2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
さて、チャールズ・ブコウスキーといえばアメリカで最も有名な無頼小説家だ。彼の破天荒な作品群や人生は幾度となく映画化されてきた。例えばバーベット・シュローダーの「バーフライ」やマルコ・フェレーリの「ありきたりの狂気の物語」などである。だが202…
ボルソナーロ政権発足以後、ブラジル映画界は危機に立たされている。現在の映画界のトップをひた走るクレベール・メンドンサ・フィーリョは映画製作を弾圧され、映画製作庁であるAncineは移転を余儀なくされた。財政サポートもいくつか潰されてしまい、映画…
さて、今私の中でスロヴェニア映画がアツい。きっかけはスロヴェニア映画界の巨匠Boštjan Hladnikの作品を観る機会があって、それでド嵌りしてしまったのである。それからスロヴェニアの映画評論家にインタビューを敢行し、スロヴェニア映画史について学んで…
いわゆる"コミュ障"という言葉が日本語にはある。内に引きこもるばかりで他者との交流の仕方を知らず、孤独をこじらせていく悪循環に陥る人々のことだ。日本ではこの言葉がカジュアルに使われているが、実際問題この障害によって実生活に悪影響が及んでいる…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
ユーゴ紛争が勃発してから約30年もの時が経つことになった。この頃に祖国から去らざるを得なかった若者たちも、今や中年世代となっている。そして故郷に残った親世代の人々は老いて、独りで行動することも難しくなったゆえに、彼らは自身の親を介護せざるを…
ロシア映画、特にソビエト時代の映画作品には戦争映画の傑作が多い。例えばロシアにおけるドイツ軍の凄惨な虐殺を描いた衝撃作「炎628」や独ソ戦の脅威に立ち向かう少年の姿を描いた「ぼくの村は戦場だった」さらにはボリス・バルネットが監督した、第1次世…