razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.com razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.comということでJancsó Miklós ヤンチョー・ミクローシュのインタビュー翻訳第3弾をお届けする。今回は1968年制作の"Fényes szelek"("輝ける風")がイギリスで上映された際、映画批…
razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.comということでJancsó Miklós ヤンチョー・ミクローシュのインタビューその2である。今回はハンガリーの雑誌Ügyvéd Világが行った、ヤンチョー生前最後のインタビューである。媒体が映画雑誌ではなく法律雑誌で且つイン…
現在、この鉄腸マガジンではハンガリー映画史を深堀りする企画を行っているが、ハンガリー映画史を語るうえで欠かせない人物こそJancsó Miklós ヤンチョー・ミクローシュだ。1950年代から映画を製作し始めた彼は、ハンガリーの歴史を異様な長回しとともに語…
どこの国にも、どの時代にもパンク野郎というものはいて、若く苦悶に満ちた音を響かせているものだ。だがルーマニアのパンク野郎についての芸術作品を、あなたは観たことがあるだろうか?無いのならばあなたはRuxandra Ghitescu監督による驚くべきデビュー長…
私はこの鉄腸マガジン上で2020年代の映画界を担うのはアゼルバイジャンだと何度も発言している。故に私はアゼルバイジャンの新たなる才能に目を光らせている訳だが、そこで出会ったのである。彼の名はIsmail Safarali、彼の最新短編"I Still Must Watch You …
中国系移民たちはよりよい未来を求めて世界各地へと散らばることになるが、彼らの行く先の1つがラテンアメリカだった。彼らは南米の異国の地で身を寄せ合いながら暮らし、今ではブエノスアイレスやサンパウロなど大都市各地に大きな共同体が作られているほど…
razzmatazzrazzledazzle.hatenablog.comということでVarga Zoltánへのインタビュー後編です。ここでは2010年代における最も重要なハンガリー・アニメーション、この世界における最も偉大な巨匠であるJankovics MarcellとCsaba Vargaについて、そしてハンガリ…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
2018年にバスク自由と祖国(ETA)が解散宣言を行ったことは記憶に新しい。しかしそれがバスク紛争の終りを告げたかと言えばそうではないし、人々の心には未だ過去が憑りついている。それはバスクの芸術家たちがこの長きに渡る紛争の時代を描き続けていることか…
"De l'or pour les chiens"の始まりはいささか、いやかなり軽薄なものだ。制作会社のロゴが出る時点で男女の喘ぎ声が聞こえ、予想通りファーストショットから彼らが砂浜でセックスをする場面が映しだされる。カメラはある程度離れているが、女性の乳房が揺れ…
さて、このサイトでは2010年代に頭角を表し、華麗に映画界へと巣出っていった才能たちを何百人も紹介してきた(もし私の記事に親しんでいないなら、この済藤鉄腸オリジナル、2010年代注目の映画監督ベスト100!!!!!をぜひ読んで欲しい)だが今2010年代は終…
東欧文化を語るうえでロマの存在は欠かせないだろう。東欧の人々は彼らの存在を否定する(私はルーマニア人と話すことが多いが、その傾向が多く見られる。"彼らはルーマニア人ではない"と)が、ロマの人々は確かに生きていて、独自の文化を築いている。最近注…
ゼロ年代も終りに近づいた2009年、1つの映画がオランダ映画界に激震を巻き起こした。それが新人監督Esther Rotsによるデビュー長編"Kan door huid heen"だった。精神的激動に見舞われた女性が救いを求める姿を描きだした本作は、オランダ最大の映画祭ロッテ…
パレスチナ人映画作家たちは魅力的な娯楽性を通じて、パレスチナの現状を語るのに長けた者たちが多い印象を受ける。例えばエリア・スレイマンは「D.I.」や「天国にちがいない」などにおいて知性に裏打ちされたユーモアと共に、パレスチナの現在を見据え続け…
一目惚れというものにはその人の人生を変貌させる、時には完膚なきまでに破壊し尽くす魔力が存在している。それは理論や倫理を越えた凄絶なる力を持ち合わせている。一度その魔力に憑りつかれた人間は抵抗も虚しく、その荒波のような勢力に呑みこまれ、愛へ…
