レバノン映画
さて、レバノンである。この国は人口1人当たりの難民受け入れ数が最も多い国としても有名だろう。近隣国であるシリアやパレスチナからの難民が多く押し寄せるゆえである。更には地中海を挟んでアフリカ大陸にも距離が近いので、そこから難民や移民たちがやっ…
レバノン映画はいつであってもその激動の歴史を見据え、傑作を生みだしてきた。例えばMaroun Bagdadi マルーン・バグダディは"Les petites guerres"や"Hors la vie"などレバノン内戦をテーマとした作品を作り続けたし、日本でも著名なNadine Labaki ナディー…
日本語には“ほのぼの”という言葉がある。英語で言えば“peaceful”だとか“heartwarming”だとか、そんな意味になるのではないか。しかしそれよりもっと緩やかで心地よいといったニュアンスがあることは日本語の分かる方ならご存知だろう。その微妙なニュアンス…
思春期とホラーというのは相性がいい。第二次性徴を迎え自分の体が変わっていくとそんな恐怖はグロテスクなボディホラーにとって格好のテーマだし、思春期の少年少女が抱く未熟さゆえの全能感と何もかもから見放されたかのような孤独や絶望は世界を歪めるに…