オランダ映画
さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…
最近はそうでもなかったが、前はこの鉄腸マガジンで"文芸エロ映画"というジャンルを紹介していた。TSUATAYAなどのレンタル店にある外国映画の棚、その端に煽情的なタイトルの、ポルノではないけども限りなくポルノに近そうな題名の映画が多々置いてあること…
ゼロ年代も終りに近づいた2009年、1つの映画がオランダ映画界に激震を巻き起こした。それが新人監督Esther Rotsによるデビュー長編"Kan door huid heen"だった。精神的激動に見舞われた女性が救いを求める姿を描きだした本作は、オランダ最大の映画祭ロッテ…
旧ユーゴ圏において血みどろの紛争が繰り広げられる中で、ユーゴスラビアの人々は平和を求めて世界各国へと離散することになる。その中でそれぞれの第2の故郷で成長を果たし、育っていった世代が映画作家として活躍する時代がやってきた。ロッテルダム国際映…
伝統はそれぞれの国に存在しているだろう。だが1つではあり得ない。更に地域ごとにその色彩を変えながら存在している。それらは、しかし、そういった伝統は急速に移りゆく世界においては均一化され消え去ることを余儀なくされてきた。そんな中でも映画などの…
世界的に見ると、オランダ映画界の存在感はあまり大きくないのかもしれない。というかこの国が産み出した残虐変態大将軍ポール・ヴァーホーヴェンの威光が鮮烈すぎて、他の作家たちがほぼ知られていないという状況にあるというのが正確かもしれない。最近の…
さて、最近このブログではミリャナ・カラノヴィッチの"Dobra žena"とNatalia Almadaの"Todo lo demás"という、老いと対面する女性たちの姿を描いた作品を2連続で紹介してきた。人間が生きるにあたって、老いは避けることが出来ないが、例えば肌に深い皺が浮…
さて、オランダである。オランダと言えばお下劣残虐大将のポール・ヴァーホーヴェンな訳で新作のレイプ・リベンジ映画"Elle"が楽しみな訳だが、新鋭で注目作家というとまず真っ先に挙げるべきはナヌーク・レオポルドだろう。彼女の作品は1本だけ「裸の診療室…
私はある映画の主人公が中年女性なだけで嬉しくなる。年を取った女優は誰かの"母親"か"妻"役しか来なくなり、脇に追いやられそのまま消えていく、そんな状況があるからこそ中年女性が主人公である映画を観るのはそれだけで嬉しいのだ。今年公開された映画で…