鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!

映画痴れ者/ライター済東鉄腸のブログ。日本では全く観ることができない未公開映画について書いてます。お仕事の依頼は 0910gregarious@gmail.com へ

アーロン・カッツ&"Dance Party, USA"/レイプカルチャー、USA

さて、このブログでは"ポスト・マンブルコア世代の作家たち"というタイトルでテン年代に頭角を表し始めた米インディー作家を多く紹介してきた。というのも「ハンナだけど、生きていく」が公開されマンブルコア受容がとうとう日本で始まった故に、マンブルコアについての解説記事も増えるだろうと目論み、じゃあ自分はその後に続々と登場している才能について紹介していこうかなと思っていったからだ。

だが約9ヶ月ほど書いてきて、マンブルコア受容が本当に進んできたかと言えば特にそうではなかった。「ハンナだけど、生きていく」が公開されたらされっぱなしで、誰もこのムーブメントに属している作家たちや作品を紹介する人々は殆ど現れてはいない。誰か3月にビデオスルーになった「新しい夫婦の見つけ方」「ハンナだけど、生きていく!」の監督ジョー・スワンバーの最新作"Digging for Fire"だと宣伝していた奴は、この前Netflixで配信スルーになった「成果」がマンブルコアのゴッドファーザーであるアンドリュー・ブジャルスキの最新作"Results"だとキチンと紹介していた奴がいただろうか。Twitterで検索すると何人かはいるってそのレベルだ。

まあそういう物かと思った。マンブルコアだけでなくヨルゴス・ランティモス「ロブスター」だって"ギリシャの奇妙なる波"について解説しているのなんかほぼなかった、パンフレットにすらロクに記述がない。まあそういう物だ。じゃあさ、やるよ、じゃあ私がやるよ、最終的には本を纏めるくらいの感じでやるよ、マンブルコアの作家にはどういう人々がいて、どういう作品があって、どういう繋がりがあるか、私が書くよ!!!!ということで新シリーズ"結局マンブルコアってなんだったんだ?"、まず最初に紹介するのはブジャルスキ、スワンバーグ、デュプラス兄弟に並ぶマンブルコアの立役者アーロン・カッツについて紹介していこう。

アーロン・カッツ Aaron Katz は1981年10月29日オレゴン州ポートランドに生まれた。好きな映画は小津安二郎作品やジャック・タチ「プレイ・タイム」テレンス・マリック「ニューワールド」ダーウィンの悪夢とそしてジョー・スワンバーの"LOL"だそう。小さな頃は親にTVを禁止されており映画に触れる機会がなかったが、家族がビデオカセットを買ってきた時から父の借りてきたバスター・キートンマルクス兄弟の作品を観て映画に親しむ。自分から映画を選んで観るようになるのは90年代前半からで、黒澤明プレストン・スタージェスノワール映画などを好んで観ていたそうだ。高等学校時代はスーパー8を持ち友人と映画を製作、駒を取られるごとに命が削られていくチェスゲームに臨むギャングの姿を描いた作品で、出来は酷いものだったらしい。

まずは俳優としての道を歩もうとノースカロライナ大学芸術学部に通い始めるがすぐに監督志望に切り替える。そこでは今後の作品でタッグを組む盟友Brendan McFadden(製作)、Marc Ripper(製作、助監)、Andrew Reed(撮影)、Chad Hartigan(今年のサンダンスで話題となった"Morris from America"の監督)とも出会うこととなる。卒業後は映画製作と並行してIFCセンターで映写技師としても働いていた。映画監督としては2004年にはコメディ短編"Hoopla"を、そして2005年には上記の友人たちと共同監督として"All the Stage Is a World"を製作する。そして2006年に"Dance Party, USA"で長編デビューを果たすのだが今作の構想については次のように語っている。

