鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

アドリアン・シタル&「フィクサー」/真実と痛み、倫理の一線

ルーマニアの新たなる波”においてとても重要な要素が倫理だ。チャウシェスク政権下、映画は社会主義プロパガンダ装置を果たすことを求められており、その職業的な倫理と、ルーマニアではなく本当のルーマニアを描くべきだという個人的な倫理は事あるごとに衝突を遂げ、この葛藤はLucian Pintilie"Reconstituirea"Mircea Daneliuc"Proba de microfon"Alexandru Tatos"Secvente"などルーマニア映画史に残る作品の数々に刻印されている。

その名残は現代にも引き継がれており、この対立を描いた作品の代表格がコルネリュ・ポルンボユの第2長編“Polițist, adjectiv”だ。1人の警察官がマリファナを吸う高校生の逮捕を命じられる。ルーマニアの法律において彼は重犯罪者だが、他のEU諸国ではもっと軽い刑罰だけで済むだろうし(今作の製作年はルーマニアEUに加盟した2年後の2009年)それが正当な扱いだと信じる警察官は逮捕を躊躇うのだが、上司はそれを良しとしない。社会と個人の倫理が静かに、それでいて激しく衝突する驚きの終盤は“ルーマニアの新たなる波”初期の1つのハイライトでもあると言える。今回はそんな倫理の対立をテーマとしたルーマニア映画群に連なる一作フィクサーとその監督アドリアン・シタルについて紹介していこう。

アドリアン・シタル Adrian Sitaru 1971年にルーマニアのデヴァに生まれた。キャリア初期はコスタ・ガブラスホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼」などで助監督をしたり、"Mincinoasa""A doua sansa"など主にTV映画を製作していたが、彼の名を一躍高めたのが2007年製作の"Valuri"だ。ルーマニアの観光地を舞台に、ルーマニア人や外国の旅行客、ロマの青年との微妙な関係性を描き出したドラマ作品で、サラエボロカルノ国際映画祭、更にルーマニアアカデミー賞(ゴーポ賞)の短編部門で作品賞を獲得するなど話題になる。

それからシタル監督は精力的に作品を手掛け始める。翌年の2008年には彼にとって初の長編"Pescuit sportiv"を監督、ブカレストから恋人とピクニックにやってきた数学教師の人生が1人の女性の登場によって姿を変えることになるという作品で、パーム・スプリング国際映画祭の新人監督賞やオウレンセ国際映画祭のグランプリを獲得する。そして2010年の短編"Colivia"を経て、2011年には第2長編"Din dragoste cu cele mai bune intentii"を監督する。母親を看病するため病院で昼夜を過ごす男性の姿を描き出した作品で、ロカルノ国際映画祭とゴーポ賞で主演男優・監督賞の二冠を勝ち取るなどし、シタル監督の名声は確たる物となる。

さらに快進撃は止まらない。2012年には愛するペットを食べてしまう欲求を抑えられない家族の姿を描いたブラックコメディ"Domestic"を手掛け、更に2014年には3本もの短編を製作する。まず1本目の"Counterpart"はシタル監督にとって初めての英語劇で、イギリスに住むカップルと彼らの私生活を覗き続ける男の人生が交錯する姿を描いた作品だ。2本目の"Excursie"は宇宙人がやってきたルーマニアを舞台に、彼らに誘拐されたと思わしき少年の残したホームビデオが騒動を巻き起こすという奇妙なコメディ。そして3本目は"Artã"という作品、2人の映画監督がとある少女を性的虐待を受けた子供役として起用しよとするが、そこには倫理的な問いが立ちはだかると、倫理への問いを描いた作品となっている。そして2016年には新作長編フィクサーを完成させる。

今作の主人公ラドゥ(Tudor Istodor)はAFPで記者として働いている。以前はフランス語の通訳/現地のコーディネーターとして働いていたが、心機一転今は見習いの身分でルーマニアを駆け回っていた。そんな未成年の娼婦がパリで保護され、ルーマニアへと強制送還されたという事件を知り、特ダネの臭いを嗅ぎつけたラドゥは彼女に取材しようと試みるのだったが……

まずシタル監督はラドゥという人物の人となりを丁寧に描き出していく。見習いの彼は上司から見くびられ、同僚で恋人のカルメン(Andreea Vasile)にばかり仕事が行くのに忸怩たる思いを抱いている。そしてカルメンの連れ子であるマテイとの関係も悩みの種だ。ラドゥはマテイが水泳大会で1位が獲れるよう苦心しているのだが、彼はそれに応えようとしてくれないのだ。ラドゥのやり方は“完璧民族主義”だよとマテイが聞き慣れぬ言葉で口答えしてくるのが気に障り、出過ぎた真似をして自己嫌悪に陥る。そんな自分が挽回できる鍵がこの特ダネかもしれなかった。

