鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

「死霊のはらわた」公開記念、死霊のバーゲンセール!

Z級映画に欠かせない物、それは紛らわしい邦題だ!
 ある映画が当たったからって、それに似た邦題を付けて、消費者をだまくらかす外道の所業!
 特に『悪魔の〜』『地獄の〜』というホラー邦題などは、特にその傾向が顕著だろう。そこにはらわた、いけにえ、したたりなど が来たら全く訳が分からない。
 そんな連綿と続くZ級邦題の一つ『死霊の〜』を、『死霊のはらわた』リメイク版公開を記念して見て行くこととしよう!
 Allcinemaで『死霊の〜』と検索すると、なんとまあ77件もヒットした。その中でも私が厳選した10作を見て行こう!」

「まずは、勿論この『死霊の〜』という潮流を決定づけた一作、今回の作品の原典である『死霊のはらわた』だ」

サム・ライミ監督の出世作ですよね。予算の無さは創意工夫と熱意で補えとばかりに、ショック描写の連続、シェイキーカムなんかも有効に駆使していたり、インディー映画の歴史的傑作ですよね」

「『作家は処女作に向かって成熟しながら永遠に回帰する』とは故亀井勝一郎氏の言葉だが、その言葉通り『死霊のはらわた』にはサム・ライミの全てが詰まっていると言えども過言ではない。このヒットによりサム・ライミはスターダムを一気に駆け上がり、シリアスからエクストリームなコメディにコペルニクス的転回『死霊のはらわたⅡ』、何故かファンタジー世界へと舞台を転じた『死霊のはらわたキャプテン・スーパーマーケット』、そして『続・死霊のはらわた』『新・死霊のはらわた』『死霊のはらわた 最・終・章』『帰ってきた死霊のはらわた』『死霊のはらわた終極無間』……」

「いやいやいやいや、ちょっと待ってください!
 ライミ監督のはらわたシリーズは3までですよね。何勝手に増やしているんですか」

「それが続&新&最終章は実際存在しているんだな、これが」

「見てもらったのは順に、新と最終章のトレイラーだ。続は見つけられなかった……」

「予告見る限り、死霊のはらわた要素が微塵も感じられませんけど……」

「正鵠的を射る私的だ。それもその筈、勝手に邦題付けただけの作品だからな」

「あぁ……『荒野の用心棒』と『続 荒野の用心棒』的な……」

「『新・死霊のはらわた』なんかは実際サム・ライミが製作に関わっているのに乗じて、新なんて付けてしまったのだろうな。そして見つからなかった『続・死霊のはらわた』これが一番タチが悪いかもしれない。原題自体が『Another Evil DeadⅡ:Dead In』とまあ便乗する気満々で逆に清々しい。更に主演はエドガー・アランポー4世と来た。私も未見ゆえに、一度でいいから見たい物だな」

「『死霊のはらわた 最・終・章』はどうなんですか?」

「予告の最初に出る通り、Z級映画製作工場トロマが関わっている。その時点でもう……お察し下さい。
 邦題については、続〜と製作年が近いことから、日本でのビデオ発売時期も肉薄、後に発売する最終章がノリで『続・死霊のはらわた』に乗っかっちゃったのではないかと推察する」

「便乗に便乗した訳ですか」

「得てしてZ級ビデオとはそういうものだ」
 それでは、次の死霊行ってみよう!」

http://www.youtube.com/watch?v=iQGqUC707e0

「ああコレは解ります。ジョージ・A・ロメロ監督の『死霊のえじき』ですよね。
 …………良く考えてみれば、ゾンビですのに何故“死霊”なのでしょうか?」

「『死霊のはらわた』がブームになったから、便乗したんだろう。というか80年代以降の作品で『死霊の〜』が付く映画は間違いなく、間違って借りろ!という魂胆で名付けられた可能性が高い」

「身も蓋も無いですね………」

「そして次はコレだ!

スチュアート・ゴードンブライアン・ユズナという黄金コンビが爆誕した『死霊のしたたり』だ。多分コレも便乗だ。後、これZ級映画じゃあないので紹介割愛」

「ここからが邦題酷けりゃ、中身も酷いZ級死霊映画だ!
 まずは、まあコレは有名だろう『死霊の盆踊りエドウッド原案・脚本だ」

「何か裸の美女が、ただ踊ってる90分の地獄絵図とは聞いているのですけど……」

「まあ元々、バーレスク物というマブいネーちゃんたち――例えばベティ・ペイジ、例えばテンペスト・ストーム――がエロい姿でエロい踊りをし、合間にはベッタベッタな笑劇、そしてまたネーちゃんの踊りとその繰り返し、というストリップ小屋の興行を映すだけの映画ジャンルが存在した。それに目を付けたZ級映画マエストロであるエド・ウッドが、バーレスク物とホラーを合体させて完成した画期的作品がこの『死霊の盆踊り』だった」

「…………画期的……?」

バーレスク物とホラーを掛け合わせるなど誰も思わない。ましてやそれを実行する者など居る訳がなかった!しかしエドウッドという人物はそれを成し遂げた、成し遂げたんだ!
 そしてあんなことになった!!!!!!!!!!!!!!!! 

しかもこのZ級映画が先に作られているという時点で、実は画期的ではないという

To Be Continued→