あの子が結婚するなんて…………
あの子が『結婚』するなんて………っ………！
そう、私はまだ結婚するには仕事だとか色々の塩梅がある………
まだ慌てるような時間じゃあない…………まだ、慌てるような時間なんかじゃあ断じてない………っ……
それに結婚を人生の中心として考え急ぐ方が『愚か』………っ……………！
そう私の人生は私の物、『他人なんて関係ない』はず………はず…………っ……！
自分の人生は、他人と比べるような物じゃあない…………っ……
だが………揺らぐ………
――あのブスが結婚するなんて………っ………！
「私、結婚するの！」「えぇ！？うそ！おめでとう！」
その一言は大丈夫………だが………………『唇』………っ………抑えきれない……っ……
通販で買ってきたはいいけれど、1週間で押し入れにしまった『ブルブル腹筋マシン』のような……
…………唇の『震え』………っ………！
キキ、一世一代の『コイツ、何言ってんの……？(震え声)』フェイスは、一見の価値あり
止められない…………っ…『驚愕』……『焦燥』……『嫉妬』……っ………！
ああ、なんて『レ・ミゼラブル』………！
何故彼女なんかが私より先に……っ………？
『美しさ』は決して彼女に劣る訳がない……
『学歴』も確実に積み上げてきた…………………
だのに、私にその気配さえないままに、彼女が『結婚』…………っ……？
ありえる訳が…………ありえる訳が………………っ……！
私ももうそろそろ、親に『彼氏』よりも『貯金』を気にされる年齢層…………
『夢を見てるわけじゃないが開き直ってもおらず、結婚願望はあるが、
そろそろ一人で生きることも考え始めている*1』類のお年頃………………っ…………！
だからといって………だからといって…………！
何故………何故私の心は『敗北』を覚えているの………っ…………？
そういえば…………そういえば………！
オトナは『よそはよそ ウチはウチ』なんて言葉を言うのと同じ口で………っ……
『〇〇さんちの◎◎ちゃんを見習いなさい！』と言っていた………！
そんな………そんな矛盾が…………私の中で起こっているとでも言うの………っ……？
『絶対』と『相対』と、気にせずにいようとも、他人を気にせずにいられない……………っ………！
所詮『他人なんて関係ない』なんてスタンス、ただのフリでしかなかった………っ……！
そんなこと『無理』……………っ……！
『他人』が存在するかぎり、『他人』を気にして生きていかざるを得ない致命的『運命』
『意志』だけが先行して、それを『現実』に実現できない、全くの宙ぶらりん状態………っ……！
『他人』とは………………『他人』とは正に……
――『地獄』*2…………っ………………
グギ、ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ、
キェェエェェェェェェェェエェッェエェェェェエェェェエエェｘ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……
ぐえゲェェ……オボロロロロロロロロロロロロロ……………っ…………………
そんなレクター博士系女子1人と愉快な連続殺人鬼系女子2人が、精神のドン詰まりから抜け出すため頑張ります
こんなにも凛々しい彼女らが、劇中では地獄を見ます。
*2:ジャン＝ポール・サルトル『出口なし』より引用
