鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

最近気になっている映画 その1

"Le tout nouveau testament"(フランス語で"全く新しい聖書"という意味)
トト・ザ・ヒーロー」「七日目」と寡作ながら、いや寡作だからこそ世界にその名を轟かせるベルギーの異彩ジャコ・ヴァン・ドルマル監督が「ミスター・ノーバディ」(私のオールタイムベスト映画でもある)以来6年ぶりに作った最新作。神様は本当に存在している、というか神様(「それぞれの場所を探して」ブノワ・ポールヴールド)はベルギーに住んでいる。だけどホッケーが好きで、傲慢で、とてもケチ臭い奴だ。そんな彼に反旗を翻す存在がいた。神様の10歳の娘Ea(「サンドラの週末」でサンドラの娘役だったピリ・グロワール)である。彼女は家を飛び出し、聖書を全部書き替えてしまったものだからさあ大変、世界は大混乱!という物語。で、写真はサーカスのゴリラと不倫関係に陥るカトリーヌ・ドヌーヴの図、つまり21世紀に「マックス・モン・アムール」が蘇るのである。こんな映画、私が期待しない訳がない。



"Sisters"
アメリカン・コメディ好きにとってティナ・フェイエイミー・ポーラーのTinamyコンビは、何だ、もう、最高だ。今年のゴールデン・グローブでの司会とか本当最高だし、こういう友情って素敵!と思わせてくれる可愛さに満ちてる。超可愛い。そんな2人が名作「ベイビーママ」以来に共演した映画(もしかしたら違うかもだが)がこの"Sisters"である。ジェーン(フェイ)とモーラ(ポーラー)の姉妹2人が故郷で久し振りに再会、したは良いが、思い出の詰まった我が家を母親が勝手に売っ払ってしまったということを知る。じゃあ最後に盛大にパーティー開いてパーっとやっちゃいますか!!!という。監督は、これまたこういう友情って素敵!と思わせてくれた「ピッチ・パーフェクト」の監督ジェイソン・ムーア。Tinamyの盟友マーヤ・ルドルフ(「ブライズメイズ」)や、低予算アクションファンには「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」でお馴染みWWEジョン・シナジョン・レグイザモヘザー・マタラッツォなどキャスト陣も豪華。本国アメリカではクリスマス公開、こういう映画クリスマスに映画館で観れるっていいな……



"Historia del miedo"(スペイン語で"恐怖の歴史")
上の写真を初めて観た時、こりゃ一体何事だよ……と思った。上半身裸(もしかしたら下半身も丸出しかもしれない、と思って予告見たら……)の目ェ血走ったオッサンがフロントガラスに突っ込んでる、こりゃ一体何事だ。そしてこれがアルゼンチンの新鋭 Benjamín Naishtatが監督した"Historia del miedo"という映画だと知り調べたらこんな画像も出てきた。

こりゃ本当にただごとではない。予告はこんな感じだ。この映画、雰囲気が異形過ぎてあえてあらすじとかは読んでいないのだが、予告観る限りアルゼンチンのとある町に狂気が蔓延する……という感じだろうか。「沼地という名の町」ルクレシア・マルテル、「約束の地」リサンドロ・アロンソ、「ビオラ」マティアス・ピニイェロ、「人生スイッチ」(この邦題ウンコ)ダミアン・シフロンと来て、Benjamín Naishtatという才能がアルゼンチンに現れた、日本には、来るのか。




"Ich seh, Ich seh"(ドイツ語"僕は見ている、僕は見ている"英題の"Goodnight Mommy"もなかなか)
とある邸宅に住む双子の兄弟と、頭に包帯をグルグルと巻いた母親。しかし兄弟は気付き始めている、彼女は自分たちの母親なんかじゃないと……双子という存在をホラー映画は様々に描いてきたが、これもその系譜にある1本だろう。監督はオーストリア人のVeronika Franz, Severin Fialaコンビ、夫婦だそう。Franz監督はウルリッヒザイドルの「インポート、エクスポート」やパラダイス三部作の脚本を手掛けてきた方で、作品にも彼、及びザイドルの師匠ミヒャエル・ハネケの影響が多く見られるそう。ハネケがホラーを作ったら、なんて素敵じゃあないですか。ってハネケ作品でホラーじゃない映画はないか。まあ何にしろ楽しみ。




ということでまたお会いしましょう。