しかし取材に至るまでの道は頗る険しいものだ。元々疎遠で距離を置いていたい従兄弟に手を回してもらった後、ラドゥはフランス人記者アクセル(Mehdi Nebbou)やカメラマンのセルジュ(Nicolas Wanczycki)と共に、ブカレストから遠く離れたトランシルバニア地方の寒村へと車を走らせる。そこにあるルーマニア正教の教会に少女は保護されているらしいのだが、少女の家族からは手酷い歓待を受け、手筈を整えていたはずの教会では門前払いを喰らってしまう。途方に暮れるラドゥだったが手ぶらでブカレストには帰れず、粘りに粘り続ける。

ラドゥが追うのは未成年による売春という深刻な問題だが、本作の道行きは一辺倒にシリアスではなく、ユーモアも入り込む。ラドゥが電車で会う男は腕を失った時の経験を語るのだが、本筋には関わらずともその内容は奇妙にも笑いを誘う。そして道中には、ハンガリー人農夫とのイザコザもあるのだが、物語の舞台となるトランシルバニア地方はハンガリーと隣接する地域であり、それ故にハンガリー人が多いのだ。そして監督が語るには貧困が深刻な土地でもあり、逆にこの土地の人々が多く海外へと出稼ぎに行っているという状況もあるのだそうだ。そうしたルーマニアの現状をも様々な形で反映しながら、物語は進んでいく。

そして撮影も印象的だ。DoPAdrian Silisteanu(今作は彼の報道記者としての体験談が元になっている)はルーマニアの地方に広がる風景を端正な形で浮かび上がらせていく。トランシルバニアには広大な自然が広がり、凍てつく空気の中であっても草原や空はどこまでも続いていっているような思いを観る者に抱かせる。しかしそれと同時に、町や村には寒々しいドン詰まりの感覚が満ちているのにも気づくだろう。ラドゥたちが送還された少女の家族の元へと赴くシークエンスには、苦い貧困がそこかしこに刻まれている。ラドゥはルーマニアの首都ブカレストに住み、割かし裕福な生活を送っているが、それと比べると手狭な部屋の数々や古びた内壁の数々には貧困がいかに根深いかを思い知らされる。

だが取材が始まっていく中で、Silisteanuのカメラがまた別の撮影手法を取るのに観客も気づくだろう。カメラが被写体を正面から映し出している最中、かなりゆっくりとした被写体へのズームアップが多用されるのだ。それは何かが床を不気味に這いずるような早さであり、服や皮膚のその向こうにある被写体の内面へと深く深く潜行していこうとそんな内省的な感触を宿している。私たちは登場人物の表情や言葉の裏側に存在する物への能動的な洞察を促されるが、監督がそうして導く先にあるのは被写体である少女やその家族ではなく、他ならぬラドゥの内面世界なのだ。

ラドゥはこの旅路の中で様々な葛藤を抱えることになる。記者として認められたい気持ちはありながら、プロであるアクセルたちの態度には疑問を覚える瞬間もある。真実を伝えるためなら手段を厭わない強硬的な姿勢はもちろんのこと、未成年と知らず少女を買った客の方に同情心を抱いていると言って憚らないアクセルに同意することは出来ない。それでもそんな彼らの取材に同行することは彼らの共犯者となることを意味し、ラドゥはそれに悩む。そして彼が少女と出会う時、ジレンマは頂点に至る。世界に真実を伝えるべきという職業的な倫理、そのために人を傷つけていいのかという個人の倫理、この2つがラドゥの中で衝突を遂げる。フィクサーは1人の男の姿を通じて、倫理の対立を丹念に描き出していく。だからこそ旅路の最後ではラドゥの私的な出来事が描かれる。この葛藤は他者の人生だけでなく自分の人生にも深く根下ろしているからだ。そうしてラドゥが選びとる行動には静かな感動が宿る。

さてシタル監督、実は2016年に監督した長編はフィクサー1本ではない。今作よりも先にベルリン国際映画祭でプレミア上映された作品が"Ilegitim"だった。とある家族を舞台として中絶や近親相姦などのタブーに切り込んだ作品で、オデッサ国際映画祭やクロアチアのプーラ映画祭などで作品賞を獲得するなど大きく話題となった。更にトルコを舞台としたオムニバス映画"In the Same Garden"にも参加しており、活動はとどまる所を知らない。

で、これは全く個人的なことなのだが、東京国際で私は来日したシタル監督にルーマニア語で喋りかける機会に恵まれた。ルーマニア映画好きが高じて、ルーマニア語を勉強するまでになってしまった訳だが、何とルーマニア語で話した最初のルーマニア人がシタル監督になった訳である(日本でルーマニアに触れる機会なんかほぼない)その時"あなたの映画を観れて本当に光栄です"と言おうとしてつっかえたら、シタル監督がフォローしてくれた時は本当に感動した、一生の経験だよマジで本当。その後Facebookにメッセージ送ってフレンドになったり、ネット時代はまあ凄いものである。ということでシタル監督の今後に超期待。