皆さんもニュースでご覧になられただろうが、今アルメニアとアゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフという地域を巡って激しい紛争を繰り広げている。Twitterでは紛争の動画が流れ(日本人はまるでこの動画を一種の娯楽作品のように捉え、気軽にTwitterで共有し…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
デジリー・アッカヴァン&「ハンパな私じゃダメかしら?」/失恋の傷はどう癒える? - 鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!! Desiree Akhavan監督の経歴と彼女のデビュー作"Appropriate Behavior"についてはこちら参照。今、日本で上映されている作品の中では「エマ、愛の罠…
さて、日本の映画批評において不満なことはそれこそ塵の数ほど存在しているが、大きな不満の1つは批評界がいかにフランスに偏っているかである。蓮實御大を筆頭として、映画批評はフランスにしかないのかというほどに日本はフランス中心主義的であり、フラン…
お世辞にも真剣な視聴者とは言えなかったが、未公開映画を観る間に私も「半沢直樹」のSeason 2を観ていた。先の最終回なんかはラストにおける堺雅人と香川照之の対峙場面などは男と男の意地のぶつかりあいが最高潮に達し、もはや噎せ返る官能性がマニエリス…
セルビアとの度重なる紛争や未だに国に蔓延する貧困故に、コソボの人々には自身の故郷に背を向け、ヨーロッパ各地で移民として生活する者たちも多い。そして彼らはそれぞれに深刻な問題と直面することとなっている。例えば2017年制作の"T'Padashtun"はオラン…
コソボは2008年にセルビアから独立を宣言したばかりの、ヨーロッパで最も若い国だ。それ故に貧困は大きな問題であり、多くの人々が苦闘している状況が続く。今回紹介する作品はそんな貧困との闘いを続ける中年男性の姿を追ったコソボ映画、More Raça監督の長…
ジェントリフィケーションと呼ばれる都市の富裕化は世界的に問題となっている。先頃、渋谷の宮下公園において日本でもホームレスらを排除したうえで、商業施設であるミヤシタパークが建設されたことが批判の対象になった。都市の富裕化は社会の周縁に置かれ…
日本ではあまり知られていないが、アゼルバイジャンはチェスの強豪国である。この国にはヴガル・ガシモフやガルリ・カスパロフといった数多くのチェス・チャンピオンがおり、例えば2019年には世界U-16チェスオリンピックでは幾つもの優勝候補を破り、アゼル…
映画批評家として映画を観続けてきたうえで、2020年代に台頭する国はどこかと聞かれたとするなら、私はこう答える。コソボ、スロヴェニア、カザフスタン、そしてアゼルバイジャンと。アゼルバイジャンに関してこう確信させてくれた映画作家がHilal Bydarov …
さて、2010年代はカザフ映画界において躍進の年だった。Emir Baigazin エミール・バイガジンのデビュー長編"Harmony Lessons"がベルリン国際映画祭で上映、撮影賞を獲得し、更に彼の第3長編"The River"はヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で監督賞を獲得する…
2016年、トルコで勃発したクーデターは記憶に新しい。トルコ軍の反乱勢力がエルドアン政権に反旗を翻したこのクーデターは未遂に終わったが、これがエルドアン政権の強権をさらに強めることになる。この事件を否応なく思いださせる光景から幕を開けるAzra De…
何事も、永遠に続くことはない。どんなに頑強に建てられた家も、どんなに密な関係性を持つ共同体も、どんなに強靭な生命力を持つ生命も。この世界に在る限り、終りを持たないものというのは存在するはずもないのである。この至極自然な、しかしいつだって目…
さて、皆さんはジョージ・アーミテイジという映画作家を知っているだろうか。正直、彼を知っている人はそう多くないだろう。唯一彼の監督作「マイアミ・ブルース」は日本でカルト的な人気を誇っているゆえに、今作の監督として記憶に残っている方はいるかも…
エクスプロイテーション映画、セクスプロイテーション映画、ブラックスプロイテーション映画、そういったジャンル名に聞き覚えのある方は多いかもしれない。だがNurseploitation ナースプロイテーション映画という名前を聞いたことがあるだろうか。その名の…