2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
私はこの鉄腸マガジン上で2020年代の映画界を担うのはアゼルバイジャンだと何度も発言している。故に私はアゼルバイジャンの新たなる才能に目を光らせている訳だが、そこで出会ったのである。彼の名はIsmail Safarali、彼の最新短編"I Still Must Watch You …
中国系移民たちはよりよい未来を求めて世界各地へと散らばることになるが、彼らの行く先の1つがラテンアメリカだった。彼らは南米の異国の地で身を寄せ合いながら暮らし、今ではブエノスアイレスやサンパウロなど大都市各地に大きな共同体が作られているほど…
razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.comということでVarga Zoltánへのインタビュー後編です。ここでは2010年代における最も重要なハンガリー・アニメーション、この世界における最も偉大な巨匠であるJankovics MarcellとCsaba Vargaについて、そしてハンガリ…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
2018年にバスク自由と祖国(ETA)が解散宣言を行ったことは記憶に新しい。しかしそれがバスク紛争の終りを告げたかと言えばそうではないし、人々の心には未だ過去が憑りついている。それはバスクの芸術家たちがこの長きに渡る紛争の時代を描き続けていることか…
"De l'or pour les chiens"の始まりはいささか、いやかなり軽薄なものだ。制作会社のロゴが出る時点で男女の喘ぎ声が聞こえ、予想通りファーストショットから彼らが砂浜でセックスをする場面が映しだされる。カメラはある程度離れているが、女性の乳房が揺れ…
さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…
東欧文化を語るうえでロマの存在は欠かせないだろう。東欧の人々は彼らの存在を否定する(私はルーマニア人と話すことが多いが、その傾向が多く見られる。"彼らはルーマニア人ではない"と)が、ロマの人々は確かに生きていて、独自の文化を築いている。最近注…
ゼロ年代も終りに近づいた2009年、1つの映画がオランダ映画界に激震を巻き起こした。それが新人監督Esther Rotsによるデビュー長編"Kan door huid heen"だった。精神的激動に見舞われた女性が救いを求める姿を描きだした本作は、オランダ最大の映画祭ロッテ…
パレスチナ人映画作家たちは魅力的な娯楽性を通じて、パレスチナの現状を語るのに長けた者たちが多い印象を受ける。例えばエリア・スレイマンは「D.I.」や「天国にちがいない」などにおいて知性に裏打ちされたユーモアと共に、パレスチナの現在を見据え続け…
一目惚れというものにはその人の人生を変貌させる、時には完膚なきまでに破壊し尽くす魔力が存在している。それは理論や倫理を越えた凄絶なる力を持ち合わせている。一度その魔力に憑りつかれた人間は抵抗も虚しく、その荒波のような勢力に呑みこまれ、愛へ…
皆さんもニュースでご覧になられただろうが、今アルメニアとアゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフという地域を巡って激しい紛争を繰り広げている。Twitterでは紛争の動画が流れ(日本人はまるでこの動画を一種の娯楽作品のように捉え、気軽にTwitterで共有し…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
デジリー・アッカヴァン&「ハンパな私じゃダメかしら?」/失恋の傷はどう癒える? - 鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!! Desiree Akhavan監督の経歴と彼女のデビュー作"Appropriate Behavior"についてはこちら参照。今、日本で上映されている作品の中では「エマ、愛の罠…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
お世辞にも真剣な視聴者とは言えなかったが、未公開映画を観る間に私も「半沢直樹」のSeason 2を観ていた。先の最終回なんかはラストにおける堺雅人と香川照之の対峙場面などは男と男の意地のぶつかりあいが最高潮に達し、もはや噎せ返る官能性がマニエリス…