ルーマニア映画界を旅する
その1 Corneliu Porumboiu & "A fost sau n-a fost?"/1989年12月22日、あなたは何をしていた?
その2 Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅
その3 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その4 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その5 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その6 イリンカ・カルガレアヌ&「チャック・ノリスVS共産主義」/チャック・ノリスはルーマニアを救う!
その7 トゥドール・クリスチャン・ジュルギウ&「日本からの贈り物」/父と息子、ルーマニアと日本
その8 クリスティ・プイウ&"Marfa şi Banii"/ルーマニアの新たなる波、その起源
その9 クリスティ・プイウ&「ラザレスク氏の最期」/それは命の終りであり、世界の終りであり
その10 ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち
その11 ラドゥー・ムンテアン&"Boogie"/大人になれない、子供でもいられない
その12 ラドゥー・ムンテアン&「不倫期限」/クリスマスの後、繋がりの終り
その13 クリスティ・プイウ&"Aurora"/ある平凡な殺人者についての記録

私の好きな監督・俳優シリーズ
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
その102 Eva Neymann & "Pesn Pesney"/初恋は夢想の緑に取り残されて
その103 Mira Fornay & "Môj pes Killer"/スロバキア、スキンヘッドに差別の刻印
その104 クリスティナ・グロゼヴァ&「ザ・レッスン 女教師の返済」/おかねがないおかねがないおかねがないおかねがない……
その105 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その106 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その107 ディアステム&「フレンチ・ブラッド」/フランスは我らがフランス人のもの
その108 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その109 Sydney Freeland&"Her Story"/女性であること、トランスジェンダーであること
その110 Birgitte Stærmose&"Værelse 304"/交錯する人生、凍てついた孤独
その111 アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して
その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
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その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
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その153 Katrin Gebbe&"Tore Tanzt"/信仰を盾として悪しきを超克せよ
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その156 Noah Buschel&"Bringing Rain"/米インディー映画界、孤高の禅僧
その157 Noah Buschel&"Neal Cassady"/ビート・ジェネレーションの栄光と挫折
その158 トゥドール・クリスチャン・ジュルギウ&「日本からの贈り物」/父と息子、ルーマニアと日本
その159 Noah Buschel&"The Missing Person"/彼らは9月11日の影に消え
その160 クリスティ・プイウ&"Marfa şi Banii"/ルーマニアの新たなる波、その起源
その161 ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち
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その163 Betzabé García&"Los reyes del pueblo que no existe"/水と恐怖に沈みゆく町で、生きていく
その164 ポン・フェイ&"地下香"/聳え立つビルの群れ、人々は地下に埋もれ
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その168 Maya Kosa&"Rio Corgo"/ポルトガル、老いは全てを奪うとしても
その169 Kiro Russo&"Viejo Calavera"/ボリビア、黒鉄色の絶望の奥へ
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その172 Eduardo Williams&"Pude ver un puma"/世界の終りに世界の果てへと
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その174 アレックス・ロス・ペリー&"Impolex"/目的もなく、不発弾の人生
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その176 Lendita Zeqiraj&"Ballkoni"/コソボ、スーパーマンなんかどこにもいない!
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その178 Ron Morales&"Graceland"/フィリピン、誰もが灰色に染まる地で
その179 Alessandro Aronadio&"Orecchie"/イタリア、このイヤミなまでに不条理な人生!
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その182 Sofía Brockenshire&"Una hermana"/あなたがいない、私も消え去りたい
その183 Krzysztof Skonieczny&"Hardkor Disko"/ポーランド、研ぎ澄まされた殺意の神話
その184 ナ・ホンジン&"哭聲"/この地獄で、我が骨と肉を信じよ
その185 ジェシカ・ウッドワース&"King of the Belgians"/ベルギー国王のバルカン半島珍道中
その186 Fien Troch&"Home"/親という名の他人、子という名の他人
その187 Alessandro Comodin&"I tempi felici verranno presto"/陽光の中、世界は静かに姿を変える
その188 João Nicolau&"John From"/リスボン、気だるさが夏に魔法をかけていく
その189 アルベルト・セラ&"La Mort de Louis XIV"/死は惨めなり、死は不条理なり
その190 Rachel Lang&"Pour toi je ferai bataille"/アナという名の人生の軌跡
その191 Argyris Papadimitropoulos&"Suntan"/アンタ、ペニスついてんの?まだ勃起すんの?
その192 Sébastien Laudenbach&"La jeune fille sans mains"/昔々の、手のない娘の物語
その193 ジム・ホスキング&"The Greasy Strangler"/戦慄!脂ギトギト首絞め野郎の襲来!
その194 ミリャナ・カラノヴィッチ&"Dobra žena"/セルビア、老いていくこの体を抱きしめる
その195 Natalia Almada&"Todo lo demás"/孤独を あなたを わたしを慈しむこと
その196 ナヌーク・レオポルド&"Boven is het stil"/肉体も愛も静寂の中で老いていく
その197 クレベール・メンドンサ・フィリオ&「アクエリアス」/あの暖かな記憶と、この老いゆく身体と共に
その198 Rachel Lang&"Baden Baden"/26歳、人生のスタートラインに立つ
その199 ハナ・ユシッチ&「私に構わないで」/みんな嫌い だけど好きで やっぱり嫌い