"まずアイデアが浮かんだのは大学2年か3年の頃、故郷のポートランドで父と住んでいた時のことです。車も運転免許も持って居なかったので、交通手段としてバスやMAXというライトレールを使っていました。ある日友人と会うためそのライトレールに乗っていると誰かの会話が聞こえてきました。2人のティーンエイジャーによる他愛もないお喋りといった風でしたが、今まででも最悪に近いほど不快な内容でした。最初は"おいあのクソ野郎どもを見てみろよ!"という感じでしたが、いつしか私は会話の内容をノートに書き記してしまっていたんです。書き終わる前に彼らは降りてしまいましたが、私は目的地に着くまでに内容を思い出しながらひたすら言葉を書いていって、彼らについて第一印象以上にどんな人間なのかと考えを巡らせるようになりました。この年は夏の初めにも2人の少女の興味深い会話をノートに記していて、この2つの会話を脚本として組み合わせたらどうだろうという構想が浮かんだんです"

バスの中、17歳の青年ガス(Cole Pensinger)は友人のビル(Ryan White)と共に女性のおっぱいはどうだ何だと周りも気にせず卑猥な会話を繰り広げていた。そして彼はとっておきの話を親友に披露する、何でも彼はあるパーティーである"ホット"な少女と出会い、そのままセックスに持ち込もうとしたのだという。良い雰囲気の中でガスが少女の下着を脱がすと、彼女のヴァギナにはヨーグルトの白い塊がへばりついていた。ヨーグルトだぜ、本当にヨーグルトみたいな奴だったんだよ、マジで……

同じ頃、ジェシカ(Anna Kavan)という17歳の少女もまた友人のクリスティ(Sarah Bing)と共にとりとめもない会話をしていたのだが、その流れでふとガスについての話になる。クリスティとガスは恋人関係にあったらしく、その時の愚痴を彼女はジェシカに吐き捨てアイツはクソ野郎だと言い切る。スッキリしたらしいクリスティはジェシカを独立記念日に友人が開催するパーティーに誘い、そして物語は7月4日へと移る……

アーロン・カッツはマンブルコアにとって重要な作家の1人と見なされているが、"Dance Party, USA"は正にこのムーブメントを反映した1作と言える。Sean McElweeによる撮影は手振れを一切抑えることもなく、パーティー会場をフラフラと彷徨いながら誰もが適当に酒を呑み誰もが適当にセックスするとそんな光景を捉えていく。それはラリー・クラークハーモニー・コリンが紡ぐ光景とも似ているが、無軌道と言うには陰鬱に過ぎるし景気が良い訳でもなく会場には深い気だるさが満ちている。ドキュメンタリー的な筆致は観る者をその場にいる気にはさせるが、何処かもう既に全部終ってるという侘しい気分にすらさせられる。

中でも際立つのが若者たちが繰り広げる会話の曖昧加減だ。マンブルコアと言えばそもそも会話が聞き取れないのにキレた音声係の悪口からこの言葉が生まれた訳だが、本作においても音声係の悲鳴が幻聴のように響くばかり。もし字幕を付けて確認しても大したことは言ってない、しかしだからこそ頗るリアルだ。例えばある若者がジェシカを口説くシーン、お持ち帰りしてセックスに持ち込もうと、俺の家には……何たらかんたらと興味を引こうとするのだが、彼女は大丈夫、友達待たなきゃいけないからと相手にしない。それでも引けない若者がkind of……I know……と薄笑いを浮かべ拙い言葉をズルズル引きずり続け、ジェシカも同じ理由で彼をいなし続け、事態は平行線を辿る。こういった空気感が居心地悪くなるほどの生々しさで以て掬い取られていく。

パーティー会場から抜け出し花火を見に来たジェシカは、あのガスと出会うことになる。彼についての悪い評判を聞いている彼女はガスに対して素っ気ない態度を取るのだが、ガスの方は彼女に近づこうとぎこちなく言葉を紡いでいく。そしてガスはある告白をする、それは朴訥と語られるものながら聞いていて酷く吐き気を催す類いのもの、1年前にある少女をレイプしたという告白だ。

此処から物語は性についての根深い問題に足を踏み入れていく。何故ガスはそんな告白を突然したのかは分からない、しかしこれをきっかけに彼は過去に犯した大きな罪と対峙せざるを得なくなる。カッツ監督は彼の姿を淡々と追っていくのだが安易な贖罪という方向へと話を持っていくことはない、むしろレイプという大罪が日常の中でうやむやになっていく様を描き出す。ガスの煮え切らない態度の数々は、彼が罪を償う勇気などサラサラない事実を雄弁に語る。そして彼はビルと共に冒頭のような女性を性的対象としてしか見なさないような会話を繰り広げる、slut, bitch, cunt, cunt, cunt, bitchという言葉を事も無げに連発する姿には底冷えする恐怖が存在する。

"Dance Party, USA"によって、カッツ監督はアメリカだけではなく世界に内面化しながら日常に根づきすぎて普段はその恐ろしさに気づけない差別的な価値観を静かに炙り出していく。ガスは女性に対する男性の暴力性・優位性から降りる気もないがそれでも彼の人生は不思議と上手く行く、そんな光景はこの現実においても当然のように広がってしまっている。


私の好きな監督・俳優シリーズ
その51 Shih-Ching Tsou&"Take Out"/故郷より遠く離れて自転車を漕ぎ
その52 Constanza Fernández &"Mapa para Conversar"/チリ、船の上には3人の女
その53 Hugo Vieira da Silva &"Body Rice"/ポルトガル、灰の紫、精神の荒野
その54 Lukas Valenta Rinner &"Parabellum"/世界は終わるのか、終わらないのか
その55 Gust Van den Berghe &"Lucifer"/世界は丸い、ルシファーのアゴは長い
その56 Helena Třeštíková &"René"/俺は普通の人生なんか送れないって今更気付いたんだ
その57 マイケル・スピッチャ&"Yardbird"/オーストラリア、黄土と血潮と鉄の塊
その58 Annemarie Jacir &"Lamma shoftak"/パレスチナ、ぼくたちの故郷に帰りたい
その59 アンヌ・エモン&「ある夜のセックスのこと」/私の言葉を聞いてくれる人がいる
その60 Julia Solomonoff &"El último verano de la Boyita"/わたしのからだ、あなたのからだ
その61 ヴァレリー・マサディアン&"Nana"/このおうちにはナナとおもちゃとウサギだけ
その62 Carolina Rivas &"El color de los olivos"/壁が投げかけるのは色濃き影
その63 ホベルト・ベリネール&「ニーゼ」/声なき叫びを聞くために
その64 アティナ・レイチェル・ツァンガリ&"Attenberg"/あなたの死を通じて、わたしの生を知る
その65 ヴェイコ・オウンプー&「ルクリ」/神よ、いつになれば全ては終るのですか?
その66 Valerie Gudenus&"I am Jesus"/「私がイエス「いや、私こそがイエ「イエスはこの私だ」」」
その67 Matias Meyer &"Los últimos cristeros"/メキシコ、キリストは我らと共に在り
その68 Boris Despodov& "Corridor #8"/見えない道路に沿って、バルカン半島を行く
その69 Urszula Antoniak& "Code Blue"/オランダ、カーテン越しの密やかな欲動
その70 Rebecca Cremona& "Simshar"/マルタ、海は蒼くも容赦なく
その71 ペリン・エスメル&"Gözetleme Kulesi"/トルコの山々に深き孤独が2つ
その72 Afia Nathaniel &"Dukhtar"/パキスタン、娘という名の呪いと希望
その73 Margot Benacerraf &"Araya"/ベネズエラ、忘れ去られる筈だった塩の都
その74 Maxime Giroux &"Felix & Meira"/ユダヤ教という息苦しさの中で
その75 Marianne Pistone& "Mouton"/だけど、みんな生きていかなくちゃいけない
