多い筈だ。しかし内戦が終結した後、人々がどういった日常を送っていたのかを知る機会は余りに少ない。そんな中でヤスミン・ジュバニッチ監督の「サラエボの…
Rick Alverson &"The Comedy"/ヒップスターは精神の荒野を行く Rick Alverson&"Entertainment"/アメリカ、その深淵への遥かな旅路 Rick Alversonの略歴と前作"The Comedy"についてはこちら参照もし、もしだ、今まで観たアメリカ映画の中で最も題名と内容の解…
さて、ブラジル映画である。ガブリエル・マスカロを紹介した際(この記事を読んでね)、ブラジルの経済状況について記したが、現在進行形でこの国に現れ始めているのが階級差である。中流階級と貧困層の格差が目に見えて克明となりゆく過渡期、マスカロはそれ…
先日フィルメックスが閉幕、最高賞を獲得したのはペマ・ツェテン監督の「タルロ」と私がブログで取り上げていた作品でなかなか嬉しかった(ちょいちょいブログの閲覧数も上がってる)のだが、観客賞を獲った作品がピーター・チャン監督の「最愛の子」だった。…
さて、あなたはドミニカ共和国についてどのくらい知っているだろう? 私は名前は聞いたことあるくらいでほぼ何も知らなかった。調べてみると小説「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」ジュノ・ディアズはこの国出身で、ミシェル・ロドリゲスやゾーイ・サルダ…
2015年、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得したのはジャック・オーディアール監督の「ディーパンの闘い」だった。この結果はマーティン・スコセッシが「ディパーテッド」でオスカー作品賞を獲ったのと同じく、今まで蔑ろにしてきた故の功労賞と批評家陣…
さて10月11月ときて映画祭ラッシュも終わりに近づき始めたが、そんな中で東京フィルメックスが開催である。私的には何で今年に限ってイスラエル映画一本も公開しないの????と開催前から落胆していたのだが、以前ブログでちょっと取り上げたヴィムクティ…