2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
さて皆さん、アメリカのアジア系映画作家と言われて誰が思いつくだろうか。例えば「ドゥーム・ジェネレーション」の鬼才グレッグ・アラキや「SAW」シリーズに「死霊館」シリーズをブームに押し上げたホラー映画界の立役者ジェームズ・ワン、最新映画「クレイ…
このブログにおいておそらくカナダ映画は結構多く紹介してきた。おそらくアメリカ、ルーマニア、メキシコの次に多いのではないだろうか。そんな中で私が贔屓にしてブログでも多く話題にしている映画配信サイトMUBIで次世代のカナダ映画作家大特集が始まった…
私のツイッターのフォロワーは台湾好きが多い。彼/彼女らは頻繁に台湾へと旅行し、様々に楽しんでからほっくり顔で帰ってくる。そして皆がその時の写真を挙げる訳だが、美味しそうな食事に洒脱な建物、美しい風景や驚きの仮装写真などなど見てるこっちまで台…
チリは1989年まで軍政によるピノチェト独裁政権が続いていた。その後政権が崩壊して民主化が進行する中で、しかし忘れられていくものも存在していた。失われた文化、失われた命。今回紹介するAlireza Khatami監督作“Los Versos del Olvido”はチリの過去と現…
男女は平等であるはずなのに、どうしてこんなにも深刻な女性差別が罷り通っているのか絶望したくなる時が、この日本で生きていると本当によくある。女性専用車両への抗議やレイプ事件を告発した伊藤詩織氏へのバッシング、東京医科大学でのテスト点数改竄問…
さて、ルーマニア映画を観るにあたって本当に本当に有り難いのは、様々なルーマニア映画を配信する国公認のYoutubeアカウントCINE PUBが存在していることだ。旧作に新作、短編に長編、劇映画にドキュメンタリーなどなど何でもござれで正直宝の山としか言い様…
思春期を生きるというのは真綿で首を絞められるような苦しみを伴う。自分を支配しようとする親や先生たち、自分と同じ長さを生きているはずだのにどうにも理解できない同級生や友人たち、そして何より大人と子供の間で身体も心も自由にならない自分への苛立…
最近このブログで紹介してきた奇妙な映画として(注:この記事は結構前に書いて放置していたので、実際は最近じゃない)挙げられるのは、ダミアン・マニヴェルによる愛の劇的な移ろいを描いた“Le parc”(レビュー記事読んでね) や、引きこもりの母親に振り回され…
アドリアン・シタル&"Pescuit sportiv"/倫理の網に絡め取られて アドリアン・シタル&"Din dragoste cu cele mai bune intentii"/俺の親だって死ぬかもしれないんだ…… アドリアン・シタル監督の略歴と彼の長編についてはこちら参照前、ルーマニアの友人と犬…
人間は生きている限り、老いからは逃れられない。その例外は一切存在していない。しかし殊に、誰かの子供であった私たちは自分の親だけは他の人々と違って、ずっと老いることなく自分たちの傍らにいると思ってしまっていないだろうか。それは悲しいがあり得…
さてさて、ルーマニア映画界である。私は今までLucian PintilieやMircea Daneliucなど映画界に絶大な影響を与えた巨匠たちについてもこのブログで紹介してきた。もちろんこれでは足らなすぎる。他にもDan PițaやMircea Veroiu、 Nicolae Margineanuなどなど…
Nelson Carlo De Los Santos Arias&"Santa Teresa y Otras Historias"/ロベルト・ボラーニョが遺した町へようこそ Nelson Carlo de Los Santos Ariasの略歴と彼の長編についてはこのページ参照。さてリベンジスリラーと言えば、日本を含めて世界中で馬鹿の…
ラドゥー・ムンテアン&"Hîrtia va fi albastrã"/革命前夜、闇の中で踏み躙られる者たち ラドゥー・ムンテアン&"Boogie"/大人になれない、子供でもいられない ラドゥー・ムンテアン&「不倫期限」/クリスマスの後、繋がりの終り ラドゥー・ムンテアンの略歴…
ユーゴスラビア紛争、そう遠い過去のことではない血塗られた歴史。この時期には数えきれないほどの悲劇がバルカン半島の至る所で繰り広げられていた。その遺恨は今にも引き継がれ解決することはなく、傷が癒えることもなければ、それどころか未だに語られて…
さて、南アフリカ共和国である。本邦で公開される南アフリカ映画は、アカデミー賞を受賞した作品「ツォツィ」や、オーランド・ブルームとフォレスト・ウィテカーが主演した一作「ケープタウン」に、日本でも大きな話題となったニール・プロムガンプ監督によ…
さてガリシアである。スペインの北西部に位置する自治州で、スペインとはまた異なる文化を持っている。使われている言語もガリシア語であり、スペイン語よりもむしろ隣接する国ポルトガルの言語に似ているという。この地を舞台にした映画は例えば「ガリシア…
さて、ここで現代ブラジル映画界の趨勢を振り返っていこう。ゼロ年代においてブラジルには暴力映画の嵐が吹き荒れた。フェルナンド・メイレレスの「シティ・オブ・ゴッド」や、ジョゼ・パヂーリャによる「エリート・スクワッド」二部作はその過激さや容赦の…
2015年、ISによってパリは同時多発テロに見舞われ、多くの人々が傷つき命を落とした。そうしてパリはかつてない絶望感に覆い尽くされることになる。だがしかし、壱でもあっても世界には絶望を吹き飛ばすような希望を煌めかせる人々が確かに存在している。そ…
皆さんはフランスのソフィア・アンティポリスという都市を知っているだろうか?えっ、知らない?それならば偉大なる百科事典Wikipedia様にご登場願おう。“ソフィア・アンティポリス(Sophia Antipolis)はフランス・アルプ=マリティーム県にあるテクノポリス…