その76 フェリペ・ゲレロ& "Corta"/コロンビア、サトウキビ畑を見据えながら
その77 Kenyeres Bálint&"Before Dawn"/ハンガリー、長回しから見る暴力・飛翔・移民
その78 ミン・バハドゥル・バム&「黒い雌鶏」/ネパール、ぼくたちの名前は希望って意味なんだ
その79 Jonas Carpignano&"Meditrranea"/この世界で移民として生きるということ
その80 Laura Amelia Guzmán&"Dólares de arena"/ドミニカ、あなたは私の輝きだったから
その81 彭三源&"失孤"/見捨てられたなんて、言わないでくれ
その82 アナ・ミュイラート&"Que Horas Ela Volta?"/ブラジル、母と娘と大きなプールと
その83 アイダ・ベジッチ&"Djeca"/内戦の深き傷、イスラムの静かな誇り
その84 Nikola Ležaić&"Tilva Roš"/セルビア、若さって中途半端だ
その85 Hari Sama & "El Sueño de Lu"/ママはずっと、あなたのママでいるから
その86 チャイタニヤ・タームハーネー&「裁き」/裁判は続く、そして日常も続く
その87 マヤ・ミロス&「思春期」/Girl in The Hell
その88 Kivu Ruhorahoza & "Matière Grise"/ルワンダ、ゴキブリたちと虐殺の記憶
その89 ソフィー・ショウケンス&「Unbalance-アンバランス-」/ベルギー、心の奥に眠る父
その90 Pia Marais & "Die Unerzogenen"/パパもクソ、ママもクソ、マジで人生全部クソ
その91 Amelia Umuhire & "Polyglot"/ベルリン、それぞれの声が響く場所
その92 Zeresenay Mehari & "Difret"/エチオピア、私は自分の足で歩いていきたい
その93 Mariana Rondón & "Pelo Malo"/ぼくのクセっ毛、男らしくないから嫌いだ
その94 Yulene Olaizola & "Paraísos Artificiales"/引き伸ばされた時間は永遠の如く
その95 ジョエル・エドガートン&"The Gift"/お前が過去を忘れても、過去はお前を忘れはしない
その96 Corneliu Porumboiu & "A fost sau n-a fost?"/1989年12月22日、あなたは何をしていた?
その97 アンジェリーナ・マッカローネ&"The Look"/ランプリング on ランプリング
その98 Anna Melikyan & "Rusalka"/人生、おとぎ話みたいには行かない
その99 Ignas Jonynas & "Lošėjas"/リトアニア、金は命よりも重い
その100 Radu Jude & "Aferim!"/ルーマニア、差別の歴史をめぐる旅
その101 パヴレ・ブコビッチ&「インモラル・ガール 秘密と嘘」/SNSの時代に憑りつく幽霊について
その102 Eva Neymann & "Pesn Pesney"/初恋は夢想の緑に取り残されて
その103 Mira Fornay & "Môj pes Killer"/スロバキア、スキンヘッドに差別の刻印
その104 クリスティナ・グロゼヴァ&「ザ・レッスン 女教師の返済」/おかねがないおかねがないおかねがないおかねがない……
その105 Corneliu Porumboiu & "Când se lasă seara peste Bucureşti sau Metabolism"/監督と女優、虚構と真実
その106 Corneliu Porumboiu &"Comoara"/ルーマニア、お宝探して掘れよ掘れ掘れ
その107 ディアステム&「フレンチ・ブラッド」/フランスは我らがフランス人のもの
その108 Andrei Ujică&"Autobiografia lui Nicolae Ceausescu"/チャウシェスクとは一体何者だったのか?
その109 Sydney Freeland&"Her Story"/女性であること、トランスジェンダーであること
その110 Birgitte Stærmose&"Værelse 304"/交錯する人生、凍てついた孤独
その111 アンネ・セウィツキー&「妹の体温」/私を受け入れて、私を愛して
その112 Mads Matthiesen&"The Model"/モデル残酷物語 in パリ
その113 Leyla Bouzid&"À peine j'ouvre les yeux"/チュニジア、彼女の歌声はアラブの春へと
その114 ヨーナス・セルベリ=アウグツセーン&"Sophelikoptern"/おばあちゃんに時計を届けるまでの1000キロくらい
その115 Aik Karapetian&"The Man in the Orange Jacket"/ラトビア、オレンジ色の階級闘争
その116 Antoine Cuypers&"Préjudice"/そして最後には生の苦しみだけが残る
その117 Benjamin Crotty&"Fort Buchnan"/全く新しいメロドラマ、全く新しい映画
その118 アランテ・カヴァイテ&"The Summer of Sangaile"/もっと高く、そこに本当の私がいるから
その119 ニコラス・ペレダ&"Juntos"/この人生を変えてくれる"何か"を待ち続けて
その120 サシャ・ポラック&"Zurich"/人生は虚しく、虚しく、虚しく
その121 Benjamín Naishtat&"Historia del Miedo"/アルゼンチン、世界に連なる恐怖の系譜
その122 Léa Forest&"Pour faire la guerre"/いつか幼かった時代に別れを告げて
その123 Mélanie Delloye&"L'Homme de ma vie"/Alice Prefers to Run
その124 アマ・エスカランテ&「よそ者」/アメリカの周縁に生きる者たちについて
その125 Juliana Rojas&"Trabalhar Cansa"/ブラジル、経済発展は何を踏みにじっていったのか?
その126 Zuzanna Solakiewicz&"15 stron świata"/音は質量を持つ、あの聳え立つビルのように
その127 Gabriel Abrantes&"Dreams, Drones and Dactyls"/エロス+オバマ+アンコウ=映画の未来
その128 Kerékgyártó Yvonne&"Free Entry"/ハンガリー、彼女たちの友情は永遠!
その129 张撼依&"繁枝叶茂"/中国、命はめぐり魂はさまよう
その130 パスカル・ブルトン&"Suite Armoricaine"/失われ忘れ去られ、そして思い出される物たち
その131 リュウ・ジャイン&「オクスハイドⅡ」/家族みんなで餃子を作ろう(あるいはジャンヌ・ディエルマンの正統後継)
その132 Salomé Lamas&"Eldorado XXI"/ペルー、黄金郷の光と闇
その133 ロベルト・ミネルヴィーニ&"The Passage"/テキサスに生き、テキサスを旅する
その134 Marte Vold&"Totem"/ノルウェー、ある結婚の風景
その135 アリス・ウィンクール&「博士と私の危険な関係」/ヒステリー、大いなる悪意の誕生
その136 Luis López Carrasco&"El Futuro"/スペイン、未来は輝きに満ちている
その137 Ion De Sosa&"Sueñan los androides"/電気羊はスペインの夢を見るか?
その138 ケリー・ライヒャルト&"River of Grass"/あの高速道路は何処まで続いているのだろう?
その139 ケリー・ライヒャルト&"Ode" "Travis"/2つの失われた愛について
その140 ケリー・ライヒャルト&"Old Joy"/哀しみは擦り切れたかつての喜び
その141 ケリー・ライヒャルト&「ウェンディ&ルーシー」/私の居場所はどこにあるのだろう
その142 Elina Psykou&"The Eternal Return of Antonis Paraskevas"/ギリシャよ、過去の名声にすがるハゲかけのオッサンよ
その143 ケリー・ライヒャルト&"Meek's Cutoff"/果てなき荒野に彼女の声が響く
その144 ケリー・ライヒャルト&「ナイト・スリーパーズ ダム爆破作戦」/夜、妄執は静かに